「総合商社に転職してくる中途採用(経験者採用)組は消去法」コーポレート所属の商社マンインタビュー

※マイナビ、リクルートなど各社のプロモーションを含みます。
※この記事は有料職業紹介(許可番号:13-ユ-314522)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社コレックが制作しています。

前編では総合商社の具体的な給料について公開させていただいた。後編では総合商社の出世、女性のキャリア、仕事内容について引き続き現役の財閥系総合商社マンに語っていただいた。

総合商社のキャリアについて興味ある方は引き続きご覧いただきたい。

なお、総合商社の中途採用(経験者採用)数は、10年ほど前と比較すると格段に増えた。今回は最新の情報も含めて記載してあるので、ぜひ参考にしてほしい。

あなたにも転職のチャンスはある。ぜひ、積極的にチャレンジしてほしい。

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キャリハイ@編集部
「史上最高のキャリア」を目指す方に役立つ情報提供を目指しています。外資系、メーカー、金融、メガベンチャー、スタートアップなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーが参画しています。

商社転職事情まとめ

今回まとめているインタビューは、2017年に行ったものだ。中の人のリアルな声なのでいまだ有用性は高いが、商社の転職事情はこの5年間で変化も多いので、冒頭で触れておきたいと思う。

商社への転職難易度

商社への中途転職(経験者採用)組はどんどん増えている。商社への転職支援に強いエージェントも出てきており、企業側もエージェントに頼りながら採用を強化しているのが伺える。

伊藤忠商事をはじめ、古い体質を変えようとする試みも多い。

伊藤忠商事では、産業界に先駆けて「朝型勤務」や毎週水・金曜日にカジュアルな服装を推奨する「脱スーツ・デー」の導入を行なっている。

社内からの反発を跳ね返してでも「働き方改革」を進める姿勢は、外から新しい風を入れようとする意欲の表れかもしれない。

ちなみに、今後も商社への転職人数は増えていくと言われている。

現状は通年でも10数名にとどまっているが、今後はより従来の商社のカラーとは異なる新しい風を求められている印象なので、異業界からの転職難易度が落ちていくだろう。

余談だが、筆者の後輩が三井物産の中途採用セミナーに参加した時、日本テレビのアナウンサーから転身された長谷川憲司氏(馬場典子アナウンサーの同期の方である)が登壇して驚いたそうだ。

商社とはまったく違う業界出身でも、ある道を極めた人材は大歓迎、という意気込みを感じさせるエピソードだ。

コロナによる採用活動の停滞

2020年のコロナ影響により、採用を停止・縮小する企業が増えている。商社も同様に、一部ポジションの募集が停止される例も増えてきている。

コロナ前までは徐々に中途採用を増やす流れであったが、この動きは一時的に停滞している状態になっている

配属は運

配属先は、その時の企業事情と求職者のタイプによってまちまちである。新卒で入社するのと同様に、ある程度賭けになってしまうことを覚悟しておこう。

ちなみに、もし前職で特定のカンパニーと関わりの深い事業を経験していたのであれば、その部署への配属可能性が高まる。自分の経歴を踏まえて、配属先の候補を考えておこう。

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転職してみると、予想以上に体育会だった総合商社の世界

–総合商社に入ってみてギャップはありましたか?
予想以上に体育会系でした。有無を言わさず何も考えずにやれと言われてやらなきゃいけないことがあります。

そしてその体育会の人が年次が近い人に複数いてつらかったですね。部署が体育会だらけのときがありました。

大学時代にその道のスポーツでトップクラスの成績を出している人がいたのでなおさらでした。

新人の際に指示されている内容に納得感がなかったけどとにかくやらなきゃいけないのでつらかったですね。

体育会にいないとあのような状況はのりきれないと思います。今思えば彼らも年間目標などで新人指導とかを上から求められていたからだと思います。

新人の頃は仕事を干される可能性を考えて反論できなかったですね。

–飲み会も非常にあったのですか?

いえ、飲み会はあまりなかったですよ。飲み会好きな人が来てからは増えましたが強制参加のものはなかったので。

–飲み会の頻度はどれくらいですか?
週0~2回の間です。月にほとんどないときも多いです。また飲み会はあってもできるだけ行かないようにしていました。

–飲み会を行かないようにすることはできるのですか?飲み二ケーションは商社においては必要なイメージがあります。
営業の人に誘われるとかならずいっています。

営業から情報をとらないといけない仕事にあるので相手の心を開くためには飲むことも必要です。営業の人と飲むと朝4時とかまで飲んで次の日また8時から出社することもありました。

年に数回でしたが、激しかった次の日みんな目が真っ赤でポカリスエット飲んでいたのは笑えました。

–他にギャップはありましたか?
そうですね、detailをとても重視するところでしょうか。承認に必要な書類等、細かいルールが予想以上に多かったですね。

承認をとるのにつけるべき書類がこれ必要なのか?というものまで含んでいて、細かいルールを確認し覚えるのに手間をとられました。また承認をとるにあたっても見られる点が上司によって違うため統一されないんです。

統一されていないためどのようにしたら承認がとれるかという解がありません。その上司によってベストな解がどこにあるのかを毎回さぐる必要があります。

総合商社の一般職は1人で海外出張をする人もいる

–他にはありますか?

外交的な人が多かったですね。コミュニケーション能力がはるかに高く面白い人も多いです。面接官を大爆笑させているような人が同じ面接の時にいて、「こいつは受かるな」と思わせられました。

あと、一般職の未婚率が高くてびっくりしました。社内のコミュニティに慣れすぎると水準が高くなって男性への要求水準があがるのではないでしょうか。

面白くて給料もあって、見た目もいいとなると商社以外のコミュニティで同じ条件の人を探すのは大変ですね。

かといって、社内で結婚している人は昔に比べると少ないです。

私の部署でも30歳以上で結婚してない人が7割以上います。もちろん結婚して退社しているというのもありますが。

かつては一般職を100人以上とっていた時期もあったそうですが今は採用も少数になりましたし方針も違いますね。

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一般職の社員で1人で海外出張をする人も

–一般職の人は優秀でしょうか?
恐らく一般職は入社時は優秀だったと思いますが、成長をするための仕事をしているわけではないので能力が大きく伸びてはいないと思います。2昔の世代の一般職はそうでもありませんが、今の世代の一般職は当たり前のように英語ができますし。

ただ、一般職の中にはめちゃくちゃ仕事ができる人がいるんです。

例えば一人でまとまった期間海外出張している人が一般職でいます。しかもPMI(Post Merger Integration)の一環として社内システム要件をやっている方がいて驚きました。

–一般職から総合職になることはあるのでしょうか?

今、述べたような人は総合職になることができますがその方はあえてなっていないとのことでした。

過去に一般職から総合職に転向している人が出ていたようですが、そういった人たちは仕事面でも、プライベート面でもうまくいかなかったようです。

途中から総合職になると最初の下積みを飛ばしているのでよくないという考えをされていました。

最初1,2,3年目のうちは商社の流儀を学び、上から指導を受ける時期なので一般職は総合職に比べ負荷をかけられないため経験すべきものをすっとばして必要な忍耐力が身につかないとのことでした。

いざ総合職になってもふんばるべきところで踏ん張れないという話をしていました。

–3年で辞める人ってどれくらいいるのでしょうか?

1割もいない程度でしょうか。私の同期間ではほとんど聞きませんね。ベンチャーやコンサルに転職する人がたまにいるといった感じです。

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優秀だから出世するわけではない総合商社の出世事情

–商社で出世している人はどんな人ですか?

仕事ができる人が出世しているかというとそうではない印象です。プレイヤーとして優秀な人はなっていないのではないのでしょうか。

プレイヤーとして優秀な人というのは多少強引なことをしてでも結果を出そうとしている人が少なからずいます。

現代はコンプライアンスが厳しくなったため、従来の手法で部下をマネジメントして結果を出していた人はコンプライアンス問題で失脚することがあります。

あからさまなパワハラはかつては許されていたようですが、今はまったくそんなことはありません。

結果、出世する要素は運しかないと役員になっていた人がおっしゃっていました。要所要所でがんばっていたからこいつだったら、ポジションをあげてもがんばってくれると思われて引き上げてくれるようです。

実際出世している人の中にも、一時期、窓際にいた人もいます。

評価をしてくれなくて、窓際に送った側の人が、社内でたまたまポジションをうしなったときに変わりに窓際の人がたまたま呼ばれて出世したという事例があります。

目の前のことはもちろんがんばって出世しないといけないですが、出世するためには運が大事なのかもしれません。

出世できるかどうかも10年働いて15年目くらいの管理職への昇進のときにはじめてわかるので5年働いた程度ではまだ見えていないというのが本音です。

筆者注:多くの会社では厳然たる「出世ルート」が存在しており、そこから外れると、リカバリーして出世することはたやすいことではない。それが、実力のみならず政治的事情や運で決まることもあるから難しいところだ。

総合商社への転職を考える際に最も不安になるのが出世に関してではないだろうか。日系の古き良き体制が強い業界なので、どうしても実力以外の部分で評価されてしまうことも多い。

入社前にどうしても不安が拭えないという方は、ビズリーチに登録している転職エージェントや、マイナビエージェントのキャリアコンサルタントに相談することをおすすめする。

彼らは、各社の内情や「出世ルート」に詳しい。自分が「出世ルート」に乗っているかは、彼らに相談することで、客観的な意見をもらうことができるだろう。

ちなみにコンサル出身者のキャリアはアクシスコンサルティングが詳しい。自分の特性に合わせて相談してみると良い。

総合商社の出世に学歴や試験はほぼ影響しない?

–商社では学歴や筆記試験が重要視されるのでしょうか?

役員でないので分かりませんが、学歴は見てないと思います。また実施されるペーパー試験もあまり関係ないと思います。

実際社内に入って、仕事をしていて学歴の話がでることはほとんどありません。
ライン(出世コース)にのれなかった人が学歴の話をしている印象はあります。

–出世の差がついていくのは何年目からついていく?

先に述べたように管理職ではじめて差がつくので、15年目になります。
15年目になるまでわかりませんが、その前にどの部署にいたかでなんとなくわかるという程度でしょうか。

今15年目と言いましたが年齢は関係なくなってきています。
会社としても若返りしようという意図があるので今後はあり方も変わってくるのかもしれません。

社内留学でMBAに行くことは出世コースとは限らない

–社費でMBAを取得しに行く人が商社は多いイメージです。MBAをとると出世に有利なのでしょうか?

この点に関しても私は役員でないのではっきりしたことはわかりませんがMBAホルダーかどうかは関係ないと思います。

たまたま社費でMBAにいき役員になった人はいますが、それはMBAをとったからといって出世したわけではなさそうでした。

社長もMBAホルダーは過去いなさそうでしたし。

また、MBAホルダーを今後社長にする気配はあまりなさそうです。私が働いている会社では稼いだ人を大事にするカルチャーがあります。

どちらかというとMBA卒はアカデミック路線なので会社としてリーダーに向いているタイプではないと考えているのではないでしょうか。

MBAホルダーが社長など要職に就くと一気に会社の空気を変えてしまう可能性もありますしね。

MBAホルダーが出世できない理由として社内でのキャリアがリセットされる点にもあります。MBAに一度行くと、部署が変わります。

部署が変わると今までの評価がある種リセットされ、人脈もなくなるため自分を押し上げてくれる人がいなくなりまたゼロからの出発になるのです。

商社での出世は、個人の実力以上に人間関係が一番左右するので、MBAホルダーであるかどうかはそこまでプラスになるわけではないようです。

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商社のMBA留学は最速8年目から

–MBAはいつから社費留学で行けるのですか?

今は8年目くらいから行くことができます。しかし実際はもう少し年次が上の人が行っているイメージです。留学先はアイビーリーグやヨーロッパのトップMBAですね。

–応募は激戦なのでしょうか?

現在は毎年3~4人程度社費でMBAに留学しています。応募はその5倍から7倍程度あるようです。試験で点数を出さないと出願すらできないので行こうと思ったらそれなりに覚悟しないといけないです。

MBA取得して辞める人が過去にいたのでMBAを積極的に送り出そうという雰囲気はあまり感じられません。

場所を選ばなければ、総合商社での海外勤務は誰でも可能

–MBAは留学ですが、商社の海外というといわゆる海外駐在を想像します。海外駐在の制度はどうなっているのでしょうか?

語学研修、実務研修で若手だと9年目までだったら2年目以降に誰でも応募できます。特に言語と地域選ばなければという条件はつきますが。

海外の関連会社出向は部署によります。2,3年目でも行ける部署はあります。

部の方針なのでどのように若手を育成していくかはそれぞれで変わってきます。

海外に行くにしてもその部署が何の資産をもっているかによります。若手でもできる仕事でないといけないですね。

例えばCFOで海外に行くには中堅でないといけないです。早くても30~35歳の人が4~5年いくイメージです。特殊言語が使える研修を経た後だとそういった地域に行くチャンスも得られます。

–中堅や若手の定義はどのようになっているのでしょうか?

そうですね、中堅は9年目~15年目程度で、若手は7,8年目までを指すのでしょうか。

–部署を変えることはできるんですか?

研修で行くと部署を変えるパターンがあるのでそういった場合は部署が変わります。
社内公募によってもありえます。

この年次の人でこういったスキルが欲しいと社内で募集が来ます。そこに応募して採用されると部署異動ということになります。

伊藤忠商事だと部署異動はあまり聞かないので会社によるかもしれないので十分に聞いておくといいでしょう。

筆者注:会社によって配属に関する考え方はかなり異なるので注意が必要だ。伊藤忠商事は部署異動が少ない。三井物産は元々部署異動は少なかったが、少しずつ多くなってきている。三井物産では、元々いた部署を「背番号」と呼称し、異動しても「背番号」はそのままということもある。だから、異動したらしがらみがゼロになるわけではない。こういった各社の内情を知りたい方は転職エージェントに相談してみよう。

各社の内情調査のために、まずはビズリーチに登録しておこう。総合商社を含む大手企業の情報に詳しいヘッドハンターが多数在籍しており、有力な情報を得られる可能性が高い。

企業から直接スカウトがもらえることもあるので、ぜひ登録しておきたい転職サービスだ。

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商社で出世する優秀な人は仕事に向かっている人

–優秀だなと思う人はどんな人ですか?

年次に関係なく、仕事に向かっている人です。仕事に向かうの対義語として人に向かう人がいます。ごますりをして、社内政治の風読む人がいるわけです。

ただ、さっき述べたように仕事めっちゃやっていた人が出世しているわけではないです。成果を出していなくても出世している人はいるんですね。

–もう少し具体的にお伺いしたいです。

出世の話はおいて、優秀だなと思う人は、さらに深堀すると全体感をもっている人ですね。

例えばシステム改修、稟議プロセス等やや大きめな影響のある事象を考えるときに部分最適で考えるとうまくいきません。

継続して組織の仕組みとして機能するときに背景を想像できないといけません。背景まで含め全体最適で仕事をできる人は優秀だと思います。

実力と人間関係、要はどちらも総合商社では評価されますが、前者が抜きん出ている方が、より高い評価は得られます。

経営企画・IR・人事は出世コース

–先ほど投資の話がありましたが、いわゆるベンチャーであるようなゼロイチの仕事はなかなかかできなさそうですが?

そうですね。そしてそういったことができる人材を求めていないです。

ゼロから無理でいいから、大きくなるビジネスの種をひっぱってこいというのはありますが、ゼロからというのはあまりないイメージですね。

もちろん、多少なりとも過去に比べてゼロイチの要素が求められるようにはなりましたが、本当に求められているのかというと個人的には懐疑的です。

劇的にゼロイチ人材を増やすには人事の偉い人が改革しないといけません。

–人事の話が出ましたが人事は出世コースなのですか?

経営企画、IR、人事は出世コースの1つになっている気がします。他には営業部署ごとの企画など横ぐしの役割を求められる部署もそんな気がします。

新卒で人事に行く人がいますが、新卒人事というのは出世コースだからといっていくのではありません。顔が良くて体格がいい、ザ・商社みたいな人が配属されています。広告塔の役割もあるのではないでしょうか。

夜中に呼び出される営業の仕事は女性には厳しい

–総合商社でも総合職として女性を採用しはじめていると聞きます。女性の活躍はどう思いますか?

営業部門では女性の活躍は難しいと思います。営業は負荷がかかりやすい仕事が多く、肉体的にも精神的にも女性には難しい場面が多すぎる気がします。

夜中に鉄鋼会社から呼び出されて家から行くような仕事をさせるのは酷ですよね。

また、昼から白酒を飲む仕事も厳しいと思います。

もちろん営業にも種類はありますし、営業の仕事はこれというのは決まっているわけではないのですが、そういった不確実性の中でキャリアを築くのはなかなか難しいと思います。

そんな中コーポレート、ミドルの部門では働いている女性は比較的います。

女性は働きづらそうな総合商社

–実際女性で活躍し昇進している人はいるのでしょか?

課長クラスに女性が昇進しているが、活躍という観点でいうと営業で高い成果をあげた女性の話はまだまだ聞いたことがないです。

女性で活躍するには法務経理等の知識が要求される仕事がいいと思います。営業は体張れる等が大事なときもあるので知識勝負の仕事がいいでしょう。

ただ、女性でめちゃめちゃ数字強い頭の切れる人が商社に入っているかというとそうではないですね。

女性は本当に働きづらそうではあります。

繰り返しになりますが、男性でも夜中にお客さんのところに呼び出されるのは大変そうなのに女性だとなおさらだと思いますよ。

女性は結婚した場合に出産、育児の中でキャリアを一時的に中断する必要があります。

社内では理解のある上司もどんどん増えていますが、休職してキャリアを断絶しても、戻ってきて活躍するのが営業部だと難しい印象があります。

逆にコーポレートなど知識に依存する仕事の方がいいのではないでしょうか。個人的には業界初のプロパー女性役員はコーポレート部門から出るとおもっています。

営業はお客さんがかわると関係性の構築をゼロからしないといけないのと営業で培った経験を抽象化して使える力が少ないイメージです。

–周り若手を見ていて思うことはありますか?

3,4年目くらいになりはじめると自社というか自分の仕事に誇りをもちやすくなる。部署のなかで思い入れをもつようになると思い入れが強すぎて自分の仕事の範囲しか見えなくなってきます。

そこそこ仕事も任され、自信もついたからこそ、自分の周りの仕事以外を賞賛をできない人が増えてきている印象です。

やっていることが同期間で違いすぎますし、だからこそ見えるものが違います。配属によって全然違う経験をするのが商社でしょう。

筆者注:各社とも女性活躍を推進しており、その現状は変わってくるだろう。また、若手の配属や教育に関しても、部署の状況や個人の意向を踏まえてより柔軟な対応をする会社が増えてきている印象だ。このあたりの各社の考え方は、それこそ1年単位で大きく変容している。最新の情報を把握するには、転職エージェントに相談するのが良い。

今、女性で総合商社への転職を検討している人は、早めにプロのエージェントに相談することをおすすめする。

当初は総合商社への憧れから、いかようにも上手く頑張っていけると感じてしまうだろうが、いざ商社の世界に入ると、体力的についてこないことも増えてくる。

事前に情報を把握しておいて、その上で総合商社に転職するかどうかを決断してほしい。

具体的には、ビズリーチに登録するか、マイナビエージェントに登録してキャリアコンサルタントの面談に参加するのがおすすめである。

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後輩は優秀だけど、仕事が楽しそうとは感じない

–最近の新入社員はいかがでしょうか?

優秀だと思います。現在は女性の若手と働いていますが、責任感も強く細かいところも見ていて優秀だなと実感します。ただ仕事をしている様子を見ていて、あくまで私の感想ですが楽しそうではないですね。

コーポレート寄りの仕事で、かつ若手ですからやはり雑務が多いですから楽しめる仕事ではないです。楽しめないときついと思います。かくいう私も雑務を楽しめているわけではありませんが。

–優秀でない人はいますか?

優秀でないかどうかという答えになっているか分かりませんが、何も機能を果たしていない人がいます。

組織の構造がおかしくて中間管理職が厚くなって若手が少なくなっている部署があります。こういった組織は無駄が多く、上を説得するのに時間がかかります。

若手は説得の準備はかかりますが、ミドル層は口出すだけで手は動かさないし、人数が多い分必要以上の口出しがきて、あまり役立っているようには感じません。

もしかしたら優秀なのかもしれませんが組織上役割を果たしていません。

後は、興味を持たなくなる人はダメだと思います。色々なことに興味を示さなくなり、自分や家族のことだけ考えて生きている人は優秀ではないと思います。

彼らもどこかがんばらざるをえない環境に放り出されればがんばり、成果を出すのかもしれませんが。

総合商社に中途がどんどん転職している

–最近は中途採用を総合商社も積極的にしていますよね。現場から見てどうですか。

確かに、近年、中途組がどんどん入社してきています。監査法人にいた公認会計士、GS、モルスタ等のIBD出身者やトヨタといった大手企業から転職してきています。

採用を本格的にはじめて確かまだ数年ですよね。だから、まだ大きな成果を出したという話は聞きません。

私は外銀出身者と働きましたが、年次はうえですがとてもfairに接してくるので好感をもちました。大手企業から来ている方も優秀でしたね。

ただ、明確にやりたいことがあってきている印象は中途組からは受けなかったです。総合商社というのは消去法で選んでいるのではないかとも感じました。

–中途採用を今後も継続していくべきでしょうか?

今後もしていくべきだと思います。個人的には出戻りをもっと増やしていいのではないかと思います。

やっぱり社内のお作法が分かっていて、一回他社で修行をして仕事に意思がある人を採用すべきです。そうなると一度働いて転職した人を呼び戻すのがいいですね。

–実際で戻りはあるのですか?

そうですね、出戻りが許されるようになってきました。ですがもっと門戸を開いてもいいのではと思います。
昔は、商社を辞める人は裏切り者と見なされていましたが現在は風当たりも変わってきました。

筆者注
過去、商社では新卒採用でほとんどの人材を確保しており、中途採用は一部のプロフェッショナル職の採用に限られていた。また、中途採用した社員が昇進する事例もまれであった。
しかし、状況は変わった。中途採用で優秀な人材が商社に入社し活躍したことによって、中途採用組も大切にすべきだ、という風潮が広まったことが大きい。
また、ほとんど退職がなかった大手総合商社でも、若手を中心に退職者が目立つようになってきた。それを補充する意味合いも大きい。

総合商社の先輩は、年齢に関係なく転職先を探している

–社内のお作法とは具体的に何なんでしょうか?

そもそも社内のお作法が必要な部署とそうでない部署があります。営業部で伝統的な産業担当だと必要ですね。

頭でなく体で理解しないといけないことです。

そういったことを中途の人が吸収するのは難しいと思います。具体的な例としては、お客さんへの接し方が必要以上にへりくだって接する独特のコミュニケーション方法とかですね。

鉄鋼関連の部署はこのようなお客さんに外から見ると変わった接し方をしています。中途で入社して現場とかかわるのは想像以上に精神的にきついでしょう。

総合商社の先輩は、年齢に関係なく転職している

–先輩は転職しているのでしょうか?

ベンチャーに行く人もいれば、MBAをはさんだりはさまなかったりして外銀やコンサルへの転職でしょうか。メーカーはあまりいないです。

–年齢は若い人が多いですか?

関係ないです。30歳中盤でも、40歳でも転職する人はいます。外資系企業から50代で引き抜かれている人もいました。

上の年代の転職の方が業界構造がわかっている方で社内での仕事に飽きた方が転職しているようで面白そうに感じました。

出世できなくなったとはいえ、積極的にキャリアをアップしようとしている人にはエネルギーを感じます。

総合商社から転職するために、まずはサイトに登録している

–ご自身は転職活動をしているのでしょうか?

転職活動は少ししています。投資と経営をしたくて総合商社に入りましたが今は直接的にかかわるわけではない仕事をしています。

そのため他の業界も検討しているのでビズリーチをはじめ転職サイトには登録しました。積極的に転職に動いているというよりどんな可能性があるか見ている感じです。

友人経由で転職を検討している業界の方を紹介していただくこともありました。

MBA受験も検討していますがMBAに行くとコースから外れるため人脈形成や実績の積み上げをゼロからしないといけません。

–最後に総合商社を志望している方、新卒、中途それぞれにメッセージをいただけますか?

<新卒志望者向け>
新卒採用では他の学生とどのように異なるのか、なぜこの業界でこの会社を志望しているか説明できるようにできると採用する側がとりやすい気がします。

面接官が上司や人事に説明するのを手伝ってあげるべく、論理的な納得感に加えて商社の中の人の共感を得られるように整理するといい気がします。

その際に、自分で腹落ちしないものであれば言動に出ますし、入社後もつらいときに乗り切れない気がします。

<中途向け>
採用に際して、明確に希望の部署を述べた方がいいと思います。過去に会計士や金融機関を経由して、こてこての船舶営業に中途採用され精神を壊した人を知っています。希望と適性を伝えましょう。

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編集後記:総合商社に強い転職エージェントを使おう

さて2回にわたって総合商社に関するインタビューをお届けした。 転職事情、MBA留学に行ける年次、女性の働きやすさ、総合商社に転職してくる人と様々なトピックを扱った。

総合商社の方にここまで赤裸々に語っていただき大変感謝している。総合商社への転職については転職サイトに登録すると応募のタイミングを知らせてくれるのでぜひ使ってほしい。

とある総合商社は面接から内定出しを新卒以上に短期間で行っているためタイミングを逃してはいけないので転職サイト経由で情報を必ずつかもう。

総合商社の中途採用数は、10年ほど前と比較すると格段に増えた。あなたにもチャンスはある。ぜひ、積極的にチャレンジしてほしい。

具体名を書けないのだがビズリーチに財閥系総合商社に強い転職エージェントがおり、スカウトがとんでくるので商社志望の人はぜひ登録してほしい。

転職エージェントを使わないで中途採用をする総合商社もあるのだが、つきあいのある転職エージェントが情報だけは教えてくれるのでビズリーチ経由で会ってみよう。

求人サイトは手軽に登録できるので、まずは手軽に情報を集めたいという方も、本格的にコネクションを作りに行きたいという方も向いているだろう。

なお、コンサルから商社に転職したい方は、アクシスコンサルティングに登録してキャリアアドバイザーの面談を受けてほしい。コンサルからの転職の支援実績ではNo.1だ。

それ以外の業界の方は転職サポートが手厚いマイナビエージェントに相談してみよう。幅広い知識を持っているので、まだ転職先に検討がついていない人にとって、良い相談相手となるはずだ。

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