長期優良住宅のメリットとデメリットとは?申請した方が良いの?【2024年】
「長期優良住宅のメリット・デメリットは?」
「どうやって申請すればいいの?」
長期優良住宅は、耐久性などの基準をクリアした、一般の住宅よりも長く暮らせる住宅です。しかし、長期優良住宅のメリットやデメリット、後悔しないのか気になりますよね。
そこでこの記事では、長期優良住宅のメリット・デメリットはもちろん、申請する方法も解説しています。長期優良住宅の認定条件も記載しているので、申請をすべきかどうかが解決できます。
- ハウスメーカー大学@編集部
- 30代の注文住宅編集部。後悔を残したメンバー&これからマイホーム購入を考える選抜メンバーで、詳しさは業界トップ級だと自負してます。
目次
長期優良住宅とは?
長期優良住宅とは、政府が定める「長期優良住宅認定制度」の基準を満たした住宅のことです。長期優良住宅認定制度は、長く住める家を増やして人々の暮らしを豊かにし、地球環境への悪影響を抑える目的でスタートしました。
2009年の制度発足以来、令和5年3月末時点で、147万戸以上が長期優良住宅の認定を受けています。一戸建てで長期優良住宅の認定を受けるためには、耐震性や省エネルギー性など、7つの評価項目に合格する必要があります。
長期優良住宅に認定されると、減税や補助金など、金銭面でさまざまな恩恵を享受できます。なお、所轄行政庁への申請は着工前に行う必要があります。間取りや設備を決める前に、建築会社へ長期優良住宅を建てたい旨を伝えておくことが大切です。
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長期優良住宅の認定を受ける9つのメリット
- 住宅ローン控除が拡充される
- 固定資産税の減税を受けられる
- 不動産取得税の減税を受けられる
- 投資型減税を受けられる
- 登録免許税の税率が引き下げられる
- 住宅ローンの金利の優遇を受けられる
- 補助金を利用できる
- 地震保険料の割引を受けられる
- 家の資産価値を上げられる
住宅ローン控除が拡充される
控除対象になる 借入限度額 | 1年間の 控除限度額 | |
---|---|---|
長期優良住宅 | 5,000万円 | 50万円 |
一般住宅 | 4,000万円 | 40万円 |
住宅ローン控除の拡充は長期優良住宅の認定を受ける大きなメリットです。住宅ローン控除を利用すると、住宅ローン残高の1%が10年間にわたって所得税と住民税から控除されます。
例えば、3,000万円のローン残高がある状態なら30万円の所得税控除が受けられます。控除対象になる借入限度額は、一般住宅より長期優良住宅のほうが高く設定されています。なお、2022年度の税制改正によって住宅ローン控除の概要が変更される見通しです。
基本的に控除期間は13年、控除率は0.7%となります。税制改正後、2023年までに入居した場合の控除対象になる借入限度額は、長期優良住宅なら5,000万円、一般住宅なら3,000万円です。
【住宅ローン控除とは】 住宅ローンを利用して家を建てるときに所得税や住民税の一部が控除される制度のこと |
固定資産税の減税を受けられる
減税期間 | |
---|---|
長期優良住宅 | 5年 |
一般住宅 | 3年 |
長期優良住宅を建てれば、固定資産税についても優遇が受けられます。固定資産税は、土地と家屋の固定資産税評価額に、税率をかけた金額が毎年課せられる税金です。標準税率は1.4%で、一般的な家屋なら毎年10〜15万円程度支払う必要があります。
ただし、新築住宅を建てると固定資産税は一定期間2分の1に軽減されます。減税期間が、長期優良住宅では一般住宅よりも長く設定されています。
なお、固定資産減税の対象となるのは、住宅面積が50〜280平米で居住部分の床面積が全体の2分の1以上である住宅です。減額期間の延長を受けるためには、市区町村に長期優良住宅認定通知書などを提出する必要があります。
不動産取得税の減税を受けられる
不動産取得税控除額 | |
---|---|
長期優良住宅 | 1,300万円 |
一般住宅 | 1,200万円 |
家を建てた際に課せられる不動産取得税についても、長期優良住宅の認定を受けると有利になります。不動産取得税の金額は「固定資産税評価額×3%」ですが、一般住宅と長期優良住宅では不動産取得税控除額が異なります。
一般住宅の不動産取得税は(固定資産税評価額-1,200万円)×3%ですが、長期優良住宅は(固定資産税評価額-1,300万円)×3%です。新たに取得した家屋の固定資産税評価額が1,300万円を上回る場合、納税額には3万円の差が生じます。
投資型減税を受けられる
住宅ローンを利用せずに長期優良住宅を買う場合も、投資型減税による控除が受けられます。投資型減税は、現金で長期優良住宅などを購入した人が利用できる減税制度です。
長期優良住宅の認定を受けるためには、一般住宅よりも高い性能が必要です。投資型減税を利用すると、高い性能を備えるための掛かり増し費用のうち、10%が年末の所得税から控除されます。
投資型減税の控除対象限度額は、650万円なので、最大控除額は65万円です。控除額が所得税を上回り、控除しきれなかった分は翌年の所得税から控除されます。
登録免許税の税率が引き下げられる
保存登記の税率 | 移転登記の税率 | |
---|---|---|
長期優良住宅 | 0.1% | 0.2%(戸建て) |
一般住宅 | 0.15% | 0.3% |
長期優良住宅は、登録免許税の税率も一般住宅より安く設定されています。家を新築したときは、法務局で所有権保存登記を、中古住宅を購入したときは、所有権移転登記を行う必要があります。手続きを実施するときに課せられるのが、登録免許税です。
長期優良住宅の場合、登録免許税の税率が一般住宅の2/3に抑えられているので、費用が抑えられます。
住宅ローンの金利の優遇を受けられる
住宅ローンで金利の優遇が受けられることも、長期優良住宅を建てるメリットの一つです。住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する商品「フラット35」を利用するとき、長期優良住宅の認定を取得することで、金利優遇措置が受けられます。
長期優良住宅を建てる場合は「フラット35」Sの金利Aプランが選べます。フラット35Sは、フラット35の場合よりも高い技術基準を満たした住宅に適用できるプランです。フラット35Sの金利Aプランなら、10年間にわたって金利が引き下げられます。
また、長期優良住宅なら最長50年間の固定金利ローンが組める「フラット50」も利用可能です。
補助金を利用できる
長期優良住宅に認定されると「地域型住宅グリーン化事業」による補助金を受けられる可能性があります。地域型住宅グリーン化事業は、国の採択を受けた地域の工務店で、地域材をつかった木造住宅を建てた場合に、補助金が支給される事業です。
長期優良住宅が地域型住宅グリーン化事業の対象となった場合、上限110万円の補助金が受けられます。さらに、省エネ性能を強化すれば補助金が30万円加算されます。
ただし、長期優良住宅に認定されても大手ハウスメーカーで建てた場合は補助金の対象外です。補助金を利用したい場合は、地域型住宅グリーン化事業のグループに属している事業者を探しましょう。
地震保険料の割引を受けられる
長期優良住宅に認定されている住宅であれば、耐震等級2・3の基準に満たしているため、地震保険加入時に保険料の割引が受けられます。
地震保険には「耐震等級割引」があり、割引率は耐震等級2なら30%、耐震等級3なら50%です。また、建物が免震装置の上に乗った「免震建築物」に該当する場合も50%割引されます。
加入する保険会社にかかわらず、地震保険は割引率や補償内容が同一です。提出書類などで耐震性が証明できない場合、本来の割引率が適用されないこともあるので注意してください。
家の資産価値を上げられる
資産価値が下がりにくい家を建てたい人にも、長期優良住宅はおすすめです。建物は土地と異なり、時間が経つにつれて古びていくため、資産価値が下がっていきます。
長期優良住宅は、家族が世代をまたいで長く住み続けることを前提として建てられます。耐震性などの基準を満たすことで災害時も損傷が抑えられ、改修によって住環境を維持できるでしょう。
住宅の資産価値を維持するためにも、質のよい家を建てて長期優良住宅の認定を受けるのは大きなメリットです。家を売却するときも、長期優良住宅であることは有効な付加価値となります。
長期優良住宅の認定を受ける4つのデメリット
- 認定を受けるのに費用がかかる
- 家の性能を維持する必要がある
- 建築期間が長くなる
- 建築コストがアップする可能性がある
認定を受けるのに費用がかかる
長期優良住宅の認定を受けるためには、申請の手数料や代行手数料などの費用がかかります。認定や技術審査にかかる手数料は行政によって違いますが、5万~6万円程度が相場です。
手続きを工務店などに代行してもらう場合、さらに代行手数料が発生します。申請に必要な設計図書類の作成にも20万円程度はかかると見込んだほうがよいでしょう。
長期優良住宅を検討するときは、節約できるコストと余計にかかるコストのバランスを考慮しておくのが賢明です。
家の性能を維持する必要がある
長期優良住宅を建てた後、家の性能を維持しなければならないこともデメリットの一つです。長期優良住宅の認定基準項目には「維持保全計画」があります。申請に際して、維持保全計画を提出し、指針に従って、点検や補修を行い続ける義務があります。
住宅のメンテナンスなどをしないと、認定が取り消されることもあります。維持保全に関する実施記録を作成し、保存しておく手間がかかるのはデメリットです。
建築期間が長くなる
長期優良住宅は、一般住宅より建築期間が長くなります。長期優良住宅を建てるためには、着工前に所轄行政庁から認定を受けなくてはなりません。
認定が下りるまでには、数週間から数ヵ月の時間がかかり、結果として建築期間が長くなります。
建築コストがアップする可能性がある
長期優良住宅は、一般住宅より建築コストが高くなりやすいです。長期優良住宅の認定を受けるためには高い性能が必要であり、仕様のグレードアップを求められるケースがあります。
ただし、ハウスメーカーによっては長期優良住宅が標準仕様になっており、コストが変わらない場合もありますので、直接問い合わせるのが吉です。
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長期優良住宅の認定基準(条件)
認定基準の項目 | 内容 |
---|---|
劣化対策 | 住宅を数世代にわたって使用できる |
耐震性 | 大地震に対しての損傷を少なくし、簡単に修理が行えるかつ、長期にわたって家が使えること |
可変性 (共同住宅・長屋のみ) | 住んでいる人の生活スタイルが変わっても、柔軟に間取りの変更が可能なこと |
維持管理 | 内装・設備などの維持管理(清掃・点検・補修)が簡単に行えること |
高齢者等対策 (共同住宅等のみ) | バリアフリーが必要になった場合でも対応できる仕様であること |
省エネルギー対策 | 必要な省エネルギー対策を確保していること |
住戸面積 | 良好な生活水準を満たすのに必要な規模が備わっていること |
居住環境への配慮 | 景観などが優れている地域での、居住環境の維持や向上に配慮していること |
維持保全計画 | 定期的な点検や補修に関する計画が事前に策定されていること |
- ▼認定基準の詳しい内容(タップで開閉)
認定基準の項目 内容 劣化対策 住宅の構造躯体を数世代にわたって使用できること。
認定基準は劣化対策等級3を満たすこと。
木造の場合、床下空間に330mmの有効高さを確保し、床下と小屋裏に点検口を設置する。
鉄骨造の場合、防錆措置などを施す。耐震性 まれに発生する大地震の際の損傷レベルを低減し、改修を容易にして長期にわたる家の継続利用を目指すこと。
認定基準は耐震等級2以上、または免震建築物であること。
または、耐震等級1で安全限界変形100/1以下(木造なら40/1以下)であること。可変性
(共同住宅・長屋のみ)居住者のライフスタイルが変化したときなど、間取りを柔軟に変更できる仕様になっていること。
認定基準は、住戸専用部に更新対策を講じること。
間取りの自由度に関わる躯体天井高を2,650mm以上にする。維持管理 構造躯体より耐用年数が短い内装・設備について、清掃や点検、補修などの維持管理が容易に行えるよう配慮されていること。
認定基準は、配管や排水管に関する維持管理対策等級3、および更新対策等級3。高齢者等対策
(共同住宅等のみ)共用廊下などに必要なスペースを設けており、将来的なバリアフリー改修に対応できる仕様であること。
認定基準は、共用部分における高齢者等配慮対策等級3以上。
なお、手すりや段差、高低差についての基準は適用されない。省エネルギー対策 断熱性能など、必要な省エネルギー対策を確保していること。
認定基準は断熱等性能等級4。住戸面積 良好な居住水準を満たすために必要な住戸規模が備わっていること。
認定基準は、床面積の合計が75平米以上であること。
なお、一階部分の床面積は階段部分を除いて40平米以上である必要がある。居住環境への配慮 良好な景観などを形成している地域において、居住環境の維持や向上に配慮していること。
認定基準は、該当地域における地区計画や景観協定などの内容に準じる。維持保全計画 将来を見据え、定期的な点検や補修に関する計画が建築時から策定されていること。
認定基準は、維持保全計画に必要事項を定めること。
構造耐力上主要な部分や、雨水の侵入を防止する部分などについては、点検の適切な時期や項目を定める。
その他、地震などの天災時における臨時点検、維持保全の30年以上にわたる実施などを計画に定める必要がある。
長期優良住宅に認定されるためには、9つの条件、基準を着工前にクリアする必要があります。長期優良住宅を多く請け負っている会社は、申請や審査に慣れているため、スムーズに手続きを行ってくれます。
長期優良住宅の申請方法
長期優良住宅の申請方法は、自分で行う方法と、建築会社に代行を依頼する方法の2種類があります。申請に必要な書類を揃えたり、知識を身に付けたりするのが素人には難しいため、建築会社に代行を依頼するのが一般的です。
申請の流れは、まず「長期優良住宅建築等計画」を作成したうえで登録住宅性能評価機関の審査を受けます。適合証が交付されたら所轄行政庁に申請を行い、この審査にも通過すれば認定通知書が交付されます。
長期優良住宅の認定申請は着工前に行うので、スムーズに申請するためにも実績のある建築会社に依頼することが大切です。ただし、書類の作成から申請までトータルで代行を依頼すると、20万円程度支払う必要があるので、注意しましょう。
長期優良住宅のメリット・デメリットに関するまとめ
家の資産価値を上げる意味でも、長期優良住宅の認定を受けるメリットは大きいです。初期費用だけでなく、将来的なコストまで考えれば、長期優良住宅を建てて長く住み続けるのが賢明です。
しかし、建築期間が長くなったり、家の性能を維持する必要があることも頭に入れておきましょう。
長期優良住宅の申請手続きは煩雑なので、実績のある建築会社や、長期優良住宅が標準仕様のハウスメーカーに依頼することをおすすめします。
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