リーダースタイルと得意領域の発見
不慣れなリーダー業務を行う中で、理想と現実の自分にギャップを感じ、うまくリーダーシップを発揮できず悩むことがあると思います。
また、部下のリーダーシップをどうやって磨かせるべきなのか、苦慮することもあるでしょう。もしそうであれば、『自分や彼がどんなタイプなのか』を把握することが解決の一助になります。
5つのリーダースタイル
リーダーシップを発揮する領域は得手不得手があり、パターン分けできます。
5つのリーダーシップスタイルを学び、得意領域に合わせたリーダーシップを発揮させることで、組織を動かしましょう。
1.ビジョンリーダー「専制・育成放置型」
最も前向きなリーダースタイルです。目標に向かわせるために、組織を共感させ、人を動かします。
ビジョンを謳い続け、到達までの方法を押し付けることはありません。道を示し、選択肢も与えますが、メンバーの主体性を育て発揮させることを中心に考えます。
「人に嘘をつかせることが嫌い」「本音で向き合う」ことができる人は、ビジョンリーダーに向いています。
数あるリーダーシップの中で、最強のリーダースタイルと言われていますが、ビジョンリーダーシップは才能であり真似が難しいスタイルです。
長所
- ・組織への帰属意識が高まる
- ・大きな変化や底辺環境を耐え抜くことが出来る
短所
- ・本気のビジョンを描いていなければ絵空事に思われてしまう
- ・リーダーが弱気な態度を取るとチームが不安を覚える
2.コーチリーダー「専制・全方位育成型」
一人ひとりの長所を見抜き、それを鍛えることで成果を最大化させます。
コーチングスキルを高い次元で有している人物は希少ですが、人材育成という観点では最も強いリーダーシップです。
普段から良く人を見て、コミュニケーションをとり、他人を認める器のある人がコーチリーダーシップの才能を持っている人です。自分より優秀な人がいると喜ぶタイプも、コーチの才能があると言えます。
長所
- ・メンバーが長所と短所を自覚するプロセスを早められる
- ・メンバーのモチベーションの高低に左右されない
短所
- ・メンバーを個人的に理解していないと発揮できない
- ・部下を指導するだけの専門知識や思いやりが備わっていないと効果がない
- ・評価されないメンバーから反感を買う
3.サーバントリーダー「民主型・育成放置型」
リーダーが土台を支えることで、信頼関係を強固にするリーダーです。
和をもって尊しとなし、「リーダーのために部下がいる」という発想でなはなく「部下を支えるためにリーダーは存在する」ことを基本として行動します。
自らが圧倒的に努力することで周囲から信頼を獲得し、対話の中から周囲に気づきを与えていきます。指示や育成は細かく行わず、目標までの動きはメンバーの主体性に任せます。
影ながら努力し、評価をうけなくても成長できる人材がサーバント型です。
長所
- ・日本人が得意とするスタイルであり、日本人に好かれやすい
- ・部下が主体性を発揮しやすい
短所
- ・業績が悪い時は裏切られやすい
- ・自然性を持たない部下に対しては、行動させられず成長も促しにくい
- ・対話を周囲と行わない場合は単なる個人プレイ
4.エンペラーリーダー「専制型・育成集中型」
裁量権を握り、命令を自らうちだし、人を行動させます。目標から戦術レベルまで部下の行動を計画し、徹底的に進捗を確認することで組織を強引に引っ張ります。
狙って威圧感を発揮させることができる人や、自らへの誹謗中傷に耐えれる人だけがなりうるリーダースタイルです。
長所
- ・短期的な業績UPに効果的
- ・危機的状況や災害、パンデミック時に有力
- ・スピード感ある組織リズムを打ち出すことが出来る
短所
- ・メンバーの主体性が育ちにくい
- ・ベクトルがズレやすい
5.センドリーダー「民主型・育成集中型」
自分のリーダーシップを表に出さず、強力な味方に指示出しをすることで、自分のリーダーシップを部下に表現させます。
特定の側近の力を120%以上に引きだすことで、影から組織をまとめます。強い信頼関係を持つ同僚や部下をもち、自身の能力が周囲を確実に上回り続けられる人に向いたリーダーシップです。
長所
- ・もともと目立っていた人材の成長をさらに加速させることが出来る
- ・効率的な人材育成を行える
- ・指示出しする人物を絞ることで、業務全体を効率化できる
短所
- ・多くのメンバーからの信頼は醸成されにくい
- ・功績を評価されにくい
- ・業務全体を把握しきれなくなる
まとめ
誰にでも得意不得意があるので、まずは得意を活かしたスタイルを確立させましょう。
そして何より大切な事実は、スタイルは「組み合わせることが出来る」という点です。
得意のリーダーシップを学べたら、その短所を補うようなスタイルを学び、上のステージに昇っていきましょう。
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