今回はGREE(グリー)という会社や、GREE(グリー)に転職することについて考えてみたい。GREE(グリー)は終わったとか、未来がないという意見も散見されるがどうだろうか。
筆者個人としては、この意見に必ずしも同意できない。GREE(グリー)は時代の流れに合わせながら、ピボットを繰り返し、複数の事業を成功させてきた会社だ。
おそらく、直感的にはほとんどの方に、この意見に同意いただけないと思う。だからこそ、この記事を書いたので、ぜひ一読いただきたい。勿論、今すぐに答えは分からない。また、2、3年後にこの記事を振り返って、答え合わせをしたいと思う。
なお、GREE(グリー)への転職に限らず、事業会社に転職したい方がまず登録すべきなのはビズリーチだ。大手企業、メガベンチャー、スタートアップなど、各業界の優良求人が多く掲載されている。
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目次
GREE(グリー)の特徴
2004年設立のグリー株式会社は、モバイル向けにサービスを提供しているインターネット企業である。従業員数は1,701人(グループ全体・2018年12月末現在)だ。
「インターネットを通じて、世界をより良くする。」をビジョンとしており、ソーシャルゲーム事業や広告・アドネットワーク事業等を展開している。2018年からは、バーチャルYouTuber(VTuber)事業に参入した。
GREEへの転職に興味があるなら、ビズリーチに登録しよう。業界に強いエージェントが在籍しているため、情報収集に役立つだろう。
GREE(グリー)の歴史
30代の方はご存知だろうが、GREE(グリー)はもともとSNSとして始まった会社だ。まだFacebookがSNSの覇権を獲得する前、国内ではGREEとmixiがSNSの覇権を争っていた。
mixiは比較的マス路線であったが、GREEは意識の高い若者をターゲットにしており、特に大学生の間ではGREEの方がオシャレで使いやすいという評判もあった。
実は、GREEは創業者で現在も社長の田中良和氏が趣味で創ったSNSである。当時、田中良和氏は楽天の社員でエンジニアであった。
しかし、サービスを創る時間や、サーバー代を捻出できなかったため、やむをえず独立し、法人化したのである。しかし、この覇権争いはmixiの勝利に終わる(残念ながら、mixiもUIや機能の改変がユーザーに受け入れられず、覇権をfacebookに譲ることになる)。
その後、起死回生の一手となったのが、ガラケーのゲームプラットフォーム事業である。GREE(グリー)のプラットフォームをゲーム会社に解放し、その売上の一部がGREE(グリー)に入る仕組みだ。
また、GREE(グリー)自体もゲームを作成、配信し、多くのヒット作を飛ばした。例えば、「ドリランド」や「釣り★スタ」といったゲームにはまった方も多いだろう。しかし、スマホの出現によってゲーム事業の勢いは衰え、大規模なM&Aも含めたグローバル展開も想定通りにはいかなかった。
現在は、ゲーム事業を主力としながらも、複数事業を立ち上げ、次の事業の柱を探っている状況である。
GREE(グリー)の事業内容、業績
かつてはケータイゲーム業界を牽引したGREE(グリー)だが、2012年以降は業績の低迷が続いた。2012年6月期には1582億だった売上高も、17年6月期は653億円まで激減。ただし、18年6月期には779億円と微増し、復調気配がある。
また、GREE(グリー)は2013年に200人規模の希望退職を募ったこともあり、業績悪化を受けて退職者が増加した時期もあった。売上高の減少と従業員数の減少、これがここ数年のGREE(グリー)の現実だったが、復調気配がある中で、今後どうなるかが注目だ。
各事業について、以下の通り説明する。
ゲーム事業
GREE(グリー)は世界初のモバイルソーシャルゲーム「釣り★スタ」を2007年に公開して以降、さまざまなゲームを開発、運営している。
グリー、WFS、ポケラボの3つのスタジオで開発したゲームを、GREE Platform、App Store、Google Play™などを通じて国内およびグローバルに配信している。
また、モバイルゲームだけでなく、任天堂「Switch」への参入や、FacebookやLINE向けメッセンジャーゲームの開発・運営も行なっている。
ゲーム事業は以下の事業だ。
- モバイルゲーム事業
- コンソールゲーム事業(任天堂「Switch」)
- メッセンジャーゲーム事業(LINE、Facebook)
- コミュニティ事業(ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)GREE)
- ゲーム運営事業
- VR事業
ライブエンターテインメント事業
バーチャルYouTuber(VTuber)に特化したライブエンターテインメント事業だ。全人類が物理的な制約から解放され「なりたい自分で、生きていく。」というビジョンのもと、3DアバターをまといVTuberとして生きていける世界を作っている。
VTuberを発掘・育成・マネジメントしたり、動画番組を企画・制作・配信したり、配信プラットフォームやスタジオ・システムを開発・提供したり、資金面でクリエイターやスタートアップを支援するなど、VTuber市場のさらなる拡大を狙っている。
ライブエンターテインメント事業は以下の事業だ。
・プロダクション事業
オーディションでの公募や人気IPのVTuber化など、VTuberデビューを支援。
・ライブ配信事業
多くのVTuberに活躍の場を提供し、ファンとの交流ならびに収益化を支援するため、世界初のVTuber専用ライブ配信プラットフォーム「REALITY」を提供。
・「VTuberファンド」プロジェクト
バーチャルYouTuberに関連するクリエイターやスタートアップ企業を支援するための総額約40億円の投資プロジェクト。
メディア事業
「インターネットを通じて、世界をより良くする。」というミッションのもと、人々のコミュニケーションを豊かにする以下のメディアを運営している。
・MINE
ファッションをもっと楽しみたい大人の女性向けに、ファッション情報やコーディネートなどを配信するファッション動画マガジン。
・LIMIA
リフォーム、リノベーション、DIY、インテリア、雑貨、フード・レシピなど、住まい・暮らしに関する情報が集まるメディ。
・ARINE
ヘア、メイク、コスメ、ファッション、恋愛などの最新情報を発信する、「なりたい自分がきっと見つかる」美容メディア。
・aumo
おすすめのおでかけ情報やグルメ情報を配信する、「あなたの毎日がきっと楽しくなる」がテーマのおでかけメディア。
・moguna
作りたくなるレシピを毎日動画で配信する、「おいしい!をつくる」がテーマのレシピ動画メディア。
広告事業
インターネットを通じた広告やマーケティング事業において、テクノロジーを基軸とし、総合的なソリューションをクライアントに提供している。
- アドテクノロジー事業
- アドバタイジングクラウド事業
- マーケティングクラウド事業
投資事業
日本国内だけでなく、北米や東南アジア地域のインターネットビジネスに関わるテクノロジー・サービス企業を中心に投資を行っている。
・グリーベンチャーズ
日本および成長著しい東南アジアの各国において、マーケティングエンジニアリング、クラウドサービス、eコマース関連サービス等、インターネットビジネスに関わるテクノロジー・サービス企業を中心に投資を行っている。
・GFR Fund
北米のVirtual RealityやAugmented Reality、Mixed Realityに関わるソフトウェアやコンテンツ開発に取り組むスタートアップ企業に投資を行っている。
・グリー株式会社
日本および北米のインターネットビジネスに関わるテクノロジー・サービス企業を中心に投資を行っている。
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GREE(グリー)の組織体制
GREE(グリー)には、主なグループ企業13社、関連企業5社がある。GREE(グリー)への転職を考える際に、一通り目を通しておくとよいだろう。
以下に列挙する。
グループ企業
- アウモ株式会社
- グリービジネスオペレーションズ株式会社
- グリーベンチャーズ株式会社
- グリーライフスタイル株式会社
- ファンプレックス株式会社
- 株式会社ポケラボ
- リミア株式会社
- 株式会社ExPlay
- Glossom株式会社
- 株式会社tunefan
- 株式会社WFS
- 株式会社Wright Flyer Live Entertainment
- 株式会社3ミニッツ
主な関連企業
- 株式会社アニマティック
- 株式会社オルトダッシュ
- ジープラ株式会社
- Epic Voyage株式会社
- GREVO Co., Ltd.
いかがだっただろうか。各事業が今後どうなるかはわからないが、一歩先の主力となる動画事業や、二歩先の主力となるVTuber事業にしっかりと張っており、インターネット企業として良い事業ポートフォリオなのではないかと思う。
なお、事業内容は常に移り変わっていく。転職エージェントには最新の情報が蓄積されているから、相談してほしい。特に、ビズリーチは必ず登録し、活用すべきだ。
GREE(グリー)出身の有名人
GREE(グリー)は多くの起業家・経営者を輩出している。GREE(グリー)の成長期に責任ある仕事を任されてきたメンバーだ。以下に列挙する。
GREE(グリー)は他のメガベンチャーと比較しても、多くの成功する起業家を輩出しており、このことからも社員が成長できる環境であることが想像できる。
- 馬場 功淳(代株式会社コロプラ 代表取締役社長)【上場済】
- 青柳 直樹(株式会社メルカリ 取締役 兼 株式会社メルペイ 代表取締役)【上場済】
- 竹谷 祐哉(株式会社Gunosy 代表取締役 最高経営責任者)【上場済】
- 木村 新司(DasCapital代表、個人投資家、株式会社Gunosy 取締役 最高経営責任者)【上場済】
- 三木 寛文(個人投資家)
- 河野 剛進(株式会社バカン 代表取締役)
- 荻野 調(財産ネット株式会社資産の窓口 代表者)
- 井澤 健介(株式会社Seven Rich Career代表取締役)
- 倉岡 寛(クービック株式会社 代表取締役社長)
- 大久保 泰介(株式会社 シロップ 代表取締役社長)
- 藤田 英輝(SEGNEL Ventures Pte. Ltd Founder/CEO)
- 山岸 広太郎(株式会社慶應イノベーション・イニシアティブ 代表取締役社長CEO)
- 吉田 大成(株式会社エブリー 代表取締役)
GREE(グリー)の強み
現在のGREE(グリー)の状況では、強みがなかなか見つからないという人もいる。しかし、GREE(グリー)は、SNSからゲームへの大胆なピボットを成功させた会社だ。
今は、そのタイミングと同じく、次の主力事業を立ち上げるべく、新規事業を立ち上げているタイミング。だから、新規事業に関わる機会が多いし、そこはポジティブに捉えてほしい。
主力のゲーム事業の見通しが明るくない今、新たな収益源としての「新規事業」に関与できるチャンスが大きい。新規事業を企画、立ち上げ、運営まで一通りの経験ができることは、起業を考えている20代には価値があると言える。
さらに、給与水準は悪くなく、社内の風通しもよく、若手が活躍しやすい環境だ。
GREE(グリー)の募集職種
GREE(グリー)が募集している職種は、ゲームデザイン、エンジニアリング、クリエイティブ、ビジネス、コーポレートと多岐にわたる。ここでは、ビジネス職、コーポレート職の一部職種の職務内容について述べる。
各職種の職務内容
コーポレート職
・経営企画スタッフ
GREE(グリー)の持続的な成長を目指すために、自律的に経営・事業・組織・制度設計等を推進できる、ベンチャー気質を持った企画職だ。主に下記4つの業務領域を幅広く担う。
・経営戦略
GREE(グリー)経営陣と共に、あらゆる経営課題に取り組む。経営陣と非常に近い立場にあるため、経営目線の戦略思考に加えて、日々の経営状況の変化に合わせて機敏に対処することが必要だ。単なる提言に留まらず、時に実行まで責任を持って遂行することが求められる。
・グループ経営の高度化(権限移譲、適切なガバナンス、投資配分)
健全性を担保しながら、より加速度的に事業を推進させていくことを目的に、グループ経営におけるコーポレートガバナンスや投資配分検討などの事業及び子会社運営に関わる制度設計から戦略立案までを中心となって担う。
・事業・子会社マネジメント
GREE(グリー)では、ゲーム事業のみならず、インターネットの境界線が広がる領域において様々な新規事業に取り組んでいる。各事業は、スタジオ、子会社、事業部といった異なる組織形態で運営されており、それらを適切に管理し、一緒に汗をかきながら事業推進を支援する役割を担う。
・会議体事務局運営
株主総会、取締役会、経営会議などの重要会議体の運営を担う。官僚的な事務局運営ではなく、経営での意思決定の品質を高めることを目的に、アジェンダ設計から会議ファシリテーションまでの全業務において、経営に参画する当事者意識を持った攻めの姿勢が求められる。
・財務戦略スタッフ
企業価値向上に向けたコーポレートファイナンス領域における業務全般を担当する。M&Aや投資および資本政策等の財務関連業務、資本市場とのコミュニケーションを担うIR業務の2つが大きな柱だ。
具体的な業務内容は以下の通りだ。
- M&A、企業投資に関わる一連の実行支援業務
- 財務方針の策定、株主還元等の資本政策の検討
- IRストーリー策定、投資家向け決算説明会資料の作成
- 証券アナリスト/国内外の機関投資家との面談
また将来的には経営管理業務全般にまで、志向に合わせながらキャリアパスを広げていくことが可能なポジションだ。
・人事企画スタッフ
事業・組織・社員のニーズにあった各種人事制度の企画、導入、運用を通して、会社の事業成長を根幹から設計し支える業務を担う職種だ。
具体的な業務内容は以下の通りだ。
- 人事戦略の策定
- 等級制度、評価制度、報酬制度の設計・改善
- その他各種人事制度の設計・改善
- 人事評価の運用
ビジネス職
・Native Gameのアライアンス営業、事業開発
Wright Flyer Studiosの事業開発(ビジネスディベロップメント)を担当する。
具体的な業務内容は以下の通りだ。
- 自社オリジナルタイトル『消滅都市』のマルチメディア展開の推進(アニメ化、リアルイベント・ファンコミュニティ運営など)
- Apple、Googleなどプラットフォームとのリレーション
・Native Gameの海外事業開発(中国)
Native Gameプロダクトの中国を中心とした海外展開を推進していく部署にて、事業開発を担当する。
具体的な業務内容は以下の通りだ。
- 中国市場での新規事業立ち上げ、企画立案
- 中国市場での営業、アライアンス管理
- 日中通訳
- ゲームタイトルのライセンスビジネス
- その他外部対応
・Native Game のマーケティングプランナー
Wright Flyer Studiosのタイトルのマーケティング、プロモーション戦略の企画・立案・実行の責任者のポジションだ。マーケティング経験は必須ではない。
具体的な業務内容は以下の通りだ。
- マーケティング、プロモーション戦略の企画・立案・実行
- リリース時の立ち上げや中長期的なIP化の推進
- 広告宣伝費の予算策定、管理等
全方面的に人材を募集していることがわかる。これは、これから新しいチャレンジを積極的に進めていきたいと考えている証左でもある。
なお、募集内容は常に移り変わっていく。転職エージェントには最新の情報が蓄積されているから、相談してほしい。特に、ビズリーチは業界に精通したヘッドハンターが多数在籍しているので登録しておこう。
GREE(グリー)に転職するために知るべきこと
業績はかなり下落している
先に述べた通り、GREE(グリー)の業績は、ここ5年間で売上高・利益率ともに大きく下がり、18年6月期にやや微増したものの、凋落の一途をたどっている。
スマホゲームへ対応が遅れたことが凋落の一因でもある。また、主力のゲーム事業の復活も難しい。今後のカギとなるのはVTuber事業だが、不透明感はぬぐえない。
ゲームやVtuberなど希望領域が明確なら逆張りで目指すのはあり
このような状況だが、ゲームでもシノアリスなど中心に規模が大きいタイトルを保有し、またVtuber事業にも力を入れているのも事実だ。
落ち目で優秀な人材が流出しているからこそ、早くからこうした領域で責任ある仕事をできる可能性はある。特に未経験だがこうした業界に関わりたい人にとっては貴重な経験を得られる場所だ。
GREE(グリー)の給与事情
2018年06月期の平均年収は810万円。かなりの高給だと言って良いだろう。
GREE(グリー)は給料は高いのは事実だが、ゲーム事業に頼った事業構造を変え、次の柱を作り上げようとする第二創業期にある会社だ。大企業並みのアセットや安定感がありながらも、ベンチャーならではの醍醐味が味わえる、安定志向を求める人には不向きだ。
一方で、チャレンジ精神が旺盛な人には、チャンスの多い環境だといえる。以上のことを踏まえ、現在のGREE(グリー)になぜ転職するのか、考えてほしい。
編集後記
かつて栄華を誇ったGREE(グリー)だが、数字上では凋落傾向にある。ただし、新しい芽がでつつあるのも事実だ。
転職活動においては、最新の動向について情報収集をすることが重要である。そのためには最新の情報を持つ転職サービスを利用するべきだ。
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