社会人の中でも、Excel(Power point、Excelを含む)を使えないという方は多いのではないだろうか?Excelは、業務を効率化するうえで重要なスキルの1つである。
今回は、正しいExcelの使い方ということで、Excelにおいて知っておいて欲しい点を伝えていく。
Excelを使いこなせるようになれば、ビズリーチやマイナビエージェントのような転職サービスを利用する際、スキル面の項目で強みを発揮できるだろう。
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目次
Excelに関しての考え方
私は、キャリアアドバイスをするブログを解説したのだが、基礎スキルであるExcelについて反響があったのでExcel(エクセル)について書く。
私自身、研究に従事していたときはExcelを使うことはほとんどなく、PythonやC、C++、Rといったコンピュータ言語を使用していた。一言でいうとExcelは大量のデータ処理に向いておらず、高機能とは言いがたい部分があるので、一般企業に勤めてから、Excelを使わざるを得なくなった。12時間くらいかけて、パラメータ推定、感度分析をするのにとてもじゃないがExcelで処理できない。
Excelは就職活動、転職活動でWEBテスト等をするときにソルバー機能と四則計算に使ったくらいだ。関数電卓よりExcelの方が便利だったのでそのときは重宝した。しかしExcelをなぜこれほど勉強しろといっているかは、これから解説していくのでぜひご覧いただきたい。必要な学ぶべき関数も紹介する。
Excel(Excel)の役割は2つ
Excelには大きく2つの機能がある。シミュレータ機能とデータベース機能の2つの機能に分かれる。
シュミレータ機能
シミュレータ機能とは、Excelにおける実際の仕様例としては、売上予測をはじめ企業の経営数字に関わる予測(シミュレーション)に用いられることがあります。
ケーキのチェーン店を経営しているとして、ショートケーキが何個、シュークリームが何個、モンブランが何個売れる、雨の日が何日、晴れの日が何日、土日が何日という数値をもとに一店舗の年間売上予測を出して、経営する店舗数を掛け合わせて、全店舗の売上を予測する。
具体的なExcelの関数としては、NPV、CHOOSE、MAX、TABLEといったものが用いられる。上記の関数は、経営企画部や財務部、また金融業に関わる人なら知っているだろうが、その他のメーカーの営業にいるとあまり使う機会がないかもしれない。
大学の研究者や、より精度高く分析する民間企業でやや”マニア”と呼ばれるような部類の人はExcelの代わりに、CやFORTRAN、MATLABといったアプリケーションを利用するだろう。コンサルティングファームでも計算言語を使いガリガリデータ分析をして高いパフォーマンスを出している人がいる。
MATLABであれば比較的簡単に利用でき、WEBブラウザや携帯のアプリでも利用できるようになっているのでチャレンジしてみてほしい。大量のデータを驚くほど速く計算できる。(Excelであれば終わらないようなデータを処理する前提にたって早いという意味)
データベース機能
もう一つのExcelの機能がデータベース機能だ。顧客のデータなどマスターデータを集積し、抽出する機能を有している。顧客データを社内のExcelで管理しているところも多いだろう。(インターネットサービスを運営する会社は自前のシステムがあるのだが)
顧客情報やユーザーのデータをExcelでデータ分析する場合、良く用いるのがCOUNTIF、VLOOKUP、CONCAT関数だろう。今あげた3つを知らなかったらExcelの知識に乏しいと思ってもらって構わない。
インターネット系の企業や、エンジニアの職種であれば、データベースや分析機能として、My SQL、SPSS、STATA等をExcelの代わりに用いているだろう。特にSQLがたたけるかどうかで業務の効率がだいぶかわってくるだろう。エンジニアにこのデータくださいとお願いすることがある場合、十中八九、自分でSQLたたいてくれと思っているはずだ。
このようにExcelの機能は大まかに二つあることを説明させていただいた。
なぜExcelを多くの会社が使うのか
本題のなぜ、Excelを多くの会社が使うのか考えてみたい。Excelの革新的な機能として、シミュレータ機能とデータベース機能を同じExcelというアプリケーションで利用できることが大きい。先ほど紹介したExcel以外のアプリケーションはそれぞれの機能では秀でているが、二つ合わせる機能となるとExcelにかなわない。
多くの企業の場合、シミュレーションや、データの蓄積はマストで行うのでどちらの機能も必要になる。
その他の理由として、下記がある。
- 習得難易度の低さ
Excelは恐ろしく簡単に学習することができる。中学生にMySQLやC言語を教えることは難しいが、Excelは簡単に教えることができるため、組織全員が使える共通言語になる。英語のようなツールに近い。
- 互換性が高い
多くの企業や個人がExcelを使用しているため、誰でも見たり編集できたりするのだ。そのため、Excelを使わざるを得ない状況がある。たまに見たことない拡張子を送ってくる人がいるが、そんなファイル開くソフトはないよ…という状況になりにくいのがExcelだ。
- 時短操作が可能
今回あまりとりあげませんが、ショートカットが充実しており、操作性が非常によいのが特徴である。ショートカット、しまいにはマクロを使うと、単純作業もあっという間に終わり、かつ使いやすいため作業を楽にしてくれる。時短作業のプロである投資銀行業界の人たちは、ショートカットを使いこなしても仕事が終わらないのを見るとどれだけ大変なんだと思わざるをえないが。
- 価格が安い
使いやすく便利な高機能ソフトでありながら、ワード、パワーポイント、エクセル、アウトルック等含めて月額1500円で利用でき商用向けソフトとしては極めて安価に利用できる。
- シミュレータとデータベースの連携
これは本章の冒頭に述べた理由だ。この機能の違いを意識していなくても自然とシミュレーション用か、データ蓄積、分析のために利用しているのではなかろうか。
エクセルの実力を測ろう
ビジネスシーンにおいてエクセルを作る目的を一般化するのは難しいが多くの場合、第三者に見せることが多いため、誰にとっても見やすく、間違いがなくなるシートを作ることが基本的なゴールであるだろう。
今回の場合、大学の講座に参加している人の属性を分析する職員としよう。氏名、年齢、性別、兄弟の有無がわかっているとする。上司に提出する場合、ローデータと、回答をするシートは分けた方がよいが、この場合同じシートに問題も掲載する。
完全オリジナルで先ほど作ったのでおかしい点があれば指摘していただけると幸いだ。
まずは下記の情報をご覧いただきたい。
問題はこちらだ。
Q1. 参加したのは男女どちらが多いか?
Q2. 兄弟の人数が多いのは男女どちらか?男女それぞれの平均値で比較せよ
Q3. 氏名を田中太郎(タナカタロウ)のような形で表記せよ
Q4. 年齢が若い順番に、名前を抽出せよ
ちなみに、氏名情報は下記のサイトから生成した。https://hogehoge.tk/personal/generator/?
スプレッドシートに答えつきで問題を用意したのでエクセル能力に不安のある方はPCから時間があるときに一度やっていただけるとよいかもしれない。実際は100人分の架空のデータが入っている。
簡単な解説をする。
Q1は男女のどちらが多いかを問うているので男女を数えて比較したらよい。COUNTIF関数で、”男”になるものを数えているのだ。ここで注意してほしいのは関数の中に直接=”男”と書く人がいるが、後で変更になったときにめんどくさくなるのでおススメしない。
ちなみに、答えにダイレクトに答えるために、=IF(COUNTIF($E$2:$E$101,J2)>COUNTIF($E$2:$E$101,J3),J2,J3)
という形で、人数を多い方をシートに出力するというパターンもある。通常は目に見える形で男女どちらも数字を出してから、多い方を答えるほうがよいだろう。
Q2は兄弟が多い性別がどちらかという問いだ。SUMIFをCOUNTIFで割っている。それほど難しい問題ではないはずだ。
Q3も中級者としているが初級者でもできる。CONCATENATE関数を使い、ifと組み合わせて、( )をつける。兄弟がいない場合、つまり値が0の場合は空欄で、そうでなければCONCATENATE関数が発動される。CONCATENATE関数は、別セルにある者同士をつなげてくれるので便利だ。&でもいいが、関数を今のうちに覚えておこう。
Q4だけ、やや難易度が高い。年齢が若い順に、氏名をとりだすという作業だ。初心者の場合、コピペをして、年齢と氏名だけ取り出して、昇順降順をつかって並び替える。ここではそのパターンでもいいが、元のデータは並び替えずに取り組んでほしい。並び替えないでできるようになると他のことに応用が利くからだ。
回答方法はいろいろあるだろう。今回の場合は、年齢が並んでいるのでそれを、並び替えてから、その年齢に対応する氏名を抽出する方法をとっている。
まず、並び替えだが、SMALL関数を用いて抽出している。その中でも、重複がでてくるため、ROW()を用いると小さい順に漏れなく全部ならべてくれます。これで、並び替えは完。
ここからが肝心で、VLOOKUPで引っ張ろうとすると重複がある場合、最初にひっぱった値を繰り返しもってくるため同じ名前になってしまう。そのためINDEX関数を利用すると便利だ。
私が上級者でないのでなんとも言い難いが上級者への一歩としてINDEX関数やMATCH関数は頻出なので覚えておく必要がある。プログラミングをしている人ならすぐわかるが今回は配列形式のINDEX関数を利用した。非常に便利なので覚えてほしい。
回答はリンク内のシートにあるので、Excelにコピペして自分で工夫しながらチャレンジしてみてほしい。これ以外の回答あればぜひ参考にしたいのでコメントいただきたい。
いかがだっただろうか。おそらく、ほとんどの方は最後の問題以外は解けただろう。先日の記事で「本当にいるのか?」とつっこまれたが、Q2のあたりから、もうできなくなる有名大学卒の人がいるのだ。旧帝大や慶應大学をでてそれができないのはにわかに信じがたいだろう。だが実際にいることだけはお伝えしておきたい。
Excelの学び方
Excelにおける勉強は難しい。なぜならば自分のやっていることが非効率だということに気づかされないからだ。エクセルで管理していた人がMySQLを使ってデータを管理しようという意識が働かないと同じで、Excel内で、もっと便利な機能があるというのは勉強をしていかないときづくことは難しい。
私自身、vlookupやif関数を多用しすぎて、怒られたことがある。シートを重くしすぎたためである。そのため、IndexやMatch関数を利用することでシートが軽くなったという体験があったが、こういった類のことは指摘を受けないと気付きにくい。必ず会社にはExcelマスターのような方がいるからその方に聞くか、上司からExcelシートについてフィードバックをもらうとよいだろう。
Excelが使えない奴は”使えない奴”になるのか?
Excelごときでつまずいている奴はどうせ仕事もろくにできないだろうと勝手に判断される。Excelが極端にできない人は実は仕事のほとんどが同期にまわっており自分にはまわっていないという事態が往々にして発生している。仕事がまわってきていない本人はそれに気づかず成長の機会を逸している。
上司からローデータをもらえる機会は貴重であり、数字を握っておくと会議のときに重宝される。ローデータをもらえるのはExcelが使える人間だけなのだ。たかがExcelされどExcel。私はマイクロソフトの回し者ではないことだけはお伝えしたい。
Excel神である投資銀行業界の方々からすると大したことない内容かもしれないが一般社会人で今回のような内容すら理解できない方がいるのも事実だ。
機会があったらまたExcelについて話したいと思う。Excelができるようになったらビズリーチやマイナビエージェントのスキル欄に自信をもってExcelと書いておこう。