「戦略コンサルとITコンサルは別職業」元戦略コンサルが語る転職【Vol.1】

戦略コンサルとITコンサルは別職業!

※マイナビ、リクルートなど各社のプロモーションを含みます。
※この記事は有料職業紹介(許可番号:13-ユ-314522)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社コレックが制作しています。

コンサルティング業界ではITから戦略への転職事例を耳にすることは少ない。

今回はマッキンゼーをはじめとし、外資系・日系、戦略・ITと異なるコンサルティング会社間で転職した経験のある30代の元コンサルタントに取材を実施した。転職の方法も含め大変参考になる内容となっている。

シリーズ物としてご寄稿いただいている。Vol.1ではこれまでの経歴およびITコンサルから戦略コンサルへキャリアチェンジした背景が書いてある。

記事を読む前に既にコンサルティング業界への転職を考えているなら、コンサルティング業界全般に精通しているアクシスコンサルティングに登録しておくと円滑に転職活動を進められる。

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キャリハイプロフィール
キャリハイ@編集部
「史上最高のキャリア」を目指す方に役立つ情報提供を目指しています。外資系、メーカー、金融、メガベンチャー、スタートアップなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーが参画しています。

3社のコンサルティング会社を経て現在は官庁勤務

経歴を教えてください。

大学院を卒業後、アクセンチュアへ入社しました。最初の1年目は、ERP(Enterprise Resource Planning)と呼ばれる基幹システムを企業に導入することが主な仕事でした。

半年間、韓国の工場に滞在してERP導入に伴う業務改革支援をやったこともあります。ハングルもちょっとできるようになり、今でもパソコンでハングル文字を打つことができます。

翌年は内部統制のプロジェクトに配属され、地方の工場に出向き、業務フローを作成してリスクと対応策を洗い出したりしてました。

アクセンチュアでの2年間の勤務の後、アビームコンサルティング戦略事業部(当時)へ転職し、戦略コンサルタントとしてのキャリアを開始しました。

専門商社の営業戦略をクライアント企業の取締役陣と一緒に策定したり、物流企業のグループ再編やM&Aの仕事に携わりました。

2年後、マッキンゼー・アンド・カンパニーへ転職しました。銀行・ファンド・メーカー・製薬・食品・自動車・通信・・・と様々な業界のクライアントと仕事をさせていただくとともに、チリ、中国、米国、シンガポールと様々な国を訪れる機会を得ました。

その後、国会議員政策担当秘書として政治の世界に飛び込み、衆院選に出馬してみたり、ジャーナリストとして論壇に立ってみたりしつつ、今は官庁で働いています。

なぜ新卒でコンサルタントになったのでしょうか

正直に申し上げると、アクセンチュア行きたくてしょうがなかったわけではありません。たくさんの企業を受けてみて受かったのがアクセンチュアだったというのが正しい答えかもしれません。

当時、就職活動において僕は日本テレビ、リクルート(分社化前のため一括採用)、当時はベンチャーだった楽天をはじめ日系の大手メーカーや少人数のベンチャーまで40社以上の選考に応募しました。

僕は大学院まで理系でしたが、国家公務員Ⅰ種試験を法律職で受験することを決め、対策も同時にすすめました。努力のかいもあり、最終合格しました。

就職活動で受けていた中で日本テレビは心から「行きたい!」って熱中してました。合宿選考があって、実際にカメラと動画編集ソフトの使い方を教えてもらって短い番組を制作するんですけど、それがめちゃくちゃ面白かったんです。

合宿選考も通過して、たった5分の最終面接で落とされた後は、一ヶ月間マジで廃人になりました。

学生の頃からインターンやボランティアで政治には関わってましたが、別に自分がそこの世界に飛び込むとは想像もしていませんでした。

そんなわけなので、社会人初日の朝も、意気揚々とネクタイを締めて会社に向かったわけではなかったです。

しかし、「ファーストキャリア」としてコンサルタントをチョイスしたことは、後付けですが、よかったと思っております。

幾多のクライアントと仕事をする機会に恵まれました。その中で自身の視野をより広げることができたし、スキルの点においても人間性の点においても成長することができました。

また、海外で働く機会もあり、課題解決に取り組むチャンスを積むことができたという点において他では体験することのできない時間を過ごすことができました。

その意味で、今では、こうした機会を与えてくれた会社にとても感謝しています。新卒の時って,会社という組織もフルタイムで働くということも全くわからないまま、就活をせざるを得ないじゃないですか。

だから、ものすごく強い意志を持って会社を選ぶのもいいですが、少ない情報や偏見で自分の可能性を決めつけてしまわないで、幅広に選択肢を考えてもいい気がします。

アインシュタインは「常識とは18歳までに身につけた偏見のコレクションを言う」という名言を残しましたが、ぜひ偏見にとらわれることなく、本当に自分が活き活きと活躍できる生き方を見つけてください。

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とりあえず内定が欲しくて”非戦略”でアクセンチュアの選考へ

新卒でアクセンチュアに入社されたとのことですが、当時の入社区分はどうなっていたのでしょうか

当時のアクセンチュアの入社区分は、「戦略」と「非戦略」にわかれていました。僕は「非戦略」の区分で入社しました。

実は、そこはすごくイヤだなと感じていた部分でした。「戦略」とは、クライアントの経営戦略立案を助ける仕事。「非戦略」は主にITシステムの導入や業務改革などを手伝う仕事を意味しています。

「戦略」と「非戦略」は途中まで選考過程が一緒なのですが、最終面接の直前で意向を聞かれるんですね。「戦略」を選ぶと、その後、数日間のインターンシップのような選考を受けますが、「非戦略」を選ぶと最終面接に進みます。

当時は就職難だったこともあり、とりあえず内定欲しいなぁと思っていた僕は、びびって「非戦略」を選びました(笑)

世間的には、「戦略」が「非戦略」より格上・・・みたいな言い方をされることも時々あって、それがとてもストレスだったこともあります。

ただ、自分もつまらないことをウダウダ気にしていたところがあったな、と反省すべき点もあります。会社内の部署なんて外部の人からすればどうでもいいし、目の前のクライアントにも気にされたことなんかありません。

他人から見てどう思われるか、なんていう「見栄」はなるべく捨てた方が気が楽ですね。なかなか難しいですが。

実際、アクセンチュアという会社の利益を大きく上げていたのはむしろITの仕事だし、21世紀という時代を俯瞰した時、ITには人々の生活や価値観も含めて世界を変える力があると思うので、早いうちにITリテラシーを付けておいてよかったなと思います。

下積みを避け、最初から「企画」や「戦略策定」に携わりたいと願う人も少なくないと感じます。しかし、そこで働く人の気持ちや具体的な業務遂行の場面を想像することができない人が上に立つと、よい戦略も組織も作れません。

人生は長いですし、これからの社会は多様な価値観が入り交じり、複雑かつ変化も激しい時代に直面することを考えれば、若いうちに泥臭い仕事を経験したり、業務やITを経験しておくことも地に足をつけたリーダーになるためには大切なことではないでしょうか。

すると、まず事業会社を経験してからコンサルティング業界に行った方がよいという考え方もあるのでしょうか? 

僕個人の意見としては、「ファーストキャリア」としてはコンサルティング業界はよいとは思いますが、ある程度の年齢を経て事業会社から移籍するのはタフな人生なのではないか、と思ってます。あくまで個人的な見解ですよ。

まず、「事業会社」というのが何を指すか不明確ですが、たとえばコテコテの日系の大手企業を考えてみると、一般的に人材育成を長期で考えている会社が多いので、入社してしばらくは「下積み」期間になります。

かつ、総合職で入社すると、個人の希望とは関係なく、大きな組織の一つの部署に配属されることになります。

たとえば、自動車メーカーに就職しても、経理担当になれば一度も自動車の部品なんか見ることなく、ひたすら領収書と会計システムと睨めっこなんてこともあるかもしれません。そういった職場環境に慣れてしまうと、考え方や価値観も順応していきます。

そこで、「あっちの方が給料が良さそうだ」とか「隣の芝生は青い」的な安易な考えでコンサルティング業界へ転職してしまうと、苦労することになります。

事業会社から転職された方で、あまり気風に馴染めずに辞めてしまう方がたまにおられましたが、能力の問題よりも適応できなかったのが主な要因かなと感じます。

人生設計的にも、若い時にバリバリ働いて自分を鍛えつつお金を貯め、結婚や子育てを考える時期になったら、資産を運用したり、ある程度安定した環境で働いた方がより幸せな気がします。

もちろん人によって考え方は異なることは当然ですし、人生は長いのでいろんなキャリアパスがあっていいと思います。あくまで僕の個人的感覚にすぎません。

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新卒の女性に「今までやってたことは忘れてください」と言われる

特定の分野に精通してコンサルティング業界に行くと知識が生かせそうですがそのようなことはないのでしょうか? 

はい。もちろん、いろんな業界から転職されてきた方がおられ、高いパフォーマンスを発揮されておられる方もたくさんおられました。皆さん、僕なんかより優秀な方ばかりでしたし、人それぞれ、自分の持ち味を活かしておられました。

ただ、やはりいわゆる「日本的な価値観」が全然通用しない世界なので、そこはある程度覚悟しておかないといけません。

たとえば、僕は、マッキンゼーに入社してすぐ、大学卒業したばかりの女性に「あなたが今までやってたことは忘れてください。なぜなら、すべて間違ってるから!」と言われたことがあります。

僕は中途入社だったので30歳でした(笑)正直、それもどうかな、と思いましたが、僕はそういうのは全く気にしない人なので、「たしかに郷に入っては郷に従えだな」と素直に聞いてました。

それくらいフラットな社風でしたし、年功序列も終身雇用もありゃしませんでした。社内で会社を辞めた後の夢を大声で語り合ってたりします。そういった雰囲気に馴染めないと、かなり辛いですよね。

別のコンサルティング会社、特に戦略コンサルに転職した理由はなんでしょうか?

これはよく相談を受けます。特に、戦略コンサルタントへの転職方法については多くの人から相談を受けますね。その前提として、戦略コンサルタントとITコンサルタントの間に上下をつける方が多いのですが、そもそも別職業なので、あまりその認識は正しくないです。

たしかに戦略コンサルタントの方が間口が狭く、入りにくい現実はありますが、入りにくいところに入ったのが偉いというわけではありませんよね。「偏差値で大学を選ぶ」ような発想をキャリア選択に持ち込まない方がよいでしょう。

ただ、かくいう僕も人間ですから、そういったつまらないことが引っかかってしまうこともありますから、気持ちはわかります。

でも、これからキャリアを考える人には、本当に自分の人生でやりたいこと、なりたい自分像や生活全体を考えて欲しいなと心から思います。

特に僕が後輩にアドバイスする時に必ず伝えるのは、「仕事だけじゃなく、そこで働くことになった場合の生活全体を想像してみてね」ということです。バリバリ働くということはある程度プライベートを犠牲にするということかもしれません。

海外にたくさん行けるということは、日本にいる家族や恋人や友達と会う時間は減るということかもしれない。物事は大抵、トレードオフです。そして、仕事は人生の中の一部でしかありません。

話を本題に戻すと、僕が転職した理由は、これまた「ご縁」です。アクセンチュアでは有意義な経験をいろいろと積ませていただきましたが、あまり社風が合わなかったこともあり、自分の中でさほど意気揚々と入社したわけでもなかったこともあって、自分の居場所を探し続けていたんですね。

ファーストキャリアとしてコンサルタントを選んでしまったので、転職先もコンサルティング会社を中心に見てました。

いろんな会社の方と話すうちに、一緒に働いてみたいな、という方に出逢えたので転職しました。その方とは今でも付き合いが続いていますし、とても感謝しています。

編集後記

Vol.1では簡単なプロフィールと新卒でアクセンチュアに就職した背景、また中途でITコンサルから戦略コンサルに転職した経緯について掲載した。

新卒でも中途でも戦略コンサルのほうがITコンサルよりも上の地位にある、戦略コンサルはITコンサルの上位互換といった言い方をする方をみるがどちらも経験している方からのメッセージは説得力があるものだった。

アクセンチュア、アビームコンサルティング、マッキンゼーアンドカンパニーと日系、外資、戦略/ITと多様な経歴をもっている方も珍しい。ぜひ次回のVol.2を楽しみにいただきたい。

未経験からコンサルティング業界への転職を考えているならアクシスコンサルティングに登録しておこう。

また、ビズリーチではマッキンゼー、アビームともスカウトメールが飛び交っているので少しでもコンサルを志望している人は登録してほしい。ハイクラス向けのリクルートダイレクトスカウトもおすすめする。

今回の取材の第二弾第三弾はこちらから。

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