「カプコンが新卒初任給を引き上げ?」
「他の従業員の給料も上がるの?」
2024年3月6日、株式会社カプコンは、2025年度の新卒社員の初任給を30万円/月に引き上げると発表しました。
この記事では、賃上げによってカプコンの初任給・年収がどのように変わるのか、分かりやすく解説します。
また、同じゲーム業界内での年収比較や、カプコンの営業利益の推移などもまとめています。給与改善によってカプコンが就職先・転職先として魅力的になったのか検討する際に参考にしてください。
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目次
カプコンが新卒初任給を30万円に引き上げ
株式会社カプコンは、2025年度から新卒社員の初任給を30万円/月に引き上げることを発表しました。(出典:プレスリリース)
2024年度までの新卒初任給は23.5万円だったため、6.5万円の引き上げです。
初任給 | |
---|---|
2023年度まで | 23.5万円 |
2024年度以降 | 30.0万円 |
カプコンが新卒初任給を引き上げた目的
同プレスリリースによると、初任給引き上げの目的は「優秀な人材の獲得」とされています。
今回、初任給を引き上げることで、優秀な人材を獲得し、人的資本への投資をさらに推し進めてまいります。
近年はゲーム業界の人材獲得競争が激化している
近年、ゲーム業界では、賃上げによる人材獲得競争が激化しています。
2023年には、コーエーテクモホールディングスが新卒者の初任給を29万円から30.5万円に引き上げました(出典:プレスリリース)。
また、株式会社アトラスは2024年以降の新卒社員の初任給を30万円に引き上げました(出典:プレスリリース)。
賃上げ前の 初任給 |
賃上げ後の 初任給 |
|
---|---|---|
コーエーテクモ ホールディングス |
29.0万円 | 30.5万円 |
アトラス | 25.7.万円 | 30.0万円 |
カプコン | 23.5万円 | 30.0万円 |
このような人材獲得競争の激化を背景に、カプコンも同じように賃上げを実施したと考えられます。
在籍中のカプコン社員に対しても平均5%の昇給を予定
カプコンは、新卒初任給の引き上げとあわせて、すでに在籍中の社員の賃上げも公表しました。昇給の幅は平均5%を超える予定です。
また、昇給のほかに、特別一時金も支給すると発表されています。このため、新卒社員だけでなく、すべてのカプコン社員の給与が改善されたといえます。
2023年までのカプコンの平均年収はいくら?
カプコンの過去5年間の平均年収
2019年3月期 | 588万円 |
---|---|
2020年3月期 | 599万円 |
2021年3月期 | 603万円 |
2022年3月期 | 712万円 |
2023年3月期 | 766万円 |
参考:各年度の有価証券報告書
カプコンの平均年収は、2022年度以降、かなりハイペースで上がっています。2021年度は603万円でしたが、2022年度は平均712万円でした。
プレスリリースの発表をもとに、2023年度の平均766万円からさらに5%以上改善される前提で算出すると、2024年度の平均年収は800万円を超えると予想されます。(766万円×1.05=804.3万円)
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ゲーム業界の年収比較
企業名 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 | 従業員数 |
---|---|---|---|---|
スクウェア・ エニックスHD |
1,259万円 | 46.5歳 | 5.1年 | 22人 |
ソニーグループ | 1,101万円 | 42.4歳 | 16.4年 | 2,445人 |
バンダイナムコ | 1,057万円 | 46.8歳 | 19.1年 | 43人 |
任天堂 | 985万円 | 39.9歳 | 14.3年 | 2,779人 |
KADOKAWA | 857万円 | 41.9歳 | 3.1年 | 1,998人 |
DeNA | 856万円 | 37.4歳 | 5.6年 | 1,326人 |
セガサミーHD | 831万円 | 42.8歳 | 2.8年 | 399人 |
アカツキ | 825万円 | 36.7歳 | 4.4年 | 33人 |
グリー | 810万円 | 38.2歳 | 6.3年 | 363人 |
サイバー エージェント |
806万円 | 33.3歳 | 5.9年 | 2,255人 |
カプコン | 766万円 | 37.6歳 | 11.0年 | 3,027人 |
ガンホー・オンライン・ エンターテインメント |
750万円 | 41.2歳 | 9.2年 | 412人 |
コロプラ | 661万円 | 35.4歳 | 5.4年 | 718人 |
参考:各社の有価証券報告書
上記の表は、2023年度時点のゲーム業界の平均年収を比較したものです。カプコンの平均年収は、コロプラよりは高く、サイバーエージェントより低い位置にありました。
2024年の賃上げの結果、カプコンの平均年収はサイバーエージェントと並ぶことが予想されます。
カプコンの会社情報
会社名 | 株式会社カプコン |
---|---|
設立 | 1979年5月30日 |
創業 | 1983年6月11日 |
代表者 | 代表取締役社長 最高執行責任者 辻本春延 |
本社所在地 | 大阪市中央区平野町三丁目1番3号 |
資本金 | 332億39百万円 |
売上高 | 1,259億30百万円(2023年3月期) |
営業利益 | 508億12百万円(2023年3月期) |
社員数 | 連結3,332名 単体3,027名(2023年3月31日時点) |
カプコンは、家庭用テレビゲームソフトやスマートフォン向けゲームを販売・運営しているゲーム会社です。
バイオハザードシリーズやモンスターハンターなどの有名タイトルを開発しており、国内外で高い人気を誇っています。
また、ゲーム関連の事業以外では、アミューズメント施設の運営や、遊技機の筐体開発なども手掛けています。
カプコンの事業内容
事業内容 | |
---|---|
デジタル コンテンツ事業 |
・コンシューマおよびPC向けゲームとダウンロードコンテンツの開発・販売 ・モバイルコンテンツの開発・運営 |
アミューズメント 施設事業 |
・アミューズメント施設「プラザカプコン」やカプコンストアなどを運営 |
アミューズメント 機器事業 |
・遊技機向け筐体および液晶表示基板やソフトウェアを開発・製造・販売 |
その他事業 | ・自社コンテンツを映画化・アニメ化し、音楽CDやキャラクターグッズなどを展開 ・eスポーツビジネスも注力 |
デジタルコンテンツ事業
カプコンのデジタルコンテンツ事業では、コンシューマおよびPCゲームとダウンロードコンテンツの販売・開発と、モバイルコンテンツの開発・運営をしています。
多くのオリジナル人気コンテンツを保有していることや、世界有数の開発力と技術力があるのが強みです。
また、カプコンの売上の77.9%を占めており、主力事業なのが分かります。ゲームがグローバル化しているため、今後も成長が期待できる事業です。
デジタルコンテンツ事業の主要製品
- モンスターハンター
- バイオハザード
- デビルメイクライ
アミューズメント施設事業
アミューズメント施設事業では、プラザカプコンやカプコンストアのような施設を、大型複合商業施設に出店しています。出店した施設では、各種イベントを開催して集客をしています。
大型SC店舗への出店に特化したことで、安定した集客を確保できるのが強みです。また、スクラップ&ビルドにより、古い設備を新しい設備に入れ替える効率的な運営をしています。
アミューズメント施設事業の主要施設
- プラザカプコン
- CAPCOM STORE
- 新施設「Kids BANet」
アミューズメント機器事業
アミューズメント機器事業では、家庭用ゲームのコンテンツを活用するビジネスを展開しています。遊技機向け筐体および液晶表示基板と、ソフトウェアの開発・製造・販売が主な内容です。
豊富な自社コンテンツと高い開発力があるため、事業の拡大がしやすいのが強みです。
アミューズメント機器事業の主要製品
- パチスロ機「バイオハザード RE:2」
- スマスロ「戦国BASARA GIGA」
その他事業
その他事業では、ゲームコンテンツを他のメディアに展開しています。映画・アニメ・音楽・キャラクターグッズなど、多彩な版権ビジネスを推進しています。
また、eスポーツビジネスにも注力しているのも特徴です。国内外で大会を開いており、業界を盛り上げています。
その他事業のサービス・作品
- ストリートファイター新実写映画
- ストリートファイターリーグ:Pro-JP2022
- 実写ドラマ「バイオハザード」
カプコンの売上高と営業利益
売上高 | 営業利益 | |
---|---|---|
2014年3月期 | 1,022億円 | 102億円 |
2015年3月期 | 642億円 | 105億円 |
2016年3月期 | 770億円 | 120億円 |
2017年3月期 | 871億円 | 136億円 |
2018年3月期 | 945億円 | 160億円 |
2019年3月期 | 1,000億円 | 181億円 |
2020年3月期 | 815億円 | 228億円 |
2021年3月期 | 953億円 | 345億円 |
2022年3月期 | 1,100億円 | 429億円 |
2023年3月期 | 1,259億円 | 508億円 |
参考:有価証券報告書
上記の表は、過去10年間のカプコンの売上高と営業利益をまとめたものです。売上高にだけ注目すると大きな伸びはありませんが、営業利益は10年間で約10倍に拡大していることが分かります。
営業利益が伸びているということは成長企業の証です。賃上げを実施し、従業員に利益を還元している点も考慮すると、カプコンは転職先として有力な候補といえます。
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