建て替え費用は土地ありでどれくらい?坪数別の相場や安く抑えるコツを解説
「建て替え費用は土地ありでどれくらい?」
「30坪の建て替え費用が知りたい!」
マイホームの老朽化や親から実家を相続した際に、建て替えを検討する人は多いです。しかし、建て替え費用は土地ありだといくらかかるのか悩んでしまいますよね。
そこで、この記事では建て替え費用の相場(土地あり)や安く抑えるコツを解説していきます。
また、建て替えの流れや支払いのタイミング、坪数別の費用の目安なども解説しているので参考にしてください。
目次
建て替え費用(土地あり)の平均は4,487万円
国土交通省が公表した「令和4年度住宅市場調査」によると建て替え費用(土地あり)の全国平均は4,487万円です。金額には新しい家の建築費の他に、既存住宅の解体費用や諸費用などが含まれています。
金額は坪数や新しい家の性能、依頼するハウスメーカーによって異なりますが、おおよそ4,000万円程の費用かかると言えます。
建て替え費用の主な内訳
- 新しい家の建築費:2,277~3,267万円(30坪)
- 既存の家の解体費:90~240万円
- 地盤調査、地盤改良費:5~210万円
- 仮住まい、引っ越し費用:家賃の半年分+引っ越し代✕2回
建て替え費用で最もかかるのは新しい家の建築費
建て替え費用で最もかかるのは、新しい家の建築費です。主に「本体価格」「付帯工事費」「諸費用」の3つで構成されています。
新しい家の本体価格の平均は約2,300~3,300万円【30坪の場合】
構造 | 坪単価 | 建設費【30坪】 |
---|---|---|
木造 | 75.9万円 | 2,277万円 |
鉄筋 コンクリート造 | 85.8万円 | 2,574万円 |
鉄骨造 | 108.9万円 | 3,267万円 |
2023年度に総務省が公表したデータによると、本体価格の平均は30坪で約2,300~3,300万円です。ただ、金額は注文するハウスメーカーや住宅の性能、坪数などによって異なるので、目安として考えておきましょう。
また、住宅の構造によって金額は異なります。主に「木造」「鉄筋コンクリート造」「鉄筋造」の3種類がありますが、建て替え費用を安く抑えるなら「木造」を選びましょう。
付帯工事費の目安は本体価格の20%が目安
付帯工事費とは、本体工事以外にかかる電気・ガス・水道といったインフラ整備や、駐車場といった外構にかかる工事費を指します。金額の目安は住宅の本体価格の20%程です。
例として、家の本体価格が3,000万円の場合、付帯工事費の目安は600万円程です。
諸費用の目安は本体価格の5~10%が目安
諸費用とは、各種税金や登記費用、保険料などにかかる費用を指します。諸費用の目安は本体価格の5~10%程です。
家の本体価格が3,000万円だった場合、諸費用は150~300万円程度かかると考えておきましょう。
費用の項目 | 目安 |
---|---|
印紙税 | 約20,000円 (1,000万円以上5,000万円以下の場合) |
登録免許税 | 家の固定資産税評価額✕0.4% |
不動産取引税 | 家の固定資産税評価額✕4% |
司法書士報酬 (登記費用) | 25,000~50,000円程度 |
住宅ローン関連費用 | 住宅ローン借入額の2~3%程度 |
火災・地震保険料 | 約30,000円 (1年間の支払い) |
既存の家の解体費は90~240万円が目安
構造 | 坪単価 | 解体費用 【30坪】 |
---|---|---|
木造 | 3~5万円 | 90~150万円 |
鉄骨造 | 3.5~6万円 | 105~180万円 |
鉄筋 コンクリート造 | 4~8万円 | 120~240万円 |
既存の家の解体費は構造によって異なります。木造の解体費は1坪あたり3~5万円程ですが、造りがより頑丈な鉄筋コンクリート造では4~8万円かかります。
また、解体工事をするにあたって、相場よりも費用が高くなるケースがあります。立地条件によっては重機を搬入できないので、多くの人件費がかかる可能性があるためです。
解体費を安く抑えるなら、複数の業者に相見積もりを取るのがおすすめです。
解体費が高くなる一例
- 道幅が狭く重機が搬入できない
- 隣の家との距離が近いので重機を使えない
- 地中に撤去物がある(井戸や浄化槽)
- 家具や樹木が敷地に残っている
- 建物にアスベストが使われている
- 解体業者が繁忙期に入っている
地盤調査費の目安は約5万円
戸建住宅の建て替えの場合、地盤調査でかかる費用は木造住宅で約5万円です。先端がスクリュー状になった棒を地面に回転貫入させる、SWS試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)が一般的です。
鉄筋コンクリート造や鉄骨造の場合は、頑丈な地層までくり抜くボーリング調査を採用する場合が多く、25~30万円程かかります。もし、調査の結果で軟弱な地盤と判明した場合、追加で地盤改良費も必要です。
ちなみに、地盤調査は2007年に住宅瑕疵担保履行法(参考:国土交通省)が施工されてから瑕疵担保保険の申し込みの際に必要になったため、必須となっています。
地盤改良費の目安は30~210万円
工事の種類 | 坪単価 | 費用の目安 (30坪) |
---|---|---|
表層改良工法 | 1~3万円 | 30~90万円 |
柱状改良工法 | 3~5万円 | 90~150万円 |
鋼管杭工法 | 5~7万円 | 150~210万円 |
地盤改良費とは、軟弱な地盤に対して建物の建設後の傾きや沈下を防ぐための工事費を指します。費用は工事の種類によって異なり、30~210万円まで幅があります。
地盤改良費は建設会社が提出した見積もりには含まれていません。前もって見積もりよりも多めの予算を用意しておくのがおすすめです。
また、家を建てる予定の土地がハザードマップで警戒区域に指定されていないか確認しておきましょう。
地盤改良工事が必要なケース例
- 河川や海から近い
- 過去に地盤沈下や液状化が起きている
- 埋立地
仮住まい費用は半年分用意する
家を建て建て替える場合、仮住まいの費用は半年分用意しておきましょう。おおよそですが解体作業と地盤調査で1ヶ月、新築工事が3~4ヶ月、竣工検査と引き渡しで1ヶ月程かかると言われています。
ただ、仮住まいの期間は建てる物件の規模や性能によって異なります。建設会社との打ち合わせで予定されている期間より多めに用意しておくのが良いでしょう。
また、引越し費用は仮住まい分と新築分で2回必要です。加えて、元の家にあった家財道具が仮住まいに収まらない場合は、処分するかトランクルームを借りなければいけません。
仮住まい費用の一例
- 家賃:11万✕6ヶ月分=66万円
- 引っ越し代:10万円✕2回分=20万円
- 合計:86万円
建て替えの流れと支払いのタイミング
STEP1
建て替える計画を立てる
家を建て替える際には、まずしっかりと計画を立てましょう。新しい家の性能や間取りなどを先に決めておかないと、予算の計画を立てられません。
また、建て替えの場合、古い家の解体工事の計画や仮住まいの用意なども必要です。加えて、建て替えで利用できる補助金や減税制度なども調べておきましょう。
STEP2
依頼するハウスメーカーを探す
建て替えの計画が立てられたら、依頼するハウスメーカーを探します。ハウスメーカーは数多くあるので、各会社の特徴やかかる費用の目安をもとに、自分の希望通りの建て替えができるところを選びましょう。
もし、ハウスメーカー選びに悩んでしまったら「スーモカウンター」を利用しましょう。希望にあう最適なプランやハウスメーカーを紹介してくれます。
STEP3
設計プランの打ち合わせ・見積り
依頼するハウスメーカーが決まったら、担当者と設計プランの打ち合わせをして見積もりを出してもらいます。新しい家の性能や間取り、予算などが実現できるようにしっかり話し合いましょう。
STEP4
建築請負契約を結ぶ
打ち合わせを進めて新しい家の仕様や間取りなどが決まれば、ハウスメーカーと建築請負契約を結びます。この時点で契約金の支払いが必要で、金額の目安は建築工事費の10%程です。
建築工事請負契約は本契約とも呼ばれています。建築工事請負契約を結んだ後に書面に記載されている以外の追加や変更があると、追加の費用が発生します。
STEP5
設計プランの決定
建築請負契約が締結したら、最終的な設計プランの決定をします。フローリングや壁紙の種類といった内装の仕様やコンセントや照明のスイッチの位置など、詳細な仕様をまとめます。
STEP6
建築確認申請書の提出
設計プランの詳細が決まったら、役所に建築確認申請書を提出します。地方自治体が建築基準法の適合や住宅の省エネ性能などをチェックするためです。
STEP7
住宅ローンの本審査申し込み
建築確認申請が通れば、住宅ローンの本審査に申し込めます。必要な書類や提出方法は依頼したハウスメーカーがサポートしてくれます。
住宅ローンの本審査申し込みで重要なのは、ローン特約を付けておくことです。特約を付けておけばローンの本審査に通らなかった場合、建て替えの契約を白紙にできます。
STEP8
仮住まいへ引っ越し
主な契約や申込みが済んだら工事が始まるので、仮住まいへ引っ越します。解体工事が始まる直前になって慌てないように、余裕を持って準備をしておきましょう。
ただ、仮住まいは契約期間が短いのでなかなか見つからない場合があります。ハウスメーカーによっては、仮住まい物件の紹介や引っ越しのサポートをしてくれる会社があるので確認しておきましょう。
STEP9
解体工事開始
解体工事は住宅の構造によって期間が異なります。木造は約2週間、鉄骨や鉄筋コンクリート造なら約3週間~1ヶ月程工事がかかります。
解体工事が始まると騒音や振動で近隣に迷惑をかける場合があるので、事前に近所へ挨拶回りをしてトラブルを防止しましょう。
STEP10
地盤調査(地盤改良工事)
解体工事が終わると、地盤調査が始まります。調査の結果で軟弱な地盤と判明した場合、追加で地盤改良工事が必要です。
STEP11
建て替え工事開始
建て替え工事の際には2回の支払いが必要です。住宅の基礎工事時の「着工金」と、建物上棟時(屋根を支える梁の取り付け)の「中間金」を支払います。
支払いの金額はそれぞれ、建設工事費の30%程です。
STEP12
引き渡し・登記手続き
新居が完了したら引き渡しです。引き渡し時には家全体のチェックや不動産登記手続きなども進めます。
また「建設工事費の残金」「登記費用」「住宅ローン関連費用」「火災・地震保険料」などの支払いも発生します。
最後に、新居へ引っ越しをして建て替えが完了です。
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坪数別の建て替え費用の目安【20坪・30坪・40坪】
建て替えの費用は実際にどれだけかかるのか「20坪」「30坪」「40坪」別にシミュレーションしてみます。
建設工事費の坪単価は総務省のデータを参考に木造の75.9万円に設定しています。また、解体工事費の坪単価も木造で3万円に設定しました。
建て替え費用の目安【20坪】
項目 | 費用の目安 |
---|---|
【建築費】 本体価格 (75.9万円/坪) | 1,518万円 |
【建築費】 付帯工事費 (本体価格の20%) | 303.6万円 |
【建築費】 諸費用 (本体価格10%) | 151.8万円 |
解体費 (木造:3万円/坪) | 60万円 |
地盤調査費 | 5万円 |
仮住まい (家賃11万円✕6ヶ月) | 66万円 |
引越し費用 (10万円✕2回) | 20万円 |
合計 | 2,124.4万円 |
20坪の建て替え費用の目安は2,124.4万円と算出されました。ただし、上記のシミュレーションは木造で設定した金額です。鉄筋コンクリート・鉄骨造で建て替えた場合は、金額が上がります。
また、地盤調査の結果で軟弱な地盤と判明した場合、追加で改良工事費もかかります。
建て替え費用の目安【30坪】
項目 | 費用の目安 |
---|---|
【建築費】 本体価格 (75.9万円/坪) | 2,277万円 |
【建築費】 付帯工事費 (本体価格の20%) | 455.4万円 |
【建築費】 諸費用 (本体価格の10%) | 227.7万円 |
解体費 (木造:3万円/坪) | 90万円 |
地盤調査費 | 5万円 |
仮住まい (家賃11万円✕6ヶ月) | 66万円 |
引越し費用 (10万円✕2回) | 20万円 |
合計 | 3,141.1万円 |
30坪の建て替え費用の目安は3,141.1万円と算出されました。ただし、上記のシミュレーションは木造で設定した金額です。鉄筋コンクリート・鉄骨造で建て替えた場合は、金額が上がります。
また、地盤調査の結果で軟弱な地盤と判明した場合、追加で改良工事費もかかります。
建て替え費用の目安【40坪】
項目 | 費用の目安 |
---|---|
【建築費】 本体価格 (75.9万円/坪) | 3,036万円 |
【建築費】 付帯工事費 (本体価格の20%) | 607.2万円 |
【建築費】 諸費用 (本体価格の10%) | 303.6万円 |
解体費 (木造:3万円/坪) | 120万円 |
地盤調査費 | 5万円 |
仮住まい (家賃11万円✕6ヶ月) | 66万円 |
引越し費用 (10万円✕2回) | 20万円 |
合計 | 4,157.8万円 |
40坪の建て替え費用の目安は4,157.8万円と算出されました。ただし、上記のシミュレーションは木造で設定した金額です。鉄筋コンクリート・鉄骨造で建て替えた場合は、金額が上がります。
また、地盤調査の結果で軟弱な地盤と判明した場合、追加で改良工事費もかかります。
実際に建て替えた事例を紹介【20坪・30坪・40坪】
20坪で実際に建て替えた事例
本体価格 | 1,860万円 |
---|---|
工法 | 木造軸組 |
坪数 | 20.5坪 |
延床面積 | 67.87㎡ |
間取り | 2LDK |
参照:スーモカウンター
実際に20坪で建て替えた事例です。本体価格は1,860万円かかっています。20坪という限られた敷地のため、螺旋階段を採用して部屋をより広く感じられる工夫を施しています。
また、ロフトやビルトインガレージも設けており、無駄なく空間を活用できる設計にしました。
30坪で実際に建て替えた事例
本体価格 | 2,190万円 |
---|---|
工法 | 木造軸組 |
坪数 | 29.2坪 |
延床面積 | 96.78㎡ |
間取り | 3LDK |
参照:スーモカウンター
実際に30坪で建て替えた事例です。本体価格は2,190万円かかっています。1階に22.6帖の広々としたLDKを設計して家族が自然に集まれる空間にしました。在宅ワークにも備え、半独立空間のテレワークスペースを設置しています。
2階は吹き抜けになっており、囲むように主寝室と2つの子供部屋を配置しました。吹き抜けをつくることで2階窓からの明るい光を階下に届けられます。
40坪で実際に建て替えた事例
本体価格 | 3,142万円 |
---|---|
工法 | 木造軸組 |
坪数 | 41.5坪 |
延床面積 | 137.46㎡ |
間取り | 4LDK |
参照:スーモカウンター
実際に40坪で建て替えた事例です。本体価格は3,142万円かかっています。実家の老朽化により耐震性能に不安を感じたので、建て替えを決意したそうです。多くの展示会に足を運び、耐震性能を重視して依頼するハウスメーカーを選びました。
間取りにもこだわっており、リビングには小上がりの和室を設置してゲストルームや読書スペースとして活用しています。
建て替え費用を安く抑えるコツ
国や自治体の補助金制度を活用する
建て替え費用を安く抑えるなら、国や自治体の補助金制度を活用しましょう。補助金は新築の住宅のほかに、解体工事費に対しても利用できるので費用を抑えられます。
ただ、建て替えに対する補助金は自治体で独自に実施されているので、住んでいる地域によっては利用できない場合があります。建て替えの計画を立てる際に、地元の市区町村の窓口へ問い合わせてみましょう。
また、自治体によって同じ解体工事に対する補助金でも「解体費用助成金」「老朽木造家屋解体補助金」のように名称が異なるので、内容をしっかり確認しましょう。
新築の住宅に対する補助金
制度 | 内容 |
---|---|
子育てエコホーム 支援事業 | 高い省エネ性能を建てる際に最大100万円の補助金を受けられる。新築の場合は子育て世帯(子を有する世帯)・若者夫婦世帯(どちらかが39歳以下)が対象。 長期優良住宅:1住戸につき100万円、ZEH水準住宅:1住戸につき80万円 |
地域型 住宅グリーン化 事業 | 一定要件を満たした木造住宅を新築する際、政府指定の施工事業者に依頼した場合に70万円〜140万円を補助する制度。 |
給湯省エネ 2024事業 | 一定の性能を持つ高効率給湯器の設置に最大20万円の補助金が受けられる。 |
ZEH支援事業 | ZEH基準を満たした新築戸建住居を建築する際に、最大100万円/戸+αの補助金が受けられる。 ZEH:1住戸につき55万円/戸+α、ZEH+:1住戸につき100万円/戸+α |
LCCM住宅 整備推進事業 | LCCM住宅の要件を満たした新築戸建住居を建築する際に、最大140万円の補助金が受けられる。 |
既存の住宅の解体・撤去に対する補助金
制度 | 内容 |
---|---|
木造住宅 耐震改修等 助成制度 | 耐震診断による評価が水準以下の木造住宅の、耐震改修工事や除却に要した費用の一部を助成する制度。 |
建築物不燃化 推進事業 補助制度 | 火災による被害が特に大きいと想定される地域で、老朽建物の解体費用を補助する制度。 |
老朽危険家屋 解体撤去補助金 | 老朽化して倒壊の危険性が高くなった家屋の解体に利用できる補助金制度。 |
ブロック塀等 撤去費補助金 | 地震によるブロック塀等の倒壊事故を防ぐため、倒壊によって通行の妨げや人に危害を及ぼす恐れがある塀の解体費用を補助する制度。 |
不燃化特区制度 (東京都限定) | 令和7年度までの取り組み。JR山手線外周部を中心に木造住宅密集地域に対して改善を図る「不燃化特区」を指定。 不燃化特区で老朽建築物の除却や建替え時に、撤去費や建設工事費の助成、土地の固定資産税の減免などを実施する制度。 |
シンプルな形状の家にする
建て替え費用を安く抑えるなら、シンプルな形状の家に設計しましょう。家の形状や間取りが複雑になるほど工数がかかるので、建築工事費も上がってしまうためです。
また、部屋数が増えるほど窓やドアの設置が必要なので、その分の材料費も増えてしまいます。
シンプルな形状の家は費用を抑えられますが、外壁が痛みやすいのが欠点です。外壁は間取りや内装などで抑えた費用をもとに、コストがかかっても耐久性の高い素材を選ぶのがおすすめです。
ローコスト住宅を建てる
建て替え費用を抑えるなら、ローコスト住宅を建てるのが効果的です。ローコスト住宅は、坪単価で30~50万円程度、本体価格では1,000~2,000万円台程度で建てられる住宅を指します。
費用が安くても住宅の基本性能は問題ありません。保証やアフターフォローなども利用できます。また、住宅の本体価格を安く抑えられれば、住宅ローンの本審査が通りやすくなるのもメリットと言えます。
ただし、ローコスト住宅は選べる仕様や設備が限定的なので、こだわりを持って建て替えをしたい人には不向きです。
仮住まい費用をできるだけ抑える
仮住まい費用をできるだけ節約できれば、建て替え費用も抑えられます。仮住まい期間を半年とした場合、10万円よりも7万円の物件を借りれば18万円も抑えられます。
また、初期費用がかからない物件や仲介手数料が安い不動産会社を探してみるのもおすすめです。あくまで仮住まいなので、築年数や利便性などは妥協して家賃を抑えましょう。
もし、可能であれば工事期間中は実家に戻り、家財道具はトランクルームに預ければ仮住まい費用を大幅に抑えられます。
余った土地を売って資金に充てる
建て替え費用を抑えるなら、余った土地の一部を売って資金に充てましょう。家族の人数が減り、現状よりも小さい住宅を建てたいシニア世帯におすすめです。
また、土地を売らずに居住スペースを狭くして、賃貸併用の住宅を建てて家賃収入を得るといった方法も考えられます。
引っ越しは閑散期にする
建て替え費用を抑えるなら、引っ越しは閑散期にするようにしましょう。引っ越し業者の閑散期は5~8月と11~2月の2回です。閑散期は予約が取りやすく料金の割引に応じてくれる可能性があるので、お得に引っ越しができます。
繁忙期の引っ越し料金は、閑散期より1.2~1.7倍程かかります。閑散期の料金が10万円だった場合、繁忙期では12~17万円もかかってしまいます。
建て替えでは2回の引っ越しが必要なので、両方とも閑散期を利用できれば4~14万円も費用が抑えられます。
複数のハウスメーカーから相見積もりを取る
建て替え費用を安く抑えるなら、複数のハウスメーカーから相見積もりを取りましょう。複数の依頼を出すことで、最安値や予算内で対応してくれるハウスメーカーを見つけられます。
ただし、見積もりを比較する際には、費用の総額だけ見るのではなく住宅の要望がどれだけ反映されているのかも確認しましょう。要望が全く反映されていなければ、建て替えの満足度が低くなってしまいます。
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建て替えかリフォーム(リノベーション)か迷っている場合は?
住宅の老朽化や家族構成の変化で、建て替えやリフォームを考える人は多いです。しかし、実際に工事するとなるとどちらを選択したらよいのか悩んでしまいますよね。
そこで、下記より建て替えとリフォームでどちらが良いのかそれぞれのケースを解説していきます。自宅の状況に合わせて参考にしてください。
建て替えよりもリフォームのほうが良いケース
建築費用を抑えたい
建築費用を抑えたいと考えているならリフォームがおすすめです。住宅リフォーム推進協議会のデータによると、戸建てリフォームの平均費用が「471.6万円」なので、建て替え費用平均4,487万円の1/10程度で済みます。
また、戸建てリフォームで1,000万円以上かかった人は11%程度です。老朽化による耐震工事や家全体のリフォームをするといった大掛かりな工事だと、1,000万円を超えるケースが多いです。
もし、今の自宅の耐震性や老朽化が深刻でなければ、建て替えよりもリフォームを利用しましょう。
住宅の一部だけを改装したい
お風呂やキッチンなどの水回りや外壁の劣化といった、住宅の一部だけの改装を考えているならリフォームがおすすめです。システムキッチンの交換のみなら、40~80万円程度に抑えられます。
ただ、お風呂やキッチンなどのリフォームでも内装工事の追加や間取りの変更をすると費用が上がります。仕切りがあったキッチンとリビングから、LDKへのリフォームをすると200~400万円程必要です。
仮住まいの費用を抑えたい
仮住まいの費用を抑えたいと考えているならリフォームがおすすめです。住宅の一部だけを改装するので、工事期間中でも自宅に住めます。仮住まいの用意は不要です。
住宅全体の大規模なリフォームでも仮住まいが必要ないようにスケジュールを組んでくれます。1階の工事中は2階のみで生活してもらい、改装が済んだら移って工事を再開する流れが一般的です。
引っ越しが体力・精神的に大変と感じる高齢者の人も、仮住まいが不要なリフォームをおすすめします。
シロアリ被害が出ている
今の住宅でシロアリの被害が出ているなら、リフォームがおすすめです。シロアリの問題であれば専門業者による駆除と被害箇所の補強だけで済むので、建て替えるほどの工事は不要です。
費用は床下・柱の補修やシロアリ駆除、予防対策などで50万円程かかります。
既存の住宅に愛着があり解体したくない
既存の住宅に愛着があり解体したくないと考えているならリフォームがおすすめです。リフォームであれば、劣化が気になる部分のみの工事で済むので解体工事は不要です。
「家の老朽化に問題はない」「定期的に住宅のメンテンスをしてきた」という人なら、建て替えの必要はないでしょう。
リフォームよりも建て替えのほうが良いケース
耐震性に不安がある
住宅の耐震性に不安を感じている人は建て替えがおすすめです。建て替えであれば基礎部分から工事が可能なので、既存の家よりも耐震性が高い住宅を建てられます。
リフォームでも耐震工事が可能ですが、施工できる箇所に限りがあるので建て替えよりも性能は劣ってしまいます。
部屋を増築したい
部屋を増築したいと考えているなら、建て替えがおすすめです。家の増築をする際には、家全体を現行の建築基準法に適合させる義務があるためです。
築年数が長い住宅であるほど構造が現行の基準に合わないので、増築を断られる可能性が高いです。
どうしても建て替えを回避したいのなら、現状の家と距離をあけて「離れ」を建てる選択肢があります。ただ、敷地に十分な広さがある人に限られます。
ランニングコストを抑えたい
住宅のランニングコストを抑えたいと考えているなら、建て替えがおすすめです。断熱・気密性の高い家に建て替えれば、今後の光熱費を抑えられます。
断熱・気密性を高めると標準仕様の住宅より費用が高くなりますが、国や自治体から支給される補助金を利用できるのでカバーできます。
リフォームでも断熱・気密性を高める工事はできますが、住宅の一部の施工なので性能は建て替えよりも劣ってしまいます。
建て替えをする際の注意点【土地ありの場合】
再建築不可物件ではないか確認する
建て替えを考える際には、自宅が「再建築不可物件」ではないのか必ず確認しましょう。再建築不可物件とは建物の建て替えや増改築ができない物件です。接道義務を満たしていない物件が当てはまります。
再建築不可物件は建て替えができませんがリフォームは可能です。「壁、柱、床、梁、屋根、階段」といった主要構造部の半分を超えなければ施工ができます。
ただ、再建築不可物件は重機やトラックが入れない住宅街のケースが多いです。リフォームを検討する際には工期の長期化や費用が上がる可能性があることを想定しておきましょう。
接道義務を満たしていない例
- 建築基準法で定める道路に接道している部分が2m未満
- 土地が接道しているのが建築基準法上の道路ではない
- 接している道路の幅が4m未満
建ぺい率や容積率を確認する
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合
- 容積率:敷地面積に対する延床面積の割合
建て替えを考える際には、所有している敷地の「建ぺい率」や「容積率」を確認しましょう。敷地に対して建て替えできる自宅の面積や住居内の広さは、建ぺい率と容積率で決まるためです。
建ぺい率や容積率は土地の場所や広さ、前面道路の広さ、行政ごとの制限などによって異なります。素人で判断するのは困難です。
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建て替えに関するよくある質問
建て替えのタイミングはいつがいいの?
建て替えのタイミングは新築から30年が目安です。外壁や屋根、床などで使用する資材の交換目安が30年目なので、住宅の劣化が目立ち始める時期にあたるためです。
また、1981年以前に建てた家は建て替えをするべきです。建築物の「耐震基準の改正」がおこなわれたので、古い基準のままでは大きな地震で倒壊する恐れがあります。
建て替えとリフォームはどっちがいいの?
建て替えは増築や耐震性能の強化といった、家全体の工事を考えている人におすすめです。
建築費用を抑えたい人や、水回りや外壁といった住宅の一部を改装したい人はリフォームがおすすめです。
建て替えをしたらローンや火災保険はどうする?
建て替えをした際に、現行の住宅ローンが残っていても新しくローンを組めます。
新しく組んだ住宅ローンは、現行ローンの残債と建て替えのための借り入れ分が1つにまとまります。
火災保険は契約内容を変更するか、一度解約をして再度加入が必要です。
まとめ
建て替え費用は土地ありの場合、平均で4,487万円です。また、建て替えの際には家の本体価格以外に、今の住宅の解体費や地盤調査や仮住まいの費用など様々なお金がかかります。
検討する際には、自分や家族が建て替える住宅に対してどのような間取りや設備を希望しているのかまとめて、どれくらいの費用がかかるのか見積もりを出しましょう。
建て替えが初めてで何もわからないという人は、スーモカウンターの利用がおすすめです。希望の住宅性能や予算にあった最適なハウスメーカーを紹介してくれます。
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