リーダーシップとは?5つの資質と10の誤り
リーダーシップとは、一般的には組織を鼓舞する存在を指すことが多いです。
指導力や統率力で表現されることが多いですが、正しくは「主体性を持って周囲を導く」存在を指します。
リーダーシップとは何か
リーダーシップとは「主体性をもって周囲を導く」ことを指します。より良い未来にむけて人々を一致団結させ、目標に向かって導きます。
ビジョンを提示したり、スキルアップできる環境を提供したりと、リーダーはできうる限りの方法でチーム・組織を先導します。
何より重要なのは、メンバーの強みを活かして成果を出すことです。人それぞれ強みがあり、それを活かして勝たせることがリーダーには重要です。
リーダーの資質【五材】
- 勇 勇気や豪胆さ。恐れず前に進むこと
- 智 知識や知恵、洞察力。インプットを怠らず、先見の明がある
- 仁 仁徳や人格。人から心服される。人の協力が得られること
- 信 信頼。自身の信頼構築はもとより、人に嘘をつかせないこと
- 忠 実直、誠実。任されたミッションに対してひたむきであこと、大切なことを見失わない事
古代中国の軍師、太公望が記した「六韜三略(りくとうさんりゃく)」に書かれているリーダーの5つの資質です。
資質は才能ではなく、努力で習得できると書かれています。
5つの要素のうち1つでも持っている者がいれば、充分リーダーになる資格があり、他全てを徐々に習得させていくことで素晴らしいリーダーになっていきます。
リーダーが陥りがちな過ち【十過】
- 勇にはやって死を軽んずるもの
- 短気でせっかちなもの
- 欲が深くて利益を好むもの
- 仁がありすぎて厳しさに欠けるもの
- 智はあるけれど臆病なもの
- どんな相手も軽々しく信用するもの
- 清廉であって人にもそれを要求するもの
- 智がありすぎて決断できないもの
- 意思が強くなんでも自分で処理するもの
- 意思が弱くなんでも人任せにするもの
同じく、六韜三略にはリーダーが誤ってしまいがちな要素を、「十過」としてまとめています。
「勇にはやって死を軽んずるもの」とは、勝てない勝負に挑むことです。戦略をたてずに戦い続けるリーダーを指します。
「清廉であって人にもそれを要求するもの」。清廉とは心が清らかで私欲がない人物を指します。無欲で頑張り続けることが素晴らしい事ですが、それを人に押し付けてはいけません。世の中には様々な人がいて、部下にも色々な思惑があります。無欲、私欲どちらも治めてこそのリーダーです。
『戦わずに勝つのが理想』『作戦が重要』というスタイルは孫子と変わらないですが、六韜三略には治主としての在るべき姿や姿勢が書かれています。
リーダーシップの育て方
- 配置:長所を活かせる役割を持つこと
- 権限:自らが組織や予算を動かす裁量権を持つこと
- 決断:自らが主体となって判断できたと言える経験を増やすこと
「配置、権限、決断」。これら3つの積み重ねがリーダーシップを育みます。
リーダーシップを学ぶ上で参考したのがChikirinさんのブログです。なんで全員にリーダーシップを求めるの?に非常に本質的なことが書かれています。
人はリーダーシップ体験を積むことにより、「高い成果を出せるチームの構成員」になる。
リーダーシップ体験のない人って、すぐにわかりますよね。彼らは幹事にもなったことがないので、店の選び方について後からどうでもいい意見を言ってみたり、参加可否を問うメールを放置して返事をしなかったり、たいした用もないのに遅れてきたり、「オレは酒が飲めないから安くしろ」と言ってみたりすることが、どれくらい慎むべき行為言動をし、それの何が悪いのかさえ理解していません。そういう人を見ると「ああ、一回もリーダーをやったことがないんだな」といつも思います。
リーダーシップをもつ人間を多く育てることが、組織マネジメントの究極の答えであり、そのためには「配置、権限、決断」の経験をどんどん積ませましょう。
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