ブリリアントジャークとは?3つの対処法と1.1コミュニケーション
ブリリアントジャーク(Brilliant Jerk)とは、優秀だけど人間性に問題のある人物を指します。
組織が大きくなってくると、必ず1人は現れるものであり、ブリリアントジャーク問題にどう向き合うかリーダーが悩むことになります。
問題児への対処法と、ブリリアントジャークがいる組織への向き合い方について解説します。
ブリリアントジャークとは?Netflixの指摘する要らない人物
Netflixカルチャーページ引用のバズワード
出典:Netflix Jobs
ブリリアントジャークは、NetflixのValueページの一節に登場した単語です。Netflixは数々の人事戦略本からもわかるように、人材の入り口と環境への仕組み化が尋常ではありません。
Valueページには、優秀な人材が集まる「ドリームチーム」を作るための考え方が網羅されていて、ブリリアントジャーク(問題児)への対処も記載されています。
有能だが協調性がない人物は排除
ドリームチームには、有能だが協調性がない、いわゆる「Brilliant Jerk」には居場所はありません。そういった人は素晴らしいチームワークを損なう要因となるからです。どれほど優秀な人材であっても、他人ときちんとしたコミュニケーションがとれなくてはいけません。能力の高い人同士がうまく協力して仕事をすれば、お互いの創造性や生産性が高まり、個人で働くより大きな成功をチームとして収めることができるのです。Netflix Jobs:ドリームチーム
Netflix曰く、ブリリアントジャークとは「有能だが協調性のない」人物です。パフォーマンスは高いけどモラルが低かったり、言葉(態度)で周囲に悪影響を与える人間が該当します。
個としてみれば優秀であるものの、組織単位で見るとチームの生産性を損ねるブリリアントジャークは、チームに不要だとしています。
ブリリアントシャークは組織生産性を30%下げる
腐ったりんごの実験
腐ったりんごとは『攻撃的なセリフや行動』『怠惰なセリフや行動』『愚痴と文句』が特徴のメンバーです。ニューサウスウェールズ大学が「腐ったりんごの実験」を行い、生産性のテストを行いました。
組織に腐ったりんごを送り込み、会議の中で暴言や「かったるい」などという発言を参加者に聞こえる声で話させると、どんなに優秀な人が集まった組織でも、生産性が30%以上落ちる結果になりました。
参考:THE CULTURE CODE 最強チームをつくる方法
美味しいりんごで中和する
実験は、「腐ったりんご」で終わりません。腐ったりんごがいる場合は、「美味しいりんご」を参加させることで場の雰囲気を中和させることも実験からわかっています。
美味しいりんごは、「そうなんだね~、僕はこう思うんだけど、あなたはどう思う?」と他の人に触れる別人物のことです。中和行動をとることで、参加者に腐り(悪意)を伝播させなくすることができます。
ただし、美味しいりんごはコミュニケーション上手か雑談長者でなければ務まりません。そのようなメンバー不在の場合は、リーダーが徹底的に向き合う必要があります。
ブリリアントジャークの3つの対処法
ブリリアントシャーク問題は、メンバーに対処を一任せず、リーダーも対応することが必要です。未然にハザードを防ぐ3つの方法を紹介します。
問題児にはリーダーが先手を打て
ブリリアントシャークは、優秀ゆえに見られ方に敏感です。したがって、リーダーは普段から「すぐに怒る奴って、魅力を感じないよね。」などと言い広めることが重要です。
問題児は、自分が問題児であることを認識していないことが多いです。怒りや我儘で周りをコントロールしている自覚がないので、そういう人物ではないかをメタ認知させ封じこみましょう。
嫌なヤツの捏造も手段の1つ
ブリリアントシャークには、正論を解くより「こういうことをしたらダサい」と伝えることが行動抑制のキーになります。以前こういうやつがいたんだけどさ...と悪役やエピソードをでっち上げることで圧をかけられます。
「このチームには、そんな奴がいなくて良かった。」と皆の前で話していくと、ブリリアントシャーク問題は極小化していきます。
参考:ずるい仕事術
1つの意見として承認する
日本人は、反対意見と人格攻撃を区別できない人が多いです。自分と異なる意見=敵と思ってしまうのが日本人ですが、自分と異なるということを理由に、他者を拒絶することがないようにチームを育てるのもおすすめです。
異なる意見があることは前提で、それも肥やしにして建設的な議論にするようにファシリテートします。ブリリアントシャークは承認欲求を満たされ、そもそも優秀なので議論に本格的に役立つように変化していきます。
参考:THE CULTURE CODE最強チームをつくる方法
覚えておきたい1.1コミュニケーションと0.9コミュニケーション
コミュニケーションには×1.1を与える人と×0.9を与える人がいます。良いマネージャーやメンバーは×1.1コミュニケーションが上手です。
ブリリアントシャークは0.9コミュニケーションの化け物で、助長すると0.9が0.8、0.8が0.7とパワーアップし、チームを破壊していきます。
参考:今いるメンバーで「大金星」を挙げるチームの法則『ジャイアントキリング』の流儀
1.1コミュニケーションは自己重要感を上げる
1.1コミュニケーションは、受け入れや興味関心、意味付け、背景確認に基づき、コミュニケーションする相手を成長させるなどプラスの効果をもたらします。
相手の意見に賛同したり、期待を告げることで相手の自己重要感を高め、結果的にチーム全体の生産性が高くなります。
0.9コミュニケーションは自己重要感を下げる
0.9コミュニケーションは犯人捜しや否定放置、論理のすり替え、マウンティングによって、組織を混沌に突き落とします。
相手の意見を拒絶したり、言われたら言い返すを繰り返すことで相手の自己重要感を下げ、発言や主体性のないチームに成り下がっていきます。
1.1コミュニケーションがとれる人物を増やす
ブリリアントシャーク問題を発生させない最高の方法は、チームに1.1コミュニケーションと0.9コミュニケーションを伝えることです。
1.1コミュニケーションの連鎖を作れば、ブリリアントシャークは居心地が悪くなり、自然淘汰されていきます。
自分がブリリアントジャークになってないかをメタ認知
ブリリントジャークの意味と対応方法を書きましたが、もっとも大事なのは自分が問題児になっていないかを自問自答することだと思います。
- ・相手の話が間違っていても途中で遮らない
- ・お礼やフィードバックは即時行う
- ・相手の意見を求め双方向で会話する
- ・否定から入らない。賛成できない意見でも否定しない
- ・マウンティングしない
- ・出来なかったことより出来たことにフォーカス
- ・相手の目を見て話す。集団対話でも一人ひとりの目を見る
また、投げかけた言葉1つ1つを振り返り、1.1コミュニケーションにできているかも確認しましょう。
- ・「なんで終わってないの?」→止まっている理由ってなんですか?
- ・「全然進捗してないね。」→誰に相談すると進みそう?誰にサポートしてもらうのがいいと思う?
- ・「その意見はありえない。」→別の視点に立つとうまくいきそうな意見ってあるかな?
- ・「意味分からない。」→理解したいから聞くんだけど、これってどの観点での意見かな?
書いてて悲しくなったけど、自分はブリリントジャーク(0.9コミュニケーション)でした。精進します。
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