「7年目に調査役で年収1,000万円を超える」三菱UFJ銀行の元行員が語る内情3

7年目に調査役で年収1000万円を超える

※マイナビ、リクルートなど各社のプロモーションを含みます。
※この記事は有料職業紹介(許可番号:13-ユ-314522)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社コレックが制作しています。

2回にわたってお届けした三菱UFJ銀行の元行員へのインタビューの最終回だ。

今回はBTMUの今後を含め、投資銀行への転職方法、そして最後にメッセージをいただいた。現役の銀行員にはぜひ読んでいただきたいと思う。

第2回はこちらだ。

尚、銀行員は転職の際にビズリーチを利用したい。銀行員で登録している人も多く、エージェントの相談が的確でスカウトメールも受け取ることができるので他エージェントを併用する場合でもベースとして使うと良い。

銀行員だと、周りで転職活動している人が少ない分、なかなか情報を集めづらいと思うので、ぜひ転職サービスをフル活用してほしい。

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キャリハイプロフィール
キャリハイ@編集部
「史上最高のキャリア」を目指す方に役立つ情報提供を目指しています。外資系、メーカー、金融、メガベンチャー、スタートアップなど、様々なバックグラウンドを有するメンバーが参画しています。

ファイナンスの知識と契約書に携わる経験が活きた

–メガバンクで働いていて良かったと思うことは何でしょうか?

ファイナンスの土地勘(注:該当領域の知識)があることですね。あとは契約書をいじる仕事に携わっていたので、契約書のことがわかることですね。

契約書関連の仕事って多いので。

ただし、投資銀行の若手はエクセルとパワポばかりですが、そういった仕事は三菱銀行ではやっていなかったので1からとは言わないまでも2からやりはじめましたよ。自分で学んでキャッチアップしました。

転職当初は契約書、ファイナンスのことでなんとかバリューをだしM&Aの実務は後から学びました。

–投資銀行への転職はどのように進めたらよいでしょうか?

序列順に全部受けることと、早く転職活動をしたほうがいいということです。外銀も外コンも未経験なら特に早くいったほうが採用確率が高いです。

ただし社会人に一度なっていることはアドバンテージでして、学生として接されることはなくあくまで他社の社員として接してくれるので、対等までとはいかないまでも同じ目線で接することができます。

一方的に採用してくださいとお願いする学生のときとはことなり、心の持ちようとしても楽。

また、私のように日本の大企業で社会の基礎をやってきてくれたことを市場では評価してくれる。

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日本の会社は「若手」の期間が長すぎる。転職のタイミングの問題が難しい

–転職のタイミングは難しいですが、どのように考えていましたか?

日本の会社の場合、「若手」の期間が長いですよね。まず最初の1年は研修があって、外資系に比べると研修期間が長いです。

じゃあ1年終わったところで転職しようとするとようやく業務に入ったところだからもったいないしもっと働こう。そうこうしているうちに3年たつと、転勤になるからもう少し働こうとなってタイミングを逃します。

あっというまに20代後半になりますね。その時に日系金融機関から外資系投資銀行にアナ1のポジションで転職するのかと問われるとちょっと微妙ですよね。

もちろん外資系のアナ1でも給料がいいのは確かですが、6学年下の奴と一緒に働くことは精神衛生上いいのかということを考えてしまいます。つまり給料が高いのがすべてではないと思います。

1社目を出るのは躊躇すると思うんですよ。だからこそ転職活動は早めにするべきである。ちょっとでも、将来会社を出ていく選択肢があるならとりあえず転職活動はすべきです。

転職サイトに登録して転職エージェントに会っておいて損はありません。

私は金融に全く強くないといわれている転職エージェントにも登録しましたし。

ああ、この会社のキャリアコンサルタントは投資銀行のこと何も知らねえなとか思ったりしたんですが、それも行動しないとわからないです。

転職はひとつの転職エージェントに登録するだけで全部できるわけではないので多くの機会に触れてチャンスを伺いましょう。

転職活動は、しっかりと深めていかなければいけないです。4年目に転職したいからといって4年目になってからやっては遅いんですよ。

–転職エージェントとは何人会いましたか?

30人くらいでしょうか。ビズリーチ経由で会うことが多かったですね。また、大手であるマイナビエージェントは自分から応募して会いました。

私の場合、経歴も特殊で要望も色々あったので大手ではなかなか希望に添えないことが多かったです。

海外の案件を探すときはビズリーチ経由の個人エージェントかLinkedInで登録しているエージェントから連絡をとるのが有効でした。

ビズリーチだと、接点を持てるエージェントの数が多く、かつエージェントにも評価があるので、自分に役立つエージェントをとても見つけやすかったです。

ちなみに、ロバートウォルターズにも会いましたが、転職エージェントによってのレベル差があったので継続的に使うのは辞めました。

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7年目に調査役で年収1,000万円を超えるメガバンク

–結局メガバンクの同期は退職はどれくらいなのでしょうか?

3年で2割くらいが辞めてるんじゃないでしょうか。3年3割よりは少ないですよ。

実は、7年目のタイミングで大きな退職の波がきます。7年目でいわゆる調査役と呼ばれる1000万円プレイヤーになるかならないかの境目があり、そこで出世の最初のふるいがあります。

7年目になるまでは同期間では年収に関して50万円も差がつくことはありません。しかし、調査役になれるかなれないかで、200~300万円程度の年収差になります。

それでも出世できない人でも一般企業からすると高い給料かもしれませんが。

6年経った時点で、残っている行員が400人だとすると200人程度が調査役に昇進するイメージです。

出世の差がつくまでは仕事が多少嫌でも一生懸命やっていますが、出世できない、あいつのほうがポジション高くなるとわかると一気に不満が爆発し辞めていくという構造ですよ。

現在は毎年10月に昇進するのですが、4月の時点でわかるので一気に転職サイトに登録がはじまります。8月は転職活動の佳境ですね。

–転職する人はどこに行くのですか?

受け皿はコンサルで、アクセンチュアとBig4ですよ。

30歳前後の銀行員の転職活動はこのパターンが多いです。

転職者のうち、アクセンチュア、PwC,EY,DTCで7割くらいを占めているんじゃないでしょうか。ただの肌感ですが。

英語ができるやつは一部外資系投資銀行に行きます。ただ、銀行員は元々、外銀志望の人よりはコンサル気質の人が多いですね。

銀行と証券は全くカルチャーが違うのでそもそも学生の時点でも転職のときも応募してない人も多いくらいですよ。

銀行を志望している人は会社の課題に対して論を打つというのが好きな人なのでコンサルと迷うという人が多いです。

だからといってマッキンゼーにはなかなか受からないのでBig4に転職します。たまにマッキンゼーに転職する人もいますが一握りの優秀な人ですね。

変わっている人だと、学校の先生になる人もいました。事業会社に行く人は少ないですが、ベンチャーには元々興味があっていく人は相応数いました。

–また新卒やり直すとしたらメガバンク入りますか?

メガバンクには入らないですね。

–現在メガバンクに残っている人はどうしたらいいでしょうか?

がんばってフィンテック業務を個人で研究して認めてもらってそっちの部署に行くかしたほうがいいですね。普通の融資業務は個人的にはオススメしません。

–融資をしないと出世できないのでは?

融資業務は最初の2か店でどうせしているので、そのあとは融資から離れるべきです。

営業本部も営業をやっているのは半分だけで、残り半分の人は別のことをしています。

そもそも大企業の話し方をできることが重要です。具体的には地方のおじいちゃん経営者と仲良くする能力と、大企業とやりあう能力は別物です。

東京においては特定のプロダクトに詳しいとかの方が価値があります。ただ、究極的には仕事をひっぱってこれる能力が一番大事であるということには触れておきます。

–フィンテックに興味はやはりあるのでしょうか?

そもそも大きくなれるベンチャーは金融をやっているところだと思っています。楽天しかり、SBI証券などが代表的でしょう。DeNAやGREEだって金融事業ではありませんが投資をするCVCの側面もありますね。

フィンテックの領域にチャンスを感じたら積極的に投資すべきだと思っています。ブロックチェーンをはじめ要素技術の変革期だから今がいいタイミングでしょう。

ですからメガバンクの人たちも飛び込んでいくときだと思っています。

コンサル業界って金融業界のお客さんというと保険会社と中堅証券と地方銀行だったわけです。

大手証券やメガバンクは自分たちで経営企画をもっているし、自分たちが一番頭がいいと思っていたのでコンサルを雇うのは意味がないと思っていました。

しかし、このフィンテックの流れの中でフィンテックに対応しないとやばいと感じるようになってきています。よって、メガバンクからコンサルに仕事がふっていくようになってきました。

銀行の非効率な社内システムの構築をアクセンチュア等が受注するようになりました。アクセンチュアは上流のコンサルもできてシステムもできるので強みがあります。

アクセンチュアは社員8000人のうち6000人程度がITができると言われているので非常に強いですよね。

アクセンチュアは金融機関のコンサルをするようになったため銀行マンがアクセンチュアにすぐ転職できるようになってきました。

また、金融機関全体の経営にもコンサル会社をいれるようになり、BCGやマッキンゼーにM&Aや経営戦略のためにフィーを払っています。

–三菱UFJ銀行は時代の波に追いつけているのでしょうか?

少子高齢化とフィンテックは2つのキーワードですね。少子高齢化なので普通にやってたら右肩下がりで肝心な融資業務も伸びません。

さらにフィンテックによって融資業務を奪われます。

この状況は現在、変革しつつあります。平野信行氏(現:三菱UFJ銀行(BTMU)代表取締役会長)が頭取になってから変革を起こし始めました。

コンサルを使ってでもいいから、時代の波にのるべくなんでもやれと指示を出すようになったのです。元々国際畑でもあったため先見の明があり、官僚組織の銀行にあって変革を起こせる存在でした。

モルガン・スタンレーのジェームス・ゴーマン最高経営責任者(CEO)とも旧知の仲でありました。

後任の頭取だった三菱銀行出身の小山田氏は就任1年で辞めました。小山田氏は東大法学部を卒業し、日本国内の主要支店や企画畑を歴任。

しかし、海外経験がなく、グローバルバンクのトップの重責を果たせるか不安視されていましたが、結局1年で辞めることになったわけです。

ちなみに若手からは平野氏への支持は厚いですね。モルガンスタンレーのゴーマンCEOとも昔から知り合いだったと言われていますし。

–三菱UFJ銀行として何かフィンテックへの取り組みはしているのでしょうか?

フィンテックへの取り組みをおこなうMUFGイノベーションラボというのがあります。フィンテックは銀行業務を置き換えるものに等しいので自分たちが銀行内で開発していくのはジレンマがありました。

しがらみだらけなので影響をおさえるべく頭取直下でやっていましたが、ようやくイノベーションラボが独立することになりました。

現在はサンフランシスコに拠点を置いて、東京と距離を置きフィンテックの研究に力をいれています。これを推進したのは前述の平野氏の力が大きいといわれています。

みずほもデジタルイノベーション部的な部署を持っていますが本場米国のサンフランシスコに拠点をおきやっているのは三菱UFJ銀行くらいですね。

–今メガバンクにいる人にメッセージはありますか?

もう一度将来を、30年後の将来を考えて、次の数年の身の振りを考えたほうがいいです。30年後も三菱安泰だと思う人は焦る必要はないですが、焦る人は行動をした方がいいでしょう。

よくよく考えると三菱UFJ銀行は最終利益で1兆円も出している企業なので安泰といえるかもしれないです。今40代後半くらいの人は逃げ切れるでしょう。

だが、今30歳未満の人はわからないです。銀行が30年後になくなりましたでは遅いのです。今やっている仕事は汎用性がない銀行でしか通じないスキルということは覚えておいてほしいと思います。

–銀行で残りながらやれることはないですか?

出向を希望することですね。銀行の本業と呼ばれる領域にいることには意味がないです。銀行で出世することを主眼においたとしても銀行行以外を絶対にやったほうがいいです。

–長時間誠にありがとうございました。

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 編集後記:

3回にわたってBTMUの行員に内情を伺った。銀行のイノベーションのありかた、旧態依然の状況、給与事情、そして転職について幅広くうかがった。

銀行員に対してここまで深く様々なことを聞いているインタビューがなかったのでご快諾いただいて今回の企画が実現した。

質問がある場合は質問フォームからいただければ幸いだ。可能な限り回答させていただく。

また、転職に関しては今回取り上げたビズリーチをぜひご利用いただきたい。手間もかからないため第一歩の登録をしてほしい。

冒頭にも述べたが銀行から転職を考えているなら併用して、転職ニーズに合わせて利用するのが良い。

未経験からのコンサル業界であればアクシスコンサルティングを利用して、コンサル対策をしよう。外資系全般を見るのであればリクルートダイレクトスカウトを利用しよう。

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