当サイトでは戦略コンサル、アクセンチュア等、特に外資系のコンサルついて記事上で話をすることが多かった。
日系のコンサルティングファームは20代の間は流動性も外資に比べ高くないため発信できていなかったが今回は日系コンサルティングファームに勤務する方がファーム名含め匿名を条件に取材へご協力いただいた。
記事を読む前に既にコンサルティング業界への転職を考えているなら、コンサルティング業界全般に精通しているアクシスコンサルティングに登録しておくと円滑に転職活動を進められるのでおすすめだ。
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- キャリハイ@編集部
- 「史上最高のキャリア」を目指す方に役立つ情報提供を目指しています。外資系、メーカー、金融、メガベンチャー、スタートアップなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーが参画しています。
目次
日系/外資という区別は意味がない
-日系コンサルティングについてはあまり詳しくないのですが、「日系は緩いのでは」と思っている声も耳にします。単刀直入にそこらへんはいかがでしょうか?
日系のコンサルティングファームだと緩いと思って、コンサルの経験がない人が転職してきます。外資に比べ日系だと大丈夫だという甘い考えの人ほど、中途ですぐ辞めてしまいます。
コンサルティングファームの厳しさ、勤務形態を理解せずに転職してくる人は自主退職ではあるものの、実質クビに近い形で辞めてしまいますね。
-労働時間も外資に比べ短い印象を持っていますがいかがでしょうか。
常日頃から死ぬほど働くわけではありませんが、プロジェクトによっては連日朝まで働くといったこともあるので誤解してやってくるとフィットしません。
また、日系、外資系というくくりはあまり意味をなしておらず、戦略コンサルをするとしたら外資でも、日系でもやることは同じなので外資、日系というより、領域のくくりで見たほうが良いのではないでしょうか。
労働時間に関して付け加えると最近は働き方改革でクライアントの労働時間が短くなった影響でコンサルタントの仕事量も減っています。
例えば常駐プロジェクトだと、常駐ができなくなって仕事自体ができなくなるので必要なものだけするような工夫がなされています。
日系だと、多くのファームがそうだと思いますがマッキンゼーやボストンコンサルティンググループ、ベインアンドカンパニーで出世している人が創業したり、転職したりしているわけで、アウトプットの要求水準も高いものが求められます。
-外資系と日系だと、日系のほうが日本に本国がある分オーナーシップがあるように感じます。
外資系だからといって日本にオーナーシップがないという話は聞いたことはないですね。詳しくはわかりませんが提案への熱量や思い入れに関しては日系、外資系に差がないのではないでしょうか。外資ファームでも仕事をしているのは日本人ですから。
ポジションをとれない人は生き残れない
-未経験でコンサルティングファームに転職する人を見て、どういう人がクビになる、またはパフォーマンスが出せていないでしょうか?
自分のポジションをとれない人は弱いです。自分なりの意見をもってないとどっちつかずになってしまいます。(きちんと主張をするという意味で)声が大きい人でないと生き残れていないです。
-最近の外資系トップファームだと30代で転職してくると活躍できる例がほぼないと聞きましたが、貴社では事情はどうでしょう?
弊社は30代の転職者の95%はコンサルティングファームでの勤務経験がある人です。30代、未経験のコンサル転職は他ファームと同様に生き残るのが難しいでしょう。
中途のマネージャーが優秀な新卒から反発をくらう世界
-私の友人で6,7年社会人歴のある未経験中途コンサルタントが新卒1年目に論破されることが続きへこんだという話を聞きました。実際どうでしょうか。
中途への風当たりは厳しいです。中途で転職してきたマネージャーが微妙だと、優秀な新卒コンサルタントから反発をくらい、部下が言うことを聞かなくなります。マネージャーが完全にコントロールできなくなりチームが崩壊します。
同時に新卒のネットワーク網で微妙だとレッテルが張られたマネージャーの悪い噂がたち、そのマネージャーのプロジェクトには誰も入らなくなります。
活躍できない中途を、バカにした態度で見る新卒もよくないですし、中途で役職が上なのにパフォーマンスが出せない上司の双方に問題があります。
-中途で活躍できなかった人はどうなっていくのでしょうか?
転職偏差値的により”下位”のファームにさらにながれていきます。
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顧客の期待調整が重要
-上司を選ぶにあたって避けたほうがいい人はいますか?
顧客の期待値調整や、社内のリソース管理を含めプロジェクトのマネジメントができない人は避けたほうがいいです。
また、長時間働くことを美徳とする価値観の古い上司もいるので、そうした上司にあたると炎上プロジェクトになります。
しばらく、炎上鎮火の役割で途中から投入されることもありしんどかったです(笑)。
-具体的な年収を教えていただけますか?
大体初年俸は550万円程度でした。ポジションがあがるごとにあがっていったので、確か3年目が800万円くらいで、1000万円を超えたのは4年目だったかと思います。出世によって大きく差がつくので2000万に早く到達する人もいれば昇進、昇給をしない人がでてきます。
残業時間は80時間程度
-労働時間はどれくらいでしたか?
残業時間は平均すると80時間程度でしょうか。戦略系のプロジェクトのときは労働時間が長くなります。
ITプロジェクトが当社は多いので、全社的には残業時間は40時間から60時間の間でした。
-転職するときに未経験者が気を付けたほうがいいことはありますか?
実力以上の高いポジションでの転職は避けたほうがいいです。コンサルティングファーム経験者でも、マネージャーに昇進できなかったから、他ファームでマネージャーになって転職という事例があります。そうした場合はマネジメント経験がないのに役職アップの転職になります。
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マネージャー以上で未経験転職はない
-マネージャー以上の転職で活躍している人はどのような人でしょうか?
先に述べた、自分のコンサルタントとしてのパフォーマンスの出し方が分かっている人は活躍できます。
また、どのファームにいようが、その人自体にお客さんがくっついている場合は仕事をどのファームでも受注できるので結果としてパフォーマンスが高くなります。
マネージャー以上で未経験者が転職してくることが昔はありましたが今はほとんどありません。
-日系というより貴社内でコンサルティングファームとして良くない点は何がありますか?
パフォーマンスが悪くてもパートナーと仲がいいからOKとなる人がいます。慣れ合いが起きている面はあります。外資系でもあるのか知りませんが。
マッキンゼーという看板で仕事をしていることに転職して気づく
-外資系、特にマッキンゼーやBCGからくる人は活躍しそうな印象をもっていますがいかがでしょうか?
マッキンゼー、BCGに限った話でないですが、有名ファームだと顧客からも「■■社の人が言うんだから多分そうなんでしょう」ということで納得することがあるようです。
一方、私のファームは歴史が長くないので、特に新しいお客さんからの風当たりはきついです。
少しでも期待を超えられないとお客さんから「だから○○(弊社)のような会社はダメなんだよね」と言われます。
このため、有名ファームで仕事をしていた人が、当社にきて同じレベルのクオリティで仕事をしていたとしてもお客さんから×をつけられることがあります。
有名ファームから転職してきた人は、はじめてブランドで仕事をしていたんだなと気づかされます。
-コンサルタントとして優秀な人はどんな人でしたか?
天才だと思った人がいました。その人はクライアントが喜ぶものをアウトプットできる人ですね。
通常のコンサルタントは複雑なものを作りたがります。とある海外進出支援のプロジェクトをしたときに、先進国ではなかったため政情リスクも含め精査する必要がありました。
競合調査、市場調査を綿密に行い結論に導く話をして納得させられるのが普通ですが、出てきたプレゼンの1枚目は、A国で事業を成功するにはこの人たちを抑えれば大丈夫ですという顔写真が出てくるスライドでした。
なぜこの人たちを抑えれば成功するかという話をしてクライアントも満足していました。発想がやわらかくないとあのようなプレゼンはできないので感心しました。当社にくる前の戦略ファームでも高いパフォーマンスを出して活躍している人でした。
外資や日系でコンサルの手法は変わらない
-外資系のやり方と日系のやり方ではコンサルティングの手法が違うのでしょうか?
そういった点はあまり意識しません。どのファームのやり方であれ、やり方が通用してお客さんが満足する高いコンテンツをアウトプットできれば問題ありません。
-日系の多くはITやシステム関連の案件が多く感じます。SIerの業務にちかい、システム案件は多いでしょうか。
多いです。弊社は6割程度がITでしょうか。ただ他の外資系総合ファームも皆さんが想像しているよりはIT案件が多く、案件割合としては日系だからというものではなさそうです。
-では戦略をやる機会は少ないのでしょうか?
いえ、戦略をする機会は手を挙げればプロジェクトを担当できます。私は現在戦略案件ばかりをしています。
最初戦略がしたいと言っていたのにITプロジェクトばかりやっているコンサルタントは、それに慣れて戦略にやろうとする気持ちが薄れ、もうITでいいやというマインドの人が多いような気がします。
また、IT向き、戦略プロジェクト向きといった向き、不向きがあります。
頭がきれるタイプで、心が冷たい人は戦略プロジェクトに多いような気がします。
一方、システム関連のプロジェクトに強い人はコミュニケーション能力があり、現場とコミュニケーションをとって人をうまく動かせる人が多い気がします。
システム案件こそ顧客とのコミュニケーションが重要
-システムこそコミュニケーション能力がいらない気がしますが。
戦略案件だとクライアントのマネジメントに対して提案し、感情ではなく提案の良し悪しで判断されますが、システム関連は経営者だけではなく現場と一緒に働く必要があります。
当社以外の外部ベンダーやシステム導入先の現場の社員を動かさないといけません。現場の社員からするとすでにいまのシステムがあるわけで新しいシステムを導入するメリットを感じてもらいにくいです。
その状況を説得しベンダー含めうまくマネジメントするには現場とのコミュニケーション能力が戦略関連のプロジェクト以上に求められます。より泥臭いことが多いです。
-IT関連はコンサル未経験者からは人気がないのですが、どういった点がやりがいですか?
ITプロジェクトは実際に導入までしてシステムを稼働して、実際の業務にインパクトをもたらすことができるので、現場でお客さんが喜んでいる姿を見ることができます。
戦略関連はどうしても提案に終始し、実行までをフォローしているわけではないですので、最後にお客さんが喜んだかどうかを見ることはできません。実行まで行うプロジェクトもあるので実行まで支援できて成功したときはうれしいですよ。
自社のパッケージ導入のコンサルティングファームは避けたほうがよい
-コンサルティングファーム転職にあたってファーム選びのポイントはありますか?
何年働いたら昇進といったルールが多いと裁量を持つのが遅くなってしまうため避けたほうがよいでしょう。上がつまっていると、昇進がしづらいファームもあるので。
また、IT系プロジェクトの話になりますが、提案の結論が自社のもつ製品の導入になるような場合は人によって面白みが少し減るかもしれません。
例えばIBMでコンサルをするのであれば、その魅力は自社製品を使った提案ができるということですので、柔軟な提案をしたいと考える方には不向きです。
そもそもこのパッケージ入れる必要があるの?というところからはじめたい人も多いのではないかと。
-コンサルに転職希望の方へメッセージがありますか?
コンサル転職して通用しなかったら後が大変です。特に若手だと転職を繰り返す人も多く、転職先はベンチャーしかなくなることもあります。
ある程度通用する力があるか、自分のやりたいことと合うかを転職エージェントと相談するとよいですね。
営業で活躍している人がコンサルで活躍するとは限らないので自分にあう仕事を探した方がいいでしょう。私も転職エージェントに定期的にキャリア相談をしています。
編集後記
日系コンサルティングファームに関して調査したく、取材を依頼したが日系と一括りにするのは間違いであったことに改めて気付かされた。多くの日系ファームも外資出身者が多くおり、厳しい環境になっているため安易に転職するのはよくないだろう。
最近は日系コンサルティングファームも高い年俸を払い、外資以上の待遇を出すところもある。転職エージェントが限定で求人をもっていることもあり、日系の限定案件をビズリーチで見ることができるのでぜひとも登録してほしい。
また、転職エージェントでは、アクシスコンサルティングをおすすめしている。日系外資ともコンサルティング業界の求人数と実績がかなり強い。
転職サイトであるビズリーチと併用で使ってほしい。
今日は以上だ。