月給20万の手取りはいくら？税金や適正家賃・生活レベルを紹介

「月給20万円は手取りだといくら？」

「月給20万円の生活レベルはきつい？」

月給20万円は、日本の高専・短大卒初任給の平均よりやや安い程度です。新卒正社員として多くの人が初めに貰う収入であるために、手取りや年収だといくらになるのか、具体的にどんな生活なのか気になりますよね。

この記事では、月給20万の手取り額や、税金・保険料がいくら引かれるかについて解説しています。月給20万円の生活レベルも紹介しているので、参考にしてください。

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月給20万円の手取りは約16万円

月給20万円(額面)の手取りは約16万円です。差分の4万円は、健康保険・厚生年金などの社会保険料や、所得税・住民税などの税金で控除されます。

ちなみに、手取りで20万円が欲しい場合は、月給24～25万円ほど必要です。ざっくり手取り額を計算したい場合は、総支給額のおよそ8割(0.8掛け)で求められます。

月給20万円の手取りシミュレーション

参考：国税庁、日本年金機構、全国健康保険協会、厚生労働省
※都道府県・年齢・年収を設定して手取り額を計算できます

手取り額は、総支給額(額面)-控除額で計算できます。総支給額とは基本給に各種手当を足したもの、控除額は主に住民税と所得税、社会保険料を指します。

月給20万円の場合、およそ4万円が控除され、手取りが約16万円になります。

総支給額の内訳

総支給額の内訳
・基本給 ・残業代 ・各種手当(交通費、住宅手当、育児手当 等)

総支給額とは、基本給に加え、残業代や各種手当を合計したものです。手当には、交通費・住宅手当・育児手当・資格手当などが挙げられ、会社が提示する所定条件を満たすと手当を受けられます。

例えば、住宅手当が適用されるエリアに引越すなど、手当を活用すると手取りアップにつながります。ただし、引越しにも敷金礼金や仲介手数料などの初期費用が数十万円かかるため、よく考える必要はあるでしょう。

控除額の内訳

控除額の内訳
・健康保険、厚生年金、雇用保険、介護保険 ・所得税、住民税

控除額の内訳は、健康保険や厚生年金などにかかるお金と、所得税・住民税です。扶養家族がいると、所得税や住民税に対しての控除があるため、手取りは独身に比べ数千円増加します。

▼控除対象の金額や詳細(タップで開閉)

控除対象	詳細
健康保険	【標準報酬月額の9.98%を会社と折半】 20万×9.98％=約10,000円 ・自治体や組合によって変動あり ・加入により医療費の負担額が3割になる ※東京都の保険料率を掲載
厚生年金	【標準報酬月額の18.3%を会社と折半】 20万×18.3％=18,300円 ・国民年金に上乗せされてもらえる年金
雇用保険	【額面の0.6％】 20万×0.6％=1,200円 ・農林水産、清酒製造、建設業は0.7% ・失業時に給付を受けるための保険
介護保険	1,600円/月ほど ・40歳以上の医療保険加入者が支払う ・介護が必要になった際に一時金が給付
所得税	3,200円/月ほど ・所得に応じてかかる税金 ▶所得税の税率｜国税庁
住民税	7,200円/月ほど ・地域によって税率が多少異なる ・前年の収入に対してかかる

参考：国税庁、日本年金機構、全国健康保険協会、厚生労働省

▼所得税の計算方法(タップで開閉)

所得税の計算式
所得税 = 課税される所得金額 × 所得税率 – 控除額 課税される所得金額 = 合計所得 – 所得控除 月給20万円(年収240万円)の場合、基本的に所得税率は5％、控除額は0円。

所得税は、合計所得から、所得控除されたあとの金額のことです。所得控除には様々ありますが、納税者の個人的事情に応じて、所得税負担を調整する制度と認識しておきましょう。

所得控除の大部分を占めるのが、給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除です。月給20万円(年収240万円)の場合、給与所得控除が80万円、基礎控除が48万円、社会保険料控除が35.4万円です。

つまり、課税される所得金額は、240万-(80万+48万+35.4万)=76.6万円となります。よって、上記表から所得税は年間で76.6万円×5％=3.83万円となり、1ヶ月だと3.83万円÷12ヶ月=約3,200円です。

▶所得控除の種類(国税庁)はこちら

▼住民税の計算方法(タップで開閉)

住民税の計算式
住民税 = 均等割 + 所得割 均等割は一律で課される税(地域で異なる) 所得割 = 課税される所得金額 × 住民税率 – 控除額 住民税率はおよそ10％(地域で異なる)

住民税は、上記の計算式で算出できます。課税される所得金額は、所得税の計算で用いる金額+5万円です。月給20万円(年収240万円)の場合、課税される所得金額は81.6万円です。

住民税率は地域で多少異なりますが、およそ10％なので、所得割は81.6万円×10％=8.16万円になります。所得割に対する控除は、ふるさと納税や住宅ローンなどがあれば適用されますが、ここでは無視します。

均等割も地域で異なりますが、仮に年間5,000円として計算します。上記表から、住民税は年間で5,000円+8.16万円=8.66万円となり、1ヶ月だと8.66万円÷12ヶ月=約7,200円です。

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月給20万円は年収だと240万円

月給20万円は、年収では240万＋残業代＋ボーナスになります。残業やボーナスがない場合、単純に12倍した240万円が年収になります。

因みに月収は残業代やボーナスを含んだ年収を12分割したもので、月給は給与や住宅手当など、業績や残業時間によらず、毎月必ずもらえる給与のことです。

月収20万円よりも、月給20万円のほうが、年間を通してボーナス分多くもらっていると考えれば大丈夫です。

手取り年収は196万円

月給20万円の手取り年収は、およそ額面年収に0.8掛けした額になり、残業やボーナスがない場合196万円です。

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月給20万円は多い？少ない？

日本の高専・短大卒平均初任給と同じくらい

学歴	平均初任給
院卒(修士)	26.79万円
大卒	22.85万円
高専・短大卒	20.23万円
高卒	18.12万円

参考：賃金構造基本統計調査(初任給)｜厚生労働省

月給20万円は、日本の平均月給(31.2万円)より少なく、高専・短大卒以上の平均初任給と同じくらいです。1日8時間・月22日勤務とすると、時給換算で約1,136円、東京都の最低賃金を10%弱上回るのみで、正社員としては低いと言えます。

【男女年代別】月給20万円は20代後半以上なら少ない

年齢	男性	女性	全体
～19歳	18.8万円	17.8万円	18.4万円
20～24歳	22.1万円	21.6万円	21.9万円
25～29歳	25.9万円	24.1万円	25.1万円
30～34歳	29.7万円	25.4万円	28.1万円
35～39歳	33.6万円	26.8万円	31.3万円
40～44歳	36.4万円	27.6万円	33.4万円
45～49歳	38.8万円	27.9万円	34.9万円
50～54歳	41.1万円	27.9万円	36.5万円
55～59歳	41.7万円	28.0万円	37.0万円
60～64歳	32.2万円	23.7万円	29.6万円
全年代	34.2万円	25.9万円	31.2万円

出典：令和4年賃金構造基本統計調査｜厚生労働省

月給20万円は、男女ともに10代を除き、平均を下回る月給額です。20代前半では平均的とも言えますが、20代後半以降では男性で特に差が開き始め、50代以降の男性と比較すると半分以下の月給です。

月給20万円の家賃目安は約5～6万円

月給20万円の場合、家賃目安は約5～6万円です。一般的に、家賃は手取りの3分の1が目安と言われています。月給20万は手取りだと16万円ほどなので、家賃は5～6万円ほどとなります。

しかし、5万程度の家賃では23区では1人暮らしでも部屋を見つけるのは難しく、2人以上では郊外でも相場額ギリギリのため、住まい探しには相応の妥協が必要です。

節約や貯金分を減らして家賃に回すか、共働き、昇給・転職して収入上げることなども検討すべきでしょう。

▼地域別の家賃相場(タップで開閉)

エリア	1人暮らし (1K/1DK)	2人暮らし (1LDK/2K/2DK)	3人・4人家族 (2LDK/3K/3DK)
東京23区	7~9万円	9~12万円	10~15万円
東京23区外	5~7万円	7~10万円	8~12万円
首都圏 (神奈川・埼玉・千葉)	5~7万円	6~9万円	7~10万円
主要都市 (大阪・名古屋・福岡)	4~6万円	6~8万円	7~10万円

参考：全国の家賃相場｜SUUMO

月給20万円の生活レベル・家計簿は？

総務省の家計調査の結果を参考に、年収240万円の生活レベルを家族構成ごとに紹介します。扶養者がいる場合、控除で5,000円程手取りが増えますが、ボーナスの無い月の手取り16万円で統一して計算しています。

生活費の内訳4パターン
▼1人暮らし		▼実家暮らし
▼2人暮らし		▼子供有り

【1人暮らし】月給20万は十分生活可能

出費	金額	備考
手取り	–	160,000円
家賃	60,000円	–
水道光熱費	10,000円	–
食費	32,000円	1日約1,000円計算
携帯代含む通信費	5,000円	格安SIM利用
交通費	3,000円	–
趣味含む娯楽費	30,000円	–
雑費	5,000円	–
貯金	15,000円	–

1人暮らしの場合、月給20万は贅沢はできませんが、普段の生活に問題はありません。自炊などで食費を抑えれば、貯金もできますし、貯金分を削って食費や娯楽に充てることも可能です。

【実家暮らし】月給20万は余裕ある生活

出費	金額	備考
手取り	–	160,000円
家賃	30,000円	実家に入れる分
食費	30,000円	外食費など
携帯代含む通信費	2,000円	格安SIM利用
交通費	3,000円	–
趣味含む娯楽費	30,000円	–
雑費	1,000円	–
貯金	64,000円	–

実家暮らしの場合は、月給20万円で余裕のある生活ができます。実家に月3万円入れるとしても、外食や趣味にお金を使いつつ、実家暮らしの目安とされる手取りの40%の貯金が可能です。

食費と娯楽費の比率は自由に変えられますし、貯金分を削れば外食や趣味をより楽しむこともできます。

【2人暮らし】月給20万でも生活は不可能ではない

出費	金額	備考
手取り	–	160,000円
家賃	65,000円	–
水道光熱費	15,000円	–
食費	50,000円	1日1,600円計算
携帯代含む通信費	6,000円	格安SIM利用
交通費	5,000円	–
趣味含む娯楽費	5,000円	–
雑費	7,000円	–
貯金	2,000円	–

2人暮らしの場合、月給20万は節約や娯楽を我慢して、なんとか生活が可能なレベルです。食事は自炊中心で、家も郊外に住まざるを得ません。貯金もほとんどできないため、フルタイムでないとしても、共働きを考えるべきです。

【子供有り】月給20万では足りない

出費	金額	備考
手取り	–	210,000円 (共働き)
家賃	70,000円	–
水道光熱費	18,000円	–
食費	60,000円	1日2,000円計算
携帯代含む通信費	7,000円	格安SIM利用
交通費	8,000円	–
趣味含む娯楽費	5,000円
養育費	10,000円	–
保険代	10,000円	–
雑費	10,000円	–
貯金	12,000円	–

子供ができた場合、月給20万だと大都市近郊での生活はかなり厳しく、パートナーに月5万円稼いでもらう前提で生活費を組んでいます。

しかし手取り21万としても節約は必須で、趣味・娯楽はもちろん、養育費や貯金にも十分な資金を回せません。将来のための貯金を考えると、フルタイムの共働きや収入アップのため転職も視野に入れる必要があります。

月給20万円に近い給与帯の手取り額一覧

月給20万円に近い給与帯を一覧でまとめました。東京都在住、ボーナス無し、扶養家族なしでシミュレーションしてあります。それぞれの年収をタップすると対応する解説記事に移動できます。

	月の手取り
月給16万円	13.0万円
月給17万円	13.7万円
月給18万円	14.4万円
月給19万円	15.2万円
月給20万円	16.0万円
月給21万円	16.7万円
月給22万円	17.6万円
月給23万円	18.2万円
月給24万円	19.1万円
月給25万円	19.7万円
月給26万円	20.6万円
月給27万円	21.3万円
月給28万円	22.2万円
月給29万円	22.8万円

月給20万円の気になるQ&A

貯金はどれくらいできる？

パターン	貯金可能額(目安)
1人暮らし	15,000円
2人暮らし	2,000円
3人家族	0円

月給20万円では、1人暮らしなら手取りの10%ほどを貯金に回しながら、趣味や娯楽にもお金を使えます。しかし、2人暮らしだと貯金できる余裕はほとんどなく、3人家族ではそもそも生活がままなりません。

子育て費用や将来の学費などを考えると、節約だけでなく、フルタイムの共働きや副業、転職などで収入を増やす必要があります。

結婚して家族を養える？

月給20万円では結婚は可能ですが、子供を養っていくには厳しいものがあります。よほど家賃や生活コストの安い地域でなければ、子供を育てていくためには共働きが必須です。

現実的には、2人暮らしでも安定した生活には共働きが必要です。また、子供がいる場合は共働きでもパートやアルバイトでは節約が必要で、貯金も十分にはできません。

昇給の見込みがなければ、将来を考えてフルタイムの共働きや転職・副業などで収入アップを考えるべきです。

車は購入できる？

1人暮らしなら、月給20万円で車の購入は可能です。2～3年間お金を貯めればローンなしでも安い中古車は買えます。

ただし、駐車場代の安い地方などであっても、維持のためには食費や娯楽費のさらなる節約が必要になります。また2人暮らし以上では、購入はできても維持は難しく、共働きでなければ車の購入はできないと考えましょう。

家を買うのは可能？

2人暮らしまでなら、月給20万円でも家を買えます。ボーナス払いなしの毎月6万円の返済でも、35年の借入期間で2,000万円ほどの借入が可能です。

東京都内でも、2,000万円以下で購入できる物件はたくさんあります。エリアを広げたり、立地を少し妥協したりすれば、借入額や期間を減らしローン負担を軽くできるでしょう。

しかし子供がいる場合は、普段の生活自体が月給20万円では成り立たないため、住宅の購入には共働きが必要となります。

参考：住宅ローンシミュレーション｜楽天銀行

収入を増やす方法

1. 昇進昇格で昇給する
2. 副業を行う
3. 起業・フリーランスとして働く
4. 転職する

1.昇進昇格で給与を上げる

月給20万円以上なら、昇進・昇格を狙うのが1番現実的です。ほとんどの会社で月給20万を超える給与は狙えるはずなので、昇給・昇格を目指し職務に励みましょう。

注意点として、給与テーブルや昇給・昇格の基準は確認しておきましょう。日本では給与や昇格基準について曖昧なことも多く、何を達成したら昇格、昇格したら給与はいくら、などを上司に確認・約束すべきです。

また、会社の給与形態が年功序列で、自身の努力で給与を上げられない場合は転職を考えてもいいでしょう。

2.副業を行う

副業も手取りを増やせる手段です。普通のアルバイトだけでなく、クラウドワークスやランサーズなど仕事を得る手段も増えており、ネット社会の現在はECサイトに個人で出品も用意にでき、ブログなどで稼いでる方もいます。

また、現代ではウーバーイーツのように好きな時間に働いたり、YouTuberとして大金を得るチャンスもあります。ただし、時間を削って稼ぐ仕事だと体力的な負担も増え、本質的な収入アップにもなりません。

自身の価値を上げるには、現在の仕事につながる仕事や、フリーランス、起業・転職につながる副業を選んで真面目に取り組む必要があります。

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3.起業する・フリーランスとして働く

起業やフリーランスとして働く方法も、手取りを増やすために考えられます。特に起業は成功すれば大幅な収入アップも望めますが、その分リスクも大きく、時間・体力的な制約で現職と起業の両立は非常に困難です。

また、フリーランスとして稼ぐにも最低限のスキルは求められ、活躍できるスキルがない場合は、スキルアップのための自己投資が必要になります。

起業・フリーランスを考えているのなら、まず副業としてビジネスを始めて、見通しがついてから独立する選択肢を検討しましょう。

4.転職する

転職は手早く、堅実に手取りを増やす方法です。同じ仕事でも、企業規模や業界が異なるだけで、大きく給与体系が異なります。月給20万円からなら、未経験でも収入アップできる可能性が高く、転職は前向きに検討すべきです。

現職で昇給の見込みがあるなら別ですが、見込みがなければ給料が高い企業への転職は、最も現実的な選択肢です。転職を成功させるためには、在職中に転職活動を行い、転職エージェントを活用しましょう。

まとめ

月給20万円の手取りは16万円です。1人暮らしは問題なく可能ですが、2人暮らしでは相当の節約が必要となり、子育てに関しては現実的ではありません。

月給20万円は、日本の大卒初任給より低く、20代後半以降で月給20万なら転職すべきでしょう。転職支援実績が豊富なマイナビエージェントに登録して、転職活動を有利に進めましょう。

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