「リートはおすすめしないと言われる理由は?」
「REITのメリットやリスク対策はある?」
リート(REIT)は、不動産投資の中でも株式取引に似た商品です。不動産に少額から投資できるので、初心者の投資家でも始めやすいです。
しかし、リートに投資している人からは「おすすめしない」「やめとけ」といった声も多いです。リートが投資である以上、当然リスクがあるからです。
そこで当記事では、なぜリートがおすすめしない・やめとけと言われるのか解説します。リートが向いていない人におすすめの不動産投資会社もまとめているので、ぜひ参考にしてください。
人気の不動産投資サービス3選 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
COZUCHI |
| |||||
ヤマワケ エステート |
| |||||
JPリターンズ |
|
この記事の結論
- リートをおすすめしないという声もあるが、メリットもある
- 株式のような価格変動による損失リスクがある
- 流動性が高いぶん、値上がり益や分配金にも期待できる
- リートが不安なら、不動産クラウドファンディングのCOZUCHIがおすすめ
目次
そもそもリート(REIT)とは?
リート(REIT)とは、不動産領域に特化した投資信託です。市場に上場している投資法人によって、オフィスビルやマンション、商業施設などの不動産の運営や購入がおこなわれます。
リートは不動産投資でありながら、他の投資信託と同様に少額から投資できます。集められた資金は、賃貸収入や売却益が投資家に分配されます。
また、投資家自身は不動産を所有しないので、流動性も高いです。不動産投資ではありますが、ワンルーム投資のように長期にわたって現金化できないリスクがありません。
リートは、元々アメリカで誕生した仕組みで「Real Estate Investment Trust」の頭文字を取っています。日本の場合は「Japan」のJをつけて「J-REIT」と呼びます。
当記事の「リート」は、特に記載がない限り「J-REIT」を指します。 |
リートは3種類に分類される
特徴 | |
---|---|
単一用途特化型 | 用途が1種類だけに限定したリート |
複合型 | 用途が2種類の不動産に投資するリート |
総合型 | 用途が3種類以上の不動産に投資するリート |
リート(REIT)は、投資法人が運用・保有する不動産の目的数によって3種類に分類されます。
リートを初めて買う場合は、単一用途特化型の個別銘柄がおすすめです。マンションなどの住居やオフィスビルといった不動産の用途が1つに絞られているので、市場の動向が予測しやすいです。
複合型や総合型のリートは複数の用途に投資するので、収益の変動リスクを分散しやすいです。単一用途特化型より値動きが少ない傾向がありますが、市場全体が停滞しない限りは大幅に値下がりしにくいのも強みです。
リート(REIT)はおすすめしない・やめとけと言われる7つの理由
不動産投資にリートはおすすめしない・やめとけと言われる理由は次のとおりです。
- 元本割れする危険性がある
- 分配金が減る恐れがある
- 投資会社が倒産・上場廃止する危険性がある
- 地震や火災などの災害リスクがある
- レバレッジ効果が少ない
- 節税効果が少ない
- 再投資による複利運用ができない
上記を踏まえると、リートに投資するべきか判断できます。リートが気になっている方は、ぜひチェックしておきましょう。
元本割れする危険性がある
リートは値動きのある金融商品の1種なので、売却する際に、購入時よりも価値が下がってしまう元本割れのリスクがあります。銀行預金ではないため、損失が出ても保証はされません。
とはいえ、リートに限らず他の投資(株式投資や不動産投資など)も元本割れのリスクを含んでいます。リートだから、ではなく、全ての投資には元本割れのリスクがあると考えておきましょう。
最も効果のあるリスクヘッジは、分散投資です。リート、株式、債券など複数の金融商品に資金を分散させておけば、急な値崩れによって大きく損してしまうリスクを抑えられます。
分配金が減る恐れがある
リートを運用している投資法人の業績が悪いと、分配金が予想の金額よりも下回る可能性があります。
投資法人が運用している不動産の目的によっても、業績は左右されます。過去にも自然災害やコロナ禍の影響で、ホテル運用に特化したリートの確定分配金が減った事例もあります。
リートの分配金が影響を受けやすい要素
- 市場の金利動向
- 不動産の地価・賃料の下落
- 投資法人による公募増資
リートの分配金は、市場の金利動向でも影響を受けます。投資会社が保有する不動産の情報が詳しく開示されていないと、地価や賃料が下落した際に、すぐ取引できずに損益が出る恐れがあります。
公募増資は、投資法人が新しい不動産に投資するための資金調達としておこなわれます。業績が伸びずに投資家だけが増えると、分配金が減る可能性があります。
公募増資する際は、投資法人から事前に告知があります。運用するリートの情報は、こまめにチェックする必要があります。
投資会社が倒産・上場廃止する危険性がある
リートの上場廃止基準の例
- 運用資産に占める不動産の比率が70%未満で、かつ1年以内に70%以上にならない
- 金融商品取引業の登録が失効、または取り消された
- 営業期間中に金銭の分配を行わなかった、かつ1年以内に分配を行わない
- 上場口数が4,000口未満
- 投資法人の営業期間が6カ月未満
引用:日本取引所グループ
リートの投資会社が倒産したり上場廃止に陥ると、投資先の価値が下がって損失が出る恐れがあります。証券取引所のリートは、上場制度のもとで取引されています。
財務・運用状況が悪い投資会社は、監理銘柄に指定されます。審査後に上場廃止が決まると、整理銘柄として1ヶ月間指定されてから廃止します。銘柄によっては、上場廃止が決まる頃には売買できない可能性があります。
過去に上場廃止になった事例を見ると、発行済の投資口数が少なかったり、利益の分配が滞っていたケースが多いです。投資会社の過去の運用実績や、基本情報を踏まえてリートに投資すれば、損失リスクを抑えられます。
地震や火災などの災害リスクがある
リートで運用している不動産に、地震や火災などによる被害が出ると、収益にも影響します。投資対象が現物の不動産である以上、自然災害は避けられません。
投資先によっては、加入している保険で補償してもらえます。ただし、被害状況が大きかったり長引くと、収益や分配金が減る恐れがあります。
レバレッジ効果が少ない
リートで不動産投資する場合、レバレッジ効果が少ない傾向があります。現物での不動産投資で利用できる融資や借入が受けられないからです。
レバレッジ効果とは、自己資金よりも多額の資金を運用することで、まるで「てこの原理」のように大きな利益を狙うことです。リスクは増えますが、そのぶんリターンも大きくなります。
リートに投資できる資金が少ないと、自己資金だけで資産形成するのは難しいです。投資家自身が融資を受けてマンション投資などをしたほうが、レバレッジはかけやすいです。
節税効果が少ない
リートに投資することで得られる節税効果は少ないです。現物の不動産なら、投資するにあたって必要経費を計上したり青色申告の特別控除を受けられますが、リートは所得税が約20%課せられます。
NISAのつみたて投資でリートを運用すれば非課税の対象になりますが、出資額には限度があります。非課税で投資できる運用額は、つみたて投資枠と成長投資枠を合わせても年間360万円までです。
再投資による複利運用ができない
リートで収益を得ても、複利運用するのは難しいです。投資会社から定期的に受け取る分配金は、自動で再投資できないからです。
リートは、他の投資信託と同様に単利の金融商品です。複利運用するなら、分配金や値上がり益を元手に別なリートを買う必要があります。
リート(REIT)で投資することによるメリットもある
- 高めの利回りで分配が期待できる
- 価格変動で値上がり益が出るチャンスがある
- 運用中に現金化しやすい
- 複数の不動産に少額から分散投資できる
- 運用の手間がかかりにくい
- 銘柄によって株主優待が受けられる
高めの利回りで分配が期待できる
平均利回り | |
---|---|
REIT(J-REIT) | 4.84% |
東証プライム市場の株式 | 2.33%(有配会社平均利回り) |
銀行の定期預金 | 0.125~0.35% |
※2024年9月時点
出典:日本取引所グループ
出典:みずほ銀行
他の金融商品や銀行預金と比べて、リートの利回りは高くて分配金が期待できます。投資会社の決算期の3ヵ月以内に、投資した口数に応じて分配金が受け取れます。
2024年9月時点で、リートの利回りを株式配当と銀行の定期預金と比較してみました。株式投資の平均利回りが2.33%に対して、J-REITの平均分配金利回りは4.84%と2倍以上も高いです。
価格変動で値上がり益が出るチャンスがある
リートを運用していると、分配金を受け取らなくても値上がり益が出るチャンスがあります。リートの価格は、他の投資商品と同じように日々変動するからです。
景気や金利が好条件に変動すれば、不動産の市場価格が上昇する可能性があります。分配金と違い投資家自身で売買する必要がありますが、キャピタルゲインが得られます。
運用中に現金化しやすい
リートは運用中でも現金に換金しやすいです。証券取引所で売買することで、現物の不動産よりスピーディに取引できます。
現物の不動産投資の場合、買い手が見つからないと取引できないので、売却まで数ヶ月かかるケースもあります。リートなら投資会社に売るだけなので、資金をまとめて調達したい際に都合が良いです。
複数の不動産に少額から分散投資できる
リートなら、複数の不動産に少額から分散投資できます。わずか数万円でリートを購入しておくだけで、ファンドが保有している不動産を運用してくれるからです。
投資家個人では買えない商業施設やオフィスビル、物流施設なども投資対象にできます。出資金が少なくても、投資対象の不動産を1つに絞る必要がありません。
運用の手間がかかりにくい
リートを運用するうえでかかる手間は、現物の不動産投資より少ないです。投資対象になる不動産の運用や管理は、投資会社に任せられるからです。
現物の不動産投資をおこなう場合、入居者の契約や管理、メンテナンスが必要で、管理会社に委託しても手数料が発生します。一方リートなら、運用中は市場価格や運用状況をこまめにチェックするだけで済みます。
銘柄によって優待が受けられる
リートの銘柄によっては、投資家向けの優待が受けられることがあります。株主優待のような制度があれば、独自の特典と分配金の両方がもらえます。
宿泊ホテルを中心に展開しているいちごホテルリート投資法人の場合、運営するホテルの宿泊代金割引やJリーグ観戦チケット当選といった特典があります。
優待制度の有無は、投資会社のホームページなどに掲載されていることが多いです。気になる銘柄がある人は、条件も一緒に確認してみてください。 |
リート(REIT)がおすすめでない人の特徴
不動産投資で大きなリターンを得たい人にはおすすめできない
リートが向いていない人の特徴
- 市場価格の安定性を重視する
- レバレッジをかけて投資したい
- 節税効果を重視したい
不動産投資で大きな利益を出したい人には、リートは向いていません。出資金が元本割れしても保証してもらえませんし、市場価格が日々変動しているからです。
リートの購入資金は、融資や借入を受けないケースが多いので、レバレッジをかけて投資したい人にも向いていません。節税効果も低いので、利益目的で不動産投資したい人は、現物の不動産を検討したほうが良いです。
好きなタイミングで売買したい人にはおすすめできる
リートが向いている人の特徴
- 投資する期間は自由に決めたい
- 分散投資でリスク回避したい
- 最低投資金額から不動産投資してみたい
証券取引所に上場しているリートは、投資家の好きなタイミングで売買できます。流動性の高さから、現金に換金したい人に向いています。
現物の不動産投資は高額になりがちですが、リートなら数万円から投資できます。複数の不動産屋や用途に分散投資できるので、リスクを回避して運用したい人にもおすすめです。
人気の不動産投資サービス3選 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
COZUCHI |
| |||||
ヤマワケ エステート |
| |||||
JPリターンズ |
|
リート(REIT)を始める際にできるリスク対策
- 東証REIT指数をチェックする
- 気になる銘柄のIR資料に目を通す
メリット・デメリットを踏まえてリートを始めるなら、事前のリスク対策が重要です。特に、不動産投資の初心者の方ほど注意するべきです。
例えば、日本取引所グループが公表している東証REIT指数をチェックすれば、リートファンドやETFを購入する際の判断材料にできます。
また、投資会社がまとめているIR資料に目を通してみるのもアリです。決算期ごとに提出している有価証券報告書や投資家向けの目論見書を見れば、各社の運用実績が確認できます。
不動産投資にはリート(REIT)以外の選択肢もある
リート(REIT) | 不動産 クラウドファンディング | |
---|---|---|
概要 | 不動産に特化した投資信託 | 投資家から募集した資金で不動産に投資・運用することで、分配金を投資額に応じて払う |
最低投資金額 | 数万円~ | 1口1万円~ |
平均利回り | 4.84% | 3~8% |
元本割れ への保証 | なし | 一部あり |
不動産投資を少額から始めるなら、リート以外に「不動産投資クラウドファンディング」が挙げられます。ウェブ上で複数の投資家から資金を集めて、運営会社が主導で不動産投資をおこないます。
リートとの違いは、元本割れへの保証や対策がされているファンドが多い点です。運営会社が一定の損失を負担する「優先劣後構造」を採用していれば、運用利益が想定より少なくなっても安心できます。
なお、ファンドごとに運用期間が決められており、中途解約や換金は原則できません。流動性の面ではリートに劣りますが、日々の価格変動がないため、初心者でも始めやすい投資手法といえます。
リート(REIT)が向いていない人におすすめの不動産投資会社2選
COZUCHI(コヅチ)
COZUCHIとは、不動産投資とクラウドファンディングサービスを掛け合わせた次世代型の投資形態です。運用までの手軽さから、リートが向いていない人にもおすすめできます。
COZUCHIは、1口1万円(税込)から少額投資できるため、不動産投資初心者の方もリスクを抑えつつ始められます。2021年のサービス開始以降、累計投資額は約789億円にのぼります。(※)
ファンドに投資後はプロに運用を任せて、配当を待つだけです。さらに、実績利回りが想定を上回ったら、追加の配当金も期待できるので、利回り重視で投資したい方にもおすすめです。
これまで運用したファンドは、元本割れの実績がありません。資産を減らさずに、高めの利回りで運用したい人はぜひ利用してみてください!
※2024年9月末時点
ヤマワケエステート
ヤマワケエステートは、不動産投資クラウドファンディングを提供していて、複数の投資家から資金を集めて投資をおこなっています。
ファンドの想定利回りが年利8%以上と高いことから、分散投資を希望する人にも適しています。案件によっては最低1万円からの少額投資が可能で、初心者の方でも始めやすさがあります。
不動産だけでなく商業施設や飲食店への投資も扱っているので、リターンを重視する投資家や多様な案件に投資したい人におすすめです。
リート(REIT)に関するよくある質問
リート(REIT)に投資はリスクが高い?
現物の不動産投資より少額投資できるので、一概に高いとは言えません。ただし、日々の価格変動による損失リスクはあります。リスクヘッジしたい人は、分散投資を心がけましょう。
現物の不動産投資に比べてリート(REIT)は儲かりやすい?
投資する不動産によるので、断言はできません。ただし、現物の不動産投資は借入や融資でレバレッジが効かせられます。元手が少なくても、利回りが高ければ利益を回収しやすいです。
リートで不動産投資する方法は?
証券会社に口座開設していれば、Jリートの銘柄に投資できます。
個別銘柄・リートETF・REITファンドなどから投資口数を指定して購入します。出資金とは別に、証券会社ごとの手数料も発生します。
人気の不動産投資サービス3選 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
COZUCHI |
| |||||
ヤマワケ エステート |
| |||||
JPリターンズ |
|