毎月残業60時間以上働いている状態は、果たして正常なのか?日々の業務に忙殺され、気づいたら残業が60時間以上…というケースが多いのではないか。自分だけでなく、周囲の働き方も同じだと、残業60時間以上は当たり前という感覚に陥っていないだろうか。
この記事では、残業60時間以上働くことについて、法律と実際の生活の両面から述べていく。
今の労働時間に少しでも疑問を感じるのならば、転職を検討してみることを勧める。まずは、企業や転職エージェントからのスカウトを受けたり、優良企業の求人を確認したりできるビズリーチに登録してほしい。
まだ転職するか決めていない人も、登録して自分の市場価値や、適正な労働環境を知ることが何よりも重要だ。
【PR】アルテマ キャリア |
|
ビズリーチ |
|
マイナビ エージェント |
|
- キャリハイ@編集部
- 「史上最高のキャリア」を目指す方に役立つ情報提供を目指しています。外資系、メーカー、金融、メガベンチャー、スタートアップなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーが参画しています。
目次
残業に関する法制度
まず、残業に関する法制度について簡単に説明する。
2018年年6月に働き方改革関連法が成立し、労働基準法を含む8つの法律が改正され、2019年4月1日から一部が施行された。残業規制もそのひとつだ。
詳しくは、厚生労働省が出している、「時間外労働の上限規制 わかりやすい解説」を参考にしてほしい。
以下、ポイントのみ簡単に説明していく。
時間外労働が発生する場合に必要となる「36協定」とは
「36(サブロク)協定」とは、労働基準法第36条の定めにより締結される協定の通称だ。法定時間外労働や法定休日労働の実施について、労使間で協定を結ぶものだ。
労働基準法では、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならないことになっており(特例措置対象の事業所を除く)、この労働時間の上限を「法定労働時間」という。また、休日は原則として、毎週少なくとも1回与えることとされており、これを「法定休日」という。
法定労働時間を超えて労働者に時間外労働をさせる場合や、法定休日に労働させる場合には、先に述べた36協定の締結と、所轄労働基準監督署長への届出が必要だ。36協定では、時間外労働を行う業務の種類や時間外労働の上限などを決めなければならない。
これまでの時間外労働時間の上限
これまでは、36協定では、1ヶ月の時間外労働時間の上限を45時間、1年の時間外労働時間の上限を360時間とする旨が告示によって定められていた。しかし、この上限は法律では定められておらず、違反に対して罰則の定めはなかった。
さらに、この基準には一般に「特別条項」と呼ばれている例外が認められており、実際には、多くの事業場で特別条項付36協定を締結する運用が一般化し、限度基準を超えて残業させることが恒常化しているような状態だったことは否めない。
つまり、これまでは罰則による強制力がなく、特別条項を設けることで上限無く時間外労働を行わせることが可能となっていた。
法改正により、時間外労働時間の上限規制が厳しくなった
結論から言うと、労働時間・休日に関する原則は、今回の法改正によっても変わらないが、時間外労働時間の上限が法律によって定められたため、違反に対する罰則の定めができ、かつ、特別条項を結んだとしても時間外労働時間の上限が定められるようになった。
特別条項を設けた際の時間外労働時間の条件は、
- 時間外労働 ・・・年720時間以内
- 時間外労働+休日労働 ・・・月100時間未満、2~6ヶ月平均80時間以内
とする必要があり、さらに 原則である月45時間を超えることができるのは、年6ヶ月までとなった。
違反した場合は、これまでにはなかった罰則として「6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金」を科される可能性があり、強制力ができたといえる。
なお、大企業は2019年4月に施行済みだが、中小企業への適用は1年猶予され2020年4月からだ。
また、労働基準法にて、使用者は、法定労働時間を超える時間外労働をさせる場合には、2割5分以上の割増率で計算した賃金を支払う必要がある(37条1項本文)と定められている。
2010年4月1日より、月60時間を超える時間外労働をした場合は、割増率が5割以上になる(37条1項但書)と定められたが、中小企業に関しては、適用が猶予されていた。だが今回の法改正で、中小企業の猶予が廃止になり、2023年4月から中小企業にも適用されることとなった。
以上のように、時間外労働時間について法的に規制される力が強くなったが、あなたの働いている職場では、この上限規定は遵守されているだろうか?
今の労働時間に少しでも疑問を感じるのならば、転職を検討してみることを勧める。まずは、ビズリーチに登録してほしい。まだ転職するか決めていない人も、登録して自分の市場価値や、適正な労働環境を知ることが何よりも重要だ。
月に60時間の残業のある生活とは
月に60時間を超える残業とは、残業が毎日3時間となり、19時が終業時間の会社の場合、毎日22時まで仕事をする生活だ。あなたは、疑問も感じずにそんな働き方をしていないだろうか?
毎日22時まで働くと、通勤時間も考慮すると、帰宅すれば夕飯もそこそこに寝るしかなく、自分の時間をゆっくり過ごすことは不可能な生活だ。
月に60時間の残業は心身へのダメージが大きい
実は、月の残業時間が60時間を超えると、身体や心に健康被害が出る可能性が高くなると言われている。何気なく考えているリスクより高いリスクがあると思ってよいだろう。
「仕事のミスが増えた」「集中できない」「眠れない」「食欲の異常」「気分がさえない」「以前楽しめていた趣味が楽しめない」「人に会うのが億劫」など、典型的な心身のSOSだ。
周囲の人も残業してるから、仕事が終わらないからと、その状態を放っておくと、うつ病を発症したり、ストレス性の身体の不調が悪化したりと、取り返しのつかないことなってしまう可能性もある。
自分の残業時間と心身の状態を自ら意識的にチェックし、周囲の人からも客観的に自分の様子を観察してもらうことが必要だ。
残業時間が長いと幸福度が増すというデータもあるが…
人材サービスのパーソル総合研究所と中原淳東京大准教授(人材開発)が2018年に共同で行った残業実態調査で、残業時間が60時間を超えると健康リスクは高まるが幸福度は上昇するという結果が報告されている。
60時間以上残業している人のうち、強いストレスを感じている人の割合は残業しない人の1.6倍、重篤な病気・疾患がある人は1.9倍と、高い健康リスクにさらされているにもかかわらず、過度の長時間労働は主観的な幸福感を上昇させ、結果として健康被害を軽視してしまう可能性がある。
ただしこの幸福感の上昇は残業による感覚麻痺と言われており、どんなにやる気があっても、負荷を自覚していなくても、心身への健康被害へのリスクはかなり高く、幸福感があるからといって、その状態を放置することは危険だろう。
月に60時間以上の残業が恒常化している場合にすべきこと
現状を変えられなければ転職を検討する
月に60時間以上の残業を受け入れ、頑張り続けることは最も危険だ。周囲を巻き込み、残業が当たり前という考え方をなくし働き方を変えるよう、上司や人事に相談するのも良いだろう。社内に相談しても、話が進まないときは現状を労働基準監督署に相談することも可能だ。
それでも、現状が変わらないようであれば、迷わず転職を検討することを勧める。その際は、残業時間の実態を確認するのももちろんだが、残業時間のみで転職先を選ぶのではなく、現在の自分のスキルや実績を元に自らの今後のキャリアプランに即した転職先を選ぶことを忘れてはならない。
辞める前にするべきこと
心身の状態が芳しくないときは、冷静な判断ができず判断を誤りがちなため、重大な決断は避けた方がよい。そのためにも、可能であれば一度有給休暇を取得して心身を休めることを勧めるが、現実的には有給休暇の取得が難しい場合が多いだろう。
決断を下す前に、相談できる相手を見つけるべきだ。心を許せる友人や先輩に相談し、現状について客観的な意見を聞くのもよいだろう。また、転職エージェントへの相談もぜひ勧めたい。転職エージェントは、求人の紹介だけでなく、様々なケースの労働状況に精通しているため、現在の状況について客観的な意見を率直に述べてくれるだろう。
転職することを決めたなら、在職中に転職エージェントを活用して転職活動を始め、転職先が決まってから現職を辞めるとよい。
編集後記
残業は長ければ長いほど健康リスクが高まり、月60時間を超えているような人は要注意だ。
現職で周囲を巻き込み残業を減らす働き方が可能ならばよいが、それが難しいようであれば自分の心身の健康を守るために転職を検討するべきだ。
まずはビズリーチに登録してほしい。優良企業の求人を確認したり、企業や転職エージェントからのスカウトを受けたりできるからだ。
その中で自分と相性の良いエージェントをいくつか選び活用することを勧める。エージェントは、残業の多さなど自分ではなかなか知りえない各企業の実情に詳しく、煩わしい面接のスケジュール管理等も行ってくれる。
転職活動は、戦略的に進めた者勝ちである。明るい未来が来ることを信じている。
今日は以上だ。