就職活動では、学歴フィルターをはじめ苦労する点が多い。今回はMARCH(マーチ)文系学部の方で複数企業から内定を獲得した18卒の方にお話しを伺った。就職活動を成功させるための参考にしてほしい。
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- キャリハイ@編集部
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目次
3年の12月から就活を開始
-ご経歴を教えてください。
父の仕事の関係で幼少期に少し海外に住んでいました。帰国後、中高一貫の私立に入学し、受験して大学に進学しました。海外では日本人学校と現地校のどちらにも通いました。
TOEICは現在800点を超える程度で、帰国子女と呼べるほどの英語力ではないかもしれません。
-就職活動のスケジュールを教えてください。
本格的に就職活動をはじめたのは12月です。学生団体にフルコミットしていたのもあって就職活動開始はだいぶ遅かったと思います。夏休みに1週間ほど、休みがあったのでインターンに1社だけ参加しました。
-どちらの会社に参加したのですか?
3年の夏に富士通グループ合同のインターンに行きましたが本選考は受けませんでした。
サマーインターンでは野村不動産や他の企業も数社受けましたが落ちましたね。学生団体の先輩ものんびりやっていたので有名企業に入る人も少なく、大手のグループ会社に入るといった状態だったので、周りの就活の意識は高くなかったです。
ただ、学生団体でイベント運営のための営業をしていて実際に成果が出ていたので、伝え方と対策をしたら受かるだろうと思っていました。就活が遅れてもそれまで1つのことを頑張っていることは役に立つだろうと。
-12月から就活をはじめて実際にどのようなことをしましたか?
ワンキャリアが主催する合同説明会に行きました。その中で色々な企業を知り応募を検討しました。海外に住んでいたこともあり、グローバルなメーカーかつネームバリューのある大手が良いというのが軸としてありました。ただこの時点では絞らずに様々な業界を回りました。
最初にインターンに応募した企業はエントリーシートで落ちました。単純にエントリーシートの質が高くなかったです。
また12月に1dayインターンに行きました。生命保険会社にまず行きましたが、生保はずっと営業ばかりのキャリアになるという印象を受けました。
他には新日鉄のイベントも行きました。雰囲気が合わないと思って選考には進みませんでしたが。
パソナなどのベンチャー企業も見ました。ベンチャー企業はなんとなく違うなと感じ、途中で選考を辞めました。
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外資系を受けたことが学びに
-ESの質の改善はどのようにしましたか?
外資系化粧品メーカーであるロレアルのESを書いたのですが、外資系メーカーはESが誘導的というか、PDCAサイクルを書くようにESを書かせる内容になっていたので勉強になりました。
P&GやロレアルのESは頑張ったことの中に、課題発見や改善、結果といったPDCAを書く必要があり、それを書くことでESも洗練されたものになるので応募することをおすすめします。
その後、日系のメーカーにも同様の書き方でESを提出したのでESで落ちることはありませんでした。
早期内定を獲得
1月ごろにファーストリテイリングを受けて、ユニクロで内定を獲得しました。ユニクロでバイトしていたこともあり、ユニクロへの志望度はかなり高かったです。
ファーストリテイリングは人事が就活の相談に乗ってくれてとても良い企業でした。第一志望ではないと伝えていましたが熱心に相談に乗ってくれました。他社を悪く言うこともなかったです。
自己分析で挫折したときに、一回会って相談に乗ってもらったことは大変役に立ちました。
いわゆるオワハラが問題視されていますが、オワハラを受けることは他社含めありませんでした。
3月は多くの企業に足を運ぶ
-その後の就活はどのようにしたのですか?
ユニクロの内定があったので後は、就活のペースを少し落としていきました。
2月はインターンに落ちたこともありほとんど就活をせず遊んでいました。ロレアルやベンチャーなど、数社受けた程度でした。
3月がもっとも忙しく週6回はスーツを着ていました。学内説明会を中心に業界問わず色々な企業の話を聞きました。インターン、選考含め説明会は70社ほど話を聞きました。
同じ会社の説明会といっても形式は様々なので、特に金融系など説明会参加回数を重視する業界を志望する方は説明会にたくさん足を運んだ方がいいと思います。
結局メーカー志望ということは変わりませんでした。メーカーの中でも自動車業界が特に志望度が高かったので自動車を中心に見ていましたね。あとはどちらかというと雰囲気で選んでいました。
引き続き選考の進んでいたロレアルを受けたり、日系メーカーのインターンに行ったりしました。某大手日系グローバルメーカーの説明会と1dayインターンに参加し、良いなと思い志望度が上がりました。3月以降もインターンを開催している企業は意外と多いですし、2月のインターンと比べて倍率も低くなるのでこの時期のインターンも要チェックです。
帝人等の化学/繊維系のメーカーや三菱モルスタ等の証券の選考に足を運びました。証券はESを出す前から面談を受けることができ、フィードバックをくれるので練習にはおすすめです。
4月からは戦略を変更、ペースを緩める
-4月以降は?
当初は選考をたくさん受けようと思っていましたが、選考が重なって疲れてしまったため、1社の対策、準備をしっかりして1社ごとに燃え尽きるくらい力を出し切ろうという戦略に変えました。
4月からはESをほとんど出さなくなり、結局本選考で出したのは日本ロレアル、帝人、三菱モルスタ、ソフトバンク、トヨタ、日産、ホンダ、スズキ、日立といったところに終着していきました。
1週間まるまる就活をせず休むこともありました。
入社した会社はインターン経由で受けて、職種別採用という形で採用されました。文系職でも営業職以外の形で職種別採用されるのは良かったです。内定前に面談があり、ジョブマッチングをする機会があったので、ジョブマッチングを行った日に内定をもらいました。
-選考を受ける段階で、気を付けたことはありますか?
大事な時期に息切れしないということです。やみくもにたくさんESを出すより、1つの企業をしっかり研究して面接が終わった後は力尽きるくらいにするようにしました。
就活も始めたのが早くなかったですが、1つのことに夢中になっていたと伝えることで問題ありませんでした。
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企業選びは社員の口コミサイトを参考に
-企業選びの軸でなぜその10社にしぼったのですか?
自分に合いそうな雰囲気かどうかを重視して絞りました。その際、実際に働いている人の口コミはかなり参考にしていました。
ソフトバンクは社内の雰囲気が良さそうだったのと、孫さんの講演が面白かったのですが、選考の進み具合が遅かったので志望度が下がりました。面接の結果連絡が2週間かかったことがあり辞退しました。
恐らく、ソフトバンクが早めに内定を出ていたら就活を辞めていたかもしれません。
内定時期がいつかは重要です。
早めに内定が出るところはインターンに応募するなどして早めに受けたほうがいいですね。内定の枠が埋まってしまいますし、早く内定が出る方がよいので。
リクナビ、マイナビは利用しない
-就活サイトはどのようなものを使いましたか?
ワンキャリアを1番使っていました。
リクナビ、マイナビは登録したけど開くことはありませんでした。
外資就活ドットコムは企業の対策とコミュニティを見ていました。ワンキャリアはアプリが使いやすく企業やイベントを探すのに活用しました。
-OB訪問をしなかったと伺いましたがなぜでしょうか?
無料で社会人の話を聞ける機会はなかなかないので今思うと行けばよかったですが、商社や広告代理店と異なり、メーカーはOB訪問に行くことが当たり前とはなっていなかったので無理して行く必要はないし、面接準備に時間を割いた方がよいと判断しました。
-面接対策は具体的にどのようなことをしたのですか?
自己分析をしました。就活手帳が学校で配られてて、自己分析の方法が書いてあったのでその通りにやりました。
時系列順に過去の出来事を書いていくという一般的なものですが、意外と思い出すのに時間がかかるので早めに手をつけたほうがよいです。
また、質問されることを就活サイトで調べました。質問されることへの返答を全部書き出しました。
深掘りに耐えられるよう、各エピソードと自己像が離れていないか、徹底的にチェックをしました。面接では矛盾の無いよう自分を売り込むことが大切なので、自己分析ではここに一番時間をかけました。
-企業研究はどのようにしましたか?
企業研究も12月に始めましたがオーソドックスなことをしていました。企業研究は投資家情報、ユニスタイルとかワンキャリアを活用しました。ユニスタイルに分析のためのフレームワークが書いてあったのでそれを利用しました。また、個人のブログで企業比較したものがあったのでそれを参考にしました。
twitterを活用
-MARCHだと早慶など上位校に比べ就活意識が低いように感じます。周りはいかがでしたか?
MARCHの周りの子は東早慶の子に比べて就活開始時期が遅く、情報を集めるのが下手でした。
アイドル好きという趣味もあって情報収集が比較的、得意かつ好きだったのでその点は苦労せず、twitterをうまく活用できたと思います。このサイトもtwitterでお気に入りしている人がいて発見しました。
twitterで18卒と書いている人はフォローして見ていました。twitterを見ることで、この就活サイトの記事は信用できる、などのリテラシーを高めたり、選考に関する情報を効率よく集めたりすることができたと思います。
就活は基本的に1人でやっていて、対策も自分で考えていました。OB訪問はしませんでしたがtwitterで十分でした。
ESはゼミの先輩に見てもらいました。学生団体のことを頑張ったこととして書いていたので、同じ組織の人でなく組織外の人に見てもらってどう思うかが大事だと感じました。先輩には言葉の使い方とかを見てもらい、根本的な内容を変える等は自分で考えました。
ロレアルのESで学んだ書き方に当てはめて書くとESに問題は感じませんでした。
-他にはどのようなことを?
話が長くなる癖があるので簡潔に話す練習しました。手帳に話す内容を全部書いて、話す内容が長くならないように事前にチェックしました。書いては自分で考え改善することを繰り返し行うことで簡潔に話せるようになりました。
就活の方法も自己分析しよう
-受かった企業や選考の進み具合を聞くに就活が成功している印象を受けます。なぜ成功したのでしょうか?
自分のペースを把握しながら就活をしたことと、早めに内定をとれたことです。無理にたくさんESを出すのではなく、自分が内定をとるために必要な準備はなにかを考えました。早めに内定を獲得できると余計な企業を受けなくてよいのは大きいです。
準備に時間をかけて本番の数を絞り、一回一回、面接後倒れるくらい出し切る覚悟でやるのが私のやり方でした。自分のペースや就活の方法も自己分析すべきです。
-職種別採用ということですが、営業以外で職種別採用されるにはどうしたらよいでしょうか?
私が入社する会社はインターン経由が多いです。大学院の専攻が結びついて職種別採用になることもありますが、ただの文系学部生ならインターンに行き、早めに選考を受けることが大事だと思います。
-就活中もっとすべきだったことはありますか?
せっかくの機会だったのでOB訪問をしておくべきだったのと、後は面接に行かなかった企業もあるので、面接に行けばよかったなということです。面接で志望度って大きく変わりますし。
上手く情報選択をしよう
-後輩へ向けてアドバイスはありますか?
外資のES、例えばP&Gとかロレアルを書いておくと、他でも通りやすくなるので書いたほうがいいでしょう。
外資は受けている周りの学生が優秀です。集団面接で他の人が言っていていいなと思ったことは真似して別の面接で活用しました。あとは、言うまでもないですが早めに動くことです。
MARCH生はとくに情報の取捨選択を上手くやってほしいです。MARCH生のコミュニティの情報だけに振り回され、無駄なことに時間を割いている子が多いと感じました。周りが言うからといってなんでも取り入れるのではなく、自分のペースと照らし合わせて流されないようにするべきだと思います。そのためにtwitterやインターンを通じてレベルの高いコミュニティに入り、本当に自分の役に立つ情報かどうか見極めることが大切です。
-ありがとうございました。
編集後記
就活中、人に教わるのではなく自分のことを理解し、自分で問題を解決し、内定につながっているという印象を強く受けた。MARCH層は人数も多く、優秀層からそうでない層に分かれているはずだ。自分の頭で考え、そして行動することが重要に感じた。
今日は以上だ。