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Writing by y-takayanagi

もうイライラしない!臨床心理的・男女の脳の違いとは?

Writing by y-takayanagi

もうイライラしない!臨床心理的・男女の脳の違いとは?

どんなに分かり合えたと思っていても、男と女は違う生き物。「どうして男は分かってくれないの?」とフラストレーションを募らせることは、日常茶飯事です。

カウンセラーとしてあらゆる恋愛ケースの相談を受けている臨床心理士・山名裕子先生に、男女の考え方の違いと対処法について訊きました。

男女の脳は全然ちがうから、すれ違って当たり前!

臨床心理士・山名裕子先生

カップルや夫婦間の悩みでカウンセリングに訪れる方はたくさんいる、と話す山名先生。その多くが「相手のこんなところを変えたい!」と相談に来ると言います。

「『私はこうしているのに、彼は全然してくれない』『彼女に感情的に振り回されて、もう疲れてしまった』など、相談に来られる方はまず相手への不満を募らせます。『どうしたら、相手に変わってもらえますか?』と。

でも、他人を変えるには膨大なエネルギーと時間がかかります。自分が変わった方が断然ラクだし近道。まずはそのことに気づいてもらうことから始めるんです」(山名先生)

一般的に男性は論理的、女性は感情的と言われますが、これはそもそも男女で脳の構造が違うから。男女間でのすれ違いは否めないのです。

「女性は男性より脳梁が大きく、五感を司る右脳と論理的思考を司る左脳の連動性が優れていると言われています。

女性の方が比較的感情が豊かなのは、動物的感性の右脳と人間的思考の左脳とが、頻繁に行き来をするから。対して、男性は理性的に物事を考える際、感情の入る余地があまりないのです。

例えば、男女の会話のすれ違いでよくあるのは『相談されたのでアドバイスしたら怒られた(男性)』と『話を聞いてほしいだけなのに、あれこれ指示されてうるさい(女性)』というケース。

どちらも男性脳・女性脳の動きにしたがっているだけなので、まずは、お互いの脳の違いを理解しなくてはいけません」(山名先生)

男性は「一人の時間」、女性は「共有と共感」

何か悩みを抱えたとき、どう解消しようとするか。その方法も、男性と女性では違うと言います。

「考え事があるとき、男性は一人になって思考を整理する時間を欲します。一方、女性は心の寄り添いを求めるので、誰かに話し、頼ろうとします。

女性は自分の感覚から『彼はどうして私に話してくれないの? 頼ってくれないの?』と不満を感じがちですが、それは物事の解決方法が男女で違うから。

女性は男性に求める前に男女の感覚の違いを理解して、彼が話してくるまで待つことも大切です」(山名先生)

男性は攻め、女性は守る。それが人類の歴史

草食系男子、肉食系女子といった言葉が広がり、性のあり方が変わっている昨今。個人の気質の違いはもちろんありますが、「生物的にも歴史的にも、男性は攻め、女性は守りながら進化を続けてきた」と山名先生は言います。

そこから見える男女の違いには、どのようなものがあるのでしょうか。

「男女のセックスを考えてみても、物理的に女性は受け身で“選ばれる性”です。女性はいかにして選ばれるかという点で他人と比較し、自分の優位性をアピールして、生き抜いてきた歴史があります。

一般的に男性より女性の方が形にこだわるのは、他人と比較する際の優位性を明確にしたいから。曖昧な関係ではなく『付き合っている』『婚約』『結婚』などの関係性にも名称を欲しがり、記念日やプレゼントにも比較的喜びを感じやすい生き物です。

また守りの姿勢が強く、常に不安を抱えているという側面もあります。男性はそれを理解し、記念日を大切にしたり、不安を取り除くよう『好き』『愛している』といった言葉を大切にしたりするなどを、意識的に行った方がいいと思います」(山名先生)

人間関係は「返報性の原理」に基づいている

返報性の原理とは、好意を受けたら好意で返そうとし、悪意を持たれると悪意を持つようになるというような感情の返報性のこと。男女の関係もすべて、この返報性が働いているのです。

「誰かに優しくすれば、その人も優しく接してくれ、逆に苛立ちをぶつければ、ぶつけられる。人は、相手の感情を受け取ってそれを返そうとする習性があります。

カップルや夫婦間で『相手の言い方がきつい』『全然、愛情表現をしてくれない』など不満がある人はまず、自分が相手にどういう態度や言葉で接しているかを振り返ってみてください

『ありがとう』と毎日のように言われれば『私もありがとうと言おう』『もっと優しくなろう』という気持ちが生まれるものですよ」(山名先生)

いかがでしたか?「これは脳の違いなんだ」と理解し、今夜から相手への接し方を変えてみれば、関係性にも変化が生まれるかもしれませんね。

※取材協力:やまなメンタルケアオフィス