人生の新たな門出である「結婚」。そのタイミングで新しい仕事への「転職」を考える人は少なくない。
男性の方でもワークライフバランスや給与面など、よりよい条件で働くために転職をする方もいるが、結婚を機に転職する女性の数は男性に比べて圧倒的に多いのが実情だ。
新たな環境での生活スタイル、そして仕事と家庭のバランスなども考慮すると、「今の仕事のままで大丈夫だろうか…」と不安に思う方もいるはずだ。筆者も結婚、そして2人の子どもを出産したことを機に働き方を変えた1人だ。
今回はそんな悩める女性たちに向けて、結婚前後の転職のリアルについて解説していきたい。転職のベストなタイミングはいつなのか、結婚後のキャリアについて、そして転職する際にチェックすべき項目などについて詳しく説明していく。
また、転職活動をするにあたって強い味方となるのが「転職エージェント」の存在だ。直接スカウトが届くのがうれしいビズリーチや、業界内でもトップクラスの求人数を誇るマイナビエージェント、そしてハイクラスな転職を希望する方向けのリクルートダイレクトスカウトなどがある。
複数のエージェントに登録することでより効率的に転職活動を進めていくことができるため、ぜひ活用していただきたい。
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- キャリハイ@編集部
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目次
寿退社をすすめない理由とは?
結婚を機に仕事を辞める選択をする女性も多い。しかしながら、筆者の友人やママ友たちの中には、退職後に結婚・出産を経験してから働きたい気持ちが大きくなっているという人たちが一定数いるのだ。
それまで仕事をしてきた女性にとって、自分のために使う時間やお金が制限されることにかなりのストレスを感じる人もいるはずだ。また、家庭の中だけで1日が終わっていく感覚に耐えられないという人もいるのだ。
社会から切り離されたような孤立感を感じる。 家事や育児をしているなかでは達成感などを感じにくい。 大人と誰とも離さないで1日が終わっていく。 |
そのような満たされない気持ちで仕事をすることで埋めたい、払拭したいと感じているのだろう。
しかし、いったん働くフィールドを離れてからの就職活動は条件が厳しくなることが多く、正直とても難しい。子どもがいる場合はなおさらだ。
そのような理由から、特別な事情がない限り、私は「寿退社」をすることをおすすめしない。
働くことが好きで、今後も仕事をしていきたい気持ちが少しでもあるのであれば、とりあえず続けてみてほしい。働くことが難しいと感じたタイミングで退職を検討するのがベターといえるだろう。
結婚前と後、転職にベストなタイミングはどっち?
転職をしたいと思った際に、一番重要になってくるのが転職のタイミングだ。実際のところ「結婚前」か「結婚後」、どちらのタイミングで転職をした方がよいのだろうか? 両者のメリット・デメリットを照らし合わせてチェックしていこう。
2-1. 結婚前・結婚後の転職で考えられるメリット・デメリット
【結婚前に転職するメリット・デメリット】
メリット | ・年齢が若い方が転職の幅や可能性が広がる ・妊娠・出産までの期間に職場での信頼を得ることができる ・結婚後の生活にマッチするであろう条件で求人を探すことができる |
デメリット | ・収入やキャリアをキープしながらの転職は困難 ・転職後すぐには産休・育休が取得できない ・結婚後に状況や心境が変化していることも ・新婚生活と新しい職場の慣れない環境にストレスを感じる可能性も |
【結婚後に転職するメリット・デメリットとは?】
メリット | ・実際の結婚生活に見合った転職先を考えることができる ・名字変更など諸々の手続きをしなくてよい ・出産や子育てを経験し、落ち着いたタイミングで転職活動ができる |
デメリット | ・収入やキャリアをキープしながらの転職は困難 ・転職後すぐには産休・育休が取得できない ・既に妊娠・出産をしている場合は雇用されにくいことも |
両者ともに共通していることは、「必ずしも転職すること=収入・キャリアアップではない」ということ。そして「転職後すぐには産休・育休の取得ができない」ということだ。
2-2. 必ずしも「転職すること=収入・キャリアアップではない」
転職をする動機は人それぞれだが、給与や待遇などがより条件のよいところで働きたいと誰もが願うことだろう。しかし、結婚を機に転職をする場合は特に注意が必要だ。
家庭と仕事のバランスをとりながら、収入やキャリアアップが見込める求人を探すのはかなり難しい。むしろキャリアダウンしてしまう可能性の方が大きいのだ。
そのため、今の職場環境やキャリアに満足している方は、結婚を機にわざわざ転職を考えない方がよい。
例え、仕事と家庭の両立を不安に思っている場合であっても、それまで作り上げてきたキャリアを手放すことは非常にもったいないことだ。まずは働いてみて、それでも続けることが難しいと感じた場合に転職を考えてみてほしい。
逆をいえば、今の環境に少しでも不満を感じていたり、将来的なことを考えた上で新しい環境で働きたいと考える方は、転職することでいい方向に変わっていく可能性は大いにあるのだ。
2-3. 転職後はすぐには産休・育休の取得ができない
次に転職後の大きな課題となってくるのが、「産休・育休」に関する問題だ。
一般的に、産休・育休制度を導入している企業や団体であっても、社労協定で「入社してから1年以上でない取得できない」と定めているところが多い。そのため、転職直後にそれらの制度を利用することが難しい場合があるのだ。
万が一、育休が取得できないとなると「育児給付金」等がもらえないという事態にもなりかねない。最悪の場合退職しなければならないことも。そうならないためにも、育休・産休の取得は計画的に行っていく必要がある。
転職のタイミングについても、転職エージェントが相談に乗ってくれる。転職活動のやり取りの代行や、育休・産休の優れた制度のある非公開求人の閲覧も可能だ。数々のサポートを無料で受けられるので、利用しないのは損と言える。
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結婚後、あなたはどのように働きたい?
さて、結婚を機に転職をする際のタイミングについてのメリット・デメリットについてご紹介してきたが、それでもいつ転職したらよいかまだわからないという方もいるかもしれない。
そのような方は、ぜひ「結婚後、自分がどのように働きたいか」という視点から考えてみよう。結婚後のビジョンを明確にすることで、転職活動をどのようにスタートしていけばよいかがわかってくるのだ。
3-1. 転職のタイミングは人それぞれ
転職のベストなタイミングは、それぞれの環境や考え方によって変わってくる。結婚を機に転職を考える方たちの多くが以下の3種類のパターンに分類されるかと思う。あなたはどのパターンに当てはまるかを考えながらみていこう。
・子育てしながらも正社員として安定した仕事に就きたい ・家庭や子育てを中心に考えながら働きたい ・パートナーの転勤のため、仕事はしたいができない |
3-2. 子育てしながらも正社員として安定した仕事に就きたい
結婚後も正社員として働きたいと思う方は以下のようなタイプが考えられる。
・これから先も仕事を続けていきたい ・正社員としてキャリアアップをしていきたい ・共働きで生計を立てたい ・育休制度などがきちんと整っている環境で働きたい |
「家庭を持っても、子どもを産んでも働き続けたい」。そう考えている女性も多いはずだ。筆者も子育てをしていて感じることは、家庭とは違う場所に居場所を持つことは、とても大切で意味のあるということだ。
共働きを選択しなければならない人はもちろんだが、万が一シングルになった場合でも1人で家族を養っていける経済力を持ちたいと考える方も正社員としての雇用を望む場合が多いだろう。
このように様々な理由で正社員としてバリバリ働きたいと考えている方たちは、ぜひ「結婚前の転職」をおすすめしたい。
フットワークが軽い時期に転職先をじっくりと選ぶことができることができるのは、とても大きなメリットだ。転職活動は時間と労力をかなり必要とするため、比較的時間に余裕のあるタイミングで行うのがベストだろう。
産休や育休のことを考慮しても、少しでも早いタイミングで転職した方がよいともいえる。出産までの間に会社に貢献できるため、転職者と会社の両者にとってメリットがあるといえるだろう。
3-3. 家庭や子育てを中心に考えながら働きたい
家庭や子育てを中心に考えながら働きたいと感じる方たちは以下のようなタイプが考えられる。
・家族や子どものことを第一に考えたい ・多少のキャリアダウンをしても構わない ・許されるのであれば家庭に入ってもいい |
家庭を持つと、それまでと同じような働き方をするのは現実的に難しい。自分のためだけでなく、家族のために働くという考え方にもシフトしていくからだ。
今までのキャリアを活かしながら違う働き方をすることに抵抗がない方は、ぜひ正社員という枠にとらわれない働き方も視野に入れて転職を考えるのがよいだろう。派遣やパートなどで働くことで家庭の時間を優先しやすくなるはずだ。
このようなパターンの方たちは「結婚後の転職」をおすすめする。結婚生活や子育てなどをある程度経験し、生活が落ち着いたタイミング転職することで、実際の生活スタイルに合った働き方を選ぶことができるだろう。
3-4. パートナーの転勤のため、仕事はしたいができない
パートナーが転勤族だった場合、仕事をしたくてもなかなか定職に就けないという方もいるだろう。そのような方は以下のようなパターンが考えられる。
・もともと働くことが好き ・正社員でなくとも何かしらの形で働いていたい |
現在仕事をされている方は、ぜひ会社と相談した上でパートナーの転勤先に近い支社や支店などで働けるかを確認しておくべきだろう。せっかくのキャリアを手放してしまうのはとてももったいないことだからだ。
家庭を優先させたいと考える方たちと同様、正社員としても雇用にこだわらず、様々な選択肢の中からご自分にあった働き方を選んでいってほしい。
転職するタイミングも「結婚や引越しなどが落ち着いてから」がおすすめだ。まずは新しい環境での生活に慣れることを最優先に考えるべきだ。
注意点としては、ブランク期間が短い方が転職にとって有利なため、生活が落ち着いた早いタイミングでぜひ転職を考えてみよう。
転職する際にチェックしておくべきこと
転職にベストなタイミングがわかったところで、転職の際に事前にチェックしておくべきことについて解説していく。どのようなポイントに注意しておくべきかを確認してほしい。
4-1. 残業や休日出勤の有無
残業や休日出勤は、家庭を持つ主婦にとって非常に難しい問題である。また、出張が伴う勤務があるかも併せて確認しておくべきだ。また総合職の場合は、全国的な転勤の可能性についても事前にチェックしておこう。
家族の時間が奪われてしまうことはなるべく避けたい。仕事によるすれ違いは、夫婦仲や家族の絆に大きくダメージを与えかねないので慎重に職選びをしていきたい。
4-2. 女性の在職率
特に結婚や子育て世代である20〜40代の女性の在職率はとても重要になってくる。その世代の女性多く在職しているということは、女性が活躍しやすい環境が整っていることのバロメーターだからだ。
子育てをしているなかで、子どもの行事や体調不良などで仕事を休まざるを得ないこともあるだろう。職場の方たちがそのような状況を理解してくれる風土かどうかも併せて確認しておきたい。
4-3. 子育てしながら働きやすい環境かどうか
結婚して家庭を持っている女性たちは多忙を極める。そのため働きやすい環境かどうかがポイントになってくる。具体的に以下のような希望を持つ女性がとても多い。
・産休・育休制度を利用しながら働きたい ・子育てや介護などのために時短勤務をしたい ・子どもの送迎や家事などのためフレックス制度を利用したい |
産休・育休の取得率は、絶対に確認しておくべき重要事項である。大手企業だから安心ということではなく、会社の規模に関係なく制度が整っているかを確認しておくべきだ。
過去に産休・育休取得の実績があったとしても、経営悪化などの理由から制度の利用が難しい状況になっているケースもある。とても聞きにくい内容ではあるが、事前に企業側に質問しておこう。
産休・育休だけでなく、時短勤務やフレックス制度などの柔軟な働き方ができるか、そして育休が終了したあとでも子どものために利用できる休暇制度が整っているかもチェックしたい項目だ。
一番大切なことはパートナーと方向性をシェアすること
転職先のタイミングや労働環境を確認することももちろん大切だが、何より一番重要なのは「パートナーと方向性をシェアすること」である。
「仕事が大好きで、結婚後もバリバリ働いて活躍したい!」と意気込んでいたとしても、結婚した後にその考えや気持ちが変化することはよく耳にする話だ。特に、出産や子育てを経験した後に働き方を変えたいと思う方はとても多い。
仕事をしながら家事もこなすことだけでもかなり大変なことなのに、そこに子育てが加わるとその苦労は想像を絶するものである。
食事の準備、寝かしつけや夜泣きの対応など… 保育園に通わせていたとしてもやらなければならないことは多岐に渡る。パートナーと家事や育児を上手に分担したとしても、家庭を支える女性にかかる負担はどうしても大きくなってしまうのだ。
そのため、家事の分担や妊娠や出産後のことも含めて、夫婦で今後のライフスタイルや働き方についてよく話し合いをするべきだ。自分の気持ちを再確認しながら、パートナーの考え方についても理解することができる。
「こんなはずじゃなかったのに…」となる前に、きちんとパートナーと考え方や方向性をシェアしてほしい。そして何か問題が出てきた場合は、その都度解決していくことで大きなトラブルを防いでいけるはずだ。
編集後記
結婚を機に転職をする際のベストなタイミングや、転職する際にチェックしておきたいポイントについてご紹介してきた。
一般的には「結婚前に転職をした方がよい」といわれているが、転職のタイミングは先ほど述べた通り、その人が置かれている環境や考え方によって異なる。
いったん仕事を離れたとしても、その人のやる気や能力次第でスキルアップやキャリアアップをしていくこともできる。家庭の事情で仕事を辞めざるを得ない方も、どうか悲観的にならず前向きに転職に向けての準備をしていってもらいたい。
転職活動をする上で様々な面でサポートをしてくれる「転職エージェント」の存在は必要不可欠だ。
なかでもおすすめなのが、ビズリーチだ。企業や一流ヘッドハンターから直接スカウトが届くとあって多くの方たちが登録しているエージェントなのだ。
そのほかにも、幅広い業種や職種の求人を取り扱うマイナビエージェントや、ハイキャリアな方向けの転職エージェントであるリクルートダイレクトスカウトなども併せて登録することをおすすめしたい。
この記事が転職について悩んでいる女性たちにとって、今後の働き方や生き方について考えるきっかけになってほしいと願っている。