世界的コンサルティングファームとして日本でも有名なアクセンチュア。2回目の転職でアクセンチュアへ入社した現役のコンサルタントへインタビューを実施した。アクセンチュアの特徴をはじめ、様々普段うかがえない内容について語っていただいた。
アクセンチュアは採用人数が多いので、エージェントや友人などからおすすめされることも多いだろう。しかし、実態は第三者から聞くだけでなく、働いている人からタイムリーにインタビューをするのが良い。
ちなみに、読者の中でアクセンチュアへの転職を考えているなら ビズリーチに登録しておこう。企業やエージェントから直接スカウトを受けることが出来るので、自分のどんなスキルや経験が、どんな業界で評価されるのかを知ることが出来る。
また、他のコンサルティングファームも含めて、転職を考えている人はアクシスコンサルティングにも登録しておくと、質の高いサポートを受けられるのでおすすめだ。
なお、転職を最も効率的に進めるには、エージェントと求人サイトを併用するのがおすすめだ。 ビズリーチに加えて、自分にあうエージェントを選んで転職活動のスタートダッシュを決めてほしい。
アクセンチュアへの転職を考えている人、コンサルへの転身を考えている人は必見だ。
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- キャリハイ@編集部
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目次
Big4コンサルティング会社からアクセンチュアへ転職
-自己紹介お願いします。
都内の大学を卒業後、製造業での営業を1年程度行った後、Big4の一角である外資系コンサルティングファームで2年半働いた後に、アクセンチュアに転職して1年半経ちました。
-コンサルタントに製造業から転職した理由は何でしょう?
製造業は、旧態依然の業界で自分が成長している実感がもてなかったためです。成長をしたいという欲求が強くなったので、成長できそうな業界としてコンサルだなあとなんとなく思ったので転職サイトにいくつか登録して、すすめられた会社を受けて、あまり深く考えずにコンサルに転職しました。外資系を中心にうけたのでたまたまBig4を選んだ感じです。
転職サイトもこちらのブログで紹介されているのをちらっと見ましたが、ビズリーチのようなオーソドックスなところを使いました。
-その後、アクセンチュアに転職した理由を教えていただけますでしょうか。
アクセンチュアに転職した理由は、アクセンチュアから、私がかつて働いていたBig4に転職してきたコンサルタントが総じて優秀だったからです。
アクセンチュア出身者の思考方法やアウトプットへの落とし込みのプロセスが統一化されている感じがして、かつ質が高かったです。そのためコンサルというよりアクセンチュアに興味をもって転職活動をしました。
このときも転職サイトを使いましたが、結局以前使っていたサイトであったエージェント経由でうけました。コンサル経験があったことと採用人数が多かったので、運良く採用されました。
1度コンサルに転職した経験があり勤務していたので2回目の転職は特に苦労はしませんでしたね。転職面接についても変わったことは聞かれませんでした。
1回目の転職面接(メーカーからコンサル)では割とコンサルになりたい理由は聞かれましたが。
-アクセンチュアではどのような仕事をしていたのでしょうか?
マネジメントコンサルタント(MC)というグループで採用されました。ちなみに他には、戦略グループ(ストラテジー)、最近伸びているデジタル、技術系部隊であるテクノロジー(TC)が存在します。その中で、通信、製造業、ITといった様々な業界ごとに分かれているイメージです。
私は、小売業界のマネジメントコンサルタントとして、システム導入を中心に業務を行っています。また、マネージングディレクター(MD)やシニアマネージャー(マネージャーの上のポジション)と一緒に営業活動もしていました。
-転職後すぐ営業活動も行っていたのですね。
たまたまですが、提案活動に携わることができ、複数案件で提案活動を行うために、調査から資料作成、そして実際の提案の場にまで携わることができました。
-提案活動とは具体的にどのようなことをするのでしょうか?
まず、提案活動をするには提案先を探すことが必要です。基本的にこれまでアクセンチュアが取引のない新規の顧客に対しての提案活動になります。
では、その提案先のお客さんをどうやって探すかというと、コネです。MD(マネージングディレクター)が先方の役員と何かしらの形で知り合いであることがあるので、そのコネを使って提案をさせてもらいにいくという形です。
そして、コンサルティングの契約をできるように提案の準備をします。中期経営計画や、BS(バランスシート)、PL(Profit&Loss)を基に情報収集して相手の課題を洗いだします。その課題を基にアクセンチュアが提案できる解決方法をプレゼンして契約する形です。
MD(マネージングディレクター)の個人のツテで提案先を探す
-提案先はコネがあればどのような企業でも行うのでしょうか?
こちらから提案させてくださいとお願いする場合は、東証一部クラスの有名企業ばかりです。単価が安いものは提案してはいけないことになっているので、最低でも二ケタ億円規模の案件を取りにいこうとしていました。
私が前にいたBig4のコンサルよりも1件あたりの単価が高くて、業界としてみても比較的単価が高い提案ばかりを行っていたことが新鮮でした。
-提案活動に携わっていかがでしたか?
面白い仕事でした。会社の強みや弱みを分析して提案するためのストーリー作成を行いました。そのうえで、定量的なデータや定性的なデータを読み解き分析するプロセスが会社の経営を俯瞰的に見ることができて勉強になりました。
また、最先端の技術を使った提案活動ができることが魅力でした。例えばですが、IoTやスマートシティといった最先端の技術を日本の企業に導入しようとします。
日本ではほとんど議論されていない技術もアメリカではすでに活用されていることがあるのでアメリカの事例を日本に導入しようと試みます。
我々が議論をしていた数か月後に日本国内でもそのとき扱っていた技術が議論されていて、アクセンチュアの最先端の取り組みが実感できました。
海外の事例を研究できるデータベースが充実しているため容易に勉強することができます。
日本用にカスタマイズした資料やアメリカでの事例がそのままのっているものなど様々あって日本の企業に導入する際の参考になります。
かつて勤務していたBig4のコンサルティング会社はデータベースへのアクセスのしやすさやデータベースの量が多くなかったためグローバルネットワークがあまり生かせていなかった印象でした。
ストーリーを作成し提案をチームで作り上げたら、お客さんのところにもっていって提案します。提案時はMD(マネージングディレクター)が話します。
提案を聞く側の東証一部の大企業もCEO,CFOをはじめとする役員クラスなので非常に緊張感のある場となっています。私がかかわった提案はお客さんから、「そこが困っていたんだよ」と言われることもあってうれしかったですね。
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転職後プロジェクトに入るためには社内面接がある
-提案活動後は、そのままプレゼンした案件に入ったのですか?
提案活動をしている時間は売上になっていないので、会社的には望ましくない状態なので、デリバリー(プロジェクトを実行)に入り稼働率をあげるようにしました。
シニアマネージャーと面接をしてERP関連の案件に入りました。
-社内で面接があるのでしょうか?
知っているMDやシニアマネージャーに引っ張ってもらって入る案件でない場合は、社内でプロジェクトのマネージャーと面接をして入る案件が決まります。
社内面接に通らない人はずっとavailable(入るプロジェクトがなく暇な状態)になっていて実質社内失業の状態です。一度評判が悪くなると面接する側(上のポジション)の間ですぐ噂が広がるので気を付けないといけません。
-ERPの案件はどうでしたか?
前職でERPの案件をやったことがあったのですが、もともとあまり好きではなかったのと知識もそれほどなかったので苦労しました。
何よりやっていて楽しめなかったのがつらいですね。もちろん経験があったので、そこそこのパフォーマンスもでていましたが1年ほど、同じことをしていると飽きてきます。
SAPを導入する仕事なので、割と手順にのっとって最適解を探せば自ずと答えが出てきます。
後は、SAPの領域で自分より詳しい人はたくさんいるため、ファシリテートや資料作成でがんばっても、元々の業務の部分でバリューを出せないと高い成果が出せません。自分の得意領域だったらもっと成果がだせるのにともどかしい思いがありました。
途中、自分と同じように人が入ってきたのですが、SAPの導入に関して全く知見がなかったのか不向きなのかは知りませんがパフォーマンスすることなく2か月程度でプロジェクトをはずされる人もいました。
パフォーマンスが悪い人が入るとその人の資料なおしに時間を取られてしまうため早くいなくなってくれないかなとさえ思っていました。
こういった経緯もあり自分がなかなかプロジェクトから抜けることができなくて辛かったですね。現在の案件はやりたかったものなので楽しくできています。
-できない人は外されるのですか。活躍している人はどのような人ですか。
社内を見ていて思うのは、天才クラスの人はほとんどいません、ほとんどの人が、いい大学を出てそれなりのキャリアを積んできた秀才クラスの人です。そのため能力で差が大きくつかないためにどれだけ食らいつけるかが重要になってきます。
新卒を見ていると、最近は労働条件が改善されたのもあって、仕事が残っていてもすぐに帰る人も増えてきたような気がします。中途でも、コンサル経験あって、いい経歴なのにすぐにあきらめる人がいます。
あきらめるというのは上司のフィードバックに対して何度も何度も考えなおして自分のアウトプットを何度も何度もぶつけることから逃げることです。
もちろんアクセンチュアはワークライフバランスが改善されたので、そこそこの給与とそこそこのやりがいで働くという形もありだとは思いますが、若手のうちからその気持ちで働くのはもったいない気がしますね。
がんばればがんばれるほど、シニマネが自分のアウトプットに色々インプットしてくれるので、成長できます。
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ホワイトになったアクセンチュア
-労働環境が改善されたとありますが、現在は労働時間に関しては短くなったのでしょうか。
劇的に短くなりました。若手は、45時間以上の残業ができません。弊社に限らず日本企業がそのような労働条件の改善に向かっているのでいいことだとは思いますが、私自身はもっと働いてもっと成長したいのでこの残業時間規制は少し面倒くさいです。
もちろんこれまで毎日遅くまで働いていたということではなくてメリハリをつけていました。
ただし、プロジェクトの山場だな、もっとがんばれば解決策が見出せそうだなというときは、深夜まで働く期間が自然と出てきます。
-短くなった分、今まで以上に効率よく仕事をしなければいけなくなったのでしょうか。
もちろん1人1人の効率をあげるのはもちろんですが、ある程度効率をあげることにも限界がきます。
アクセンチュアはテクノロジーが強いので社内のシステムも比較的使いやすいですし、パワーポイントのアドインも独自に開発された機能がいくつもあってパワーポイントの作成の時間が極力短くなっているので考えることに時間を使うことができています。
では、どうするかというと人を追加してくれるようになっています。アクンチュアは1つあたりの単価が高いため、人を1,2人加えても大丈夫な構造になっています。
人も資金も潤沢なので誰かにしわ寄せがいくということが極力減っている会社なのですね。
コンサルというと1人病院送りになったら残ったチームメンバーが奮闘してどんどん病院送りになるというイメージがありますがそんなことは全くありません。
後は、シニマネは残業規制がないので若手の代わりにがんばるということがあります。
-他業界でも、管理職が若手の仕事をすると聞いて驚きました。若手を保護しようという動きは盛んなのですね。シニアマネージャーはどのくらいの年齢でなれるのでしょうか。
実力主義なのでバラバラです。マネージャーの次がシニアマネージャーになりますが、30歳から30代後半くらいのレンジです。
MDは30代後半から40代といったところです。優秀な人はどんどん昇進していっています。シニアマネージャーもハードワーキングをして昇進しているのでハードワーキングをする若手は好きな印象です。
ハードワーキングというのは単に労働時間が長いということではなくて、粘り強く考えて、厳しいフィードバックにもめげずに常に立ち向かって、インサイトを導こうとする人のことです。
比較的短時間労働の人でもしつこく食らいついている人は評価されます。私はそこまで頭がよくないので、時間をかけてでも成果を出そうとがんばります。
-シニアマネージャーやMDは怒鳴ってくるようなことはありますか?
会社の雰囲気としてパワハラにも厳しくなっており、叱責するような人が減っています。仕事ができなさすぎて言い方がきつくあたられる場面を見ることはありますが、大抵そのような事態になるときはスタッフクラスの人の責任であることが多いです。
全体的に理不尽な叱責をするシニマネやマネージャーは減っているのでそのあたりも環境はよくなっています。ただし、部門や所属する業界によってだいぶ違うのであくまで参考までに。もはや大企業ですので一つの基準で測れませんので。
-アクセンチュア社の良いところは何でしょうか?
提案力が桁違いです。大きな案件を、大きな会社にもっていけるところです。今までの実績、知見が世界規模であるので、やりたいことをやれる環境が比較的整っています。
とにかく単価を下げて案件をとって、スタッフクラスが疲弊することが少ないと思います。少なくとも私が入社してからはそのような印象があります。
次に、テクノロジーに強いことです。とにかく最先端のことをやっています。医療、IT、製造業と多岐にわたる範囲で最先端の情報が入ってきて、それらを提案に生かそうとしています。
詳しくは知らないのですが、社内に情報をすぐに仕入れてくれる人がいるのかもしれません。
-逆に悪い点はありますか?
会社としての不満ではありませんが、あくまで個人的には、今の残業規制がつらいです。ホワイトプロジェクトが増えて面白味が減りました。もっと働きたいです。
ある程度は働いた時間と成長が相関していると思うので。後はプロジェクトの配属におけるスキルのミスマッチもあるかもしれません。
あまりにも採用人数が増えたので、必ずしも本人の希望をかなえられる環境があるわけではないかもしれません。十分な成果を出せば希望が叶う環境ですが自分はまだまだトッププレイヤーになれていないのでこれからがんばりたいです。
やりたいプロジェクトに入るには社内人脈が重要
-自分がやりたいプロジェクトをするにはどうしたらいいのでしょうか。
社内人脈が大事ですね。MDやシニマネに売り込む必要があります。以前関わったプロジェクトの偉い人たちに、こういう仕事したいから次あったときは呼んでくれとメールしたり直接話をしたりしてやりたいプロジェクトに入ります。
実際私もこのやり方を使っているので、社内の人脈を築けるか、またプロジェクトごとに上のポジションの人から信頼を勝ち取れるかは重要になってきます。
-将来やりたいことはありますか?
将来はまた事業会社で働きたいと思っていましたが、今は自分で会社を興したいです。まわりでも起業する人が増えてきたので彼らのようになりたいと思っています。
-アクセンチュアおよびコンサルへ転職を検討している人に何かメッセージはありますか?
ランキングや世間の評価に流されないことですね。働きたい企業ランキングに入っていたり、一見ブランド力があるような企業に見えたりっていうことはよくあってそれを信じて入社する人もいますが実態がかけ離れていることはどこの会社でもよくある話です。
きちんと内情を知っている人にヒアリングをして、実際はどうなっているかを聞きましょう。私が見た限りアクセンチュアの労働条件は(一般の人が見て)良いです。
でも、もしかしたら、部門によっては労働環境がよくないということがあるかもしれません。こういうことはちゃんと中の人に聞いて慎重に判断しないといけないわけです。
単に表層的なブランドにだまされるなということを伝えたいです。私自身は転職してよかったと思っているので転職で成功する人が増えるとよいと思います。
*アクセンチュアの採用および転職に関して(以下筆者)
アクセンチュアの採用に関して取材後確認をしたところ、1日で終わる面接もあれば複数日にかけて行われる面接がある。
例えばERP人材が不足していた場合はパートナーが直接でてきてくどきにかかる場合もある。フレキシブルに型にはまらずいい人材を採用しようとしている。
ITコンサルでSAPの導入に関して知見がある方は転職が現在の市場で評価される。
また戦略コンサルであるがっつりケース問題という形ではない時もある。タイミングによって違うのでもっとも最近の情報を手に入れれることをおすすめする。
また、デジタルも採用に力をいれているので着目してほしい。デジタルは広告代理店等と競争になってくる分野であり、ITに強いアクセンチュアがいち早く強化した領域がデジタルだ。
転職における出身大学について
採用大学はバラバラになってきており、学歴よりもポテンシャルや経験を重視するようになってきた。
また優秀な方は社員紹介で入社することもある。いわゆるリファラルだ。リファラルのほうが優秀な人が採用できる確率が高まっている。
東京大学、京都大学をはじめ、慶應、早稲田出身や、日東駒専出身など、いろいろな方がいるおり、戦略部門でも、必ずしも上位大学でなくてもよいとのことだった。
取材後記
大企業となったアクセンチュアに取材をしてきた。驚きだったのは、労働環境がよくなっていることだ。残業規制と人員追加で対応している。
一方、個々人のコンサルタントで働きたいと思う人にとってはやや不満も生んでいるようだ。コンサル業界も成熟してきており、寝なくても大丈夫なスーパーマンだけが働くような業界ではなくなってきたのだろう。
今回、転職で使用した転職サイトを教えていただいたので並べさせていただく。【BIZREACH(ビズリーチ)】を転職サイトとして利用するとよい。
アクセンチュアへ転職をしたい場合はビズリーチが断然おすすめである。アクセンチュアの人事から直接オファーがくるのだ。そのため実際どのようなレベルの内容か確認できる意味でぜひ見てほしい。
また他の戦略コンサル、大手コンサル会社も利用している。知らない方が多いのでぜひ利用するとよい。
もちろん氏名等は見られないので安心してほしい。
コンサル転職全般(特に未経験)でおすすめしているのがアクシスコンサルティングだ。ケース面接対策をはじめ、十分な対策と転職情報が豊富だ。
関連記事
アクセンチュアのコンサルタントへ数名ヒアリング通して下記の記事を書いた。
アクセンチュアの競合については下記記事からご覧いただきたい。下記はBig4系のファームにインタビューした記事だ。プロジェクトの実態が書かれているので大変参考になる。
こちらは戦略コンサルの方に伺った記事だ。事業会社からの転職組の苦しみが書かれているのでぜひご覧いただきたい。
今日は以上だ。